[新潟大賞典]今年も大波乱か!?新進気鋭のスパイダーゴールド、白毛馬ハヤヤッコらが激突。 - 重賞プレビュー

歴史ある新潟の春のハンデ重賞は波乱の可能性大!?
混戦を制するのはどの馬か?

5月7日の新潟では新潟大賞典が行われます。
外回り芝2000Mのハンデ戦のG3の重賞ですが、過去の勝ち馬は豪州のコーフィールドカップ(G1)を勝ったメールドグラースがいて、21年の2着馬に昨年の大阪杯の勝ち馬のポタジェがいます。
大阪杯が終わって中距離の実績馬は宝塚記念に向かうか、秋に向けて休養している時期ですのでここに出走するメンバーは自己条件から上がってきた昇級馬か、重賞ではやや頭打ちになってしまった馬が集まるレースになっています。このため、各馬の能力比較が難しく、穴馬が台頭しやすいレース構造になっています。

過去10年でも3着までが5番人気以内で堅く収まったことが1度きり、10番人気以下の馬が6頭も3着以内に入っているという非常に難解なレースです。どの馬が上位に来てもおかしくないと言えるでしょう。

新潟の馬場は開幕2周目でもう荒れている?
雨と馬場が難解さに拍車をかけるか。

春の新潟開催は先週が開幕週。芝が伸びる季節ということもあって他の競馬場のように高速馬場を想像される方も多いと思いますが、開幕した先週の土曜の時点でもそこまで速い馬場ではありませんでした。加えて翌日の日曜は未明から雨が降っていたので重馬場での開催。一気に時計がかかる馬場になっての開催でした。

今週はその影響を受けているようですし、かなり水分を含んだ馬場になる可能性が高いです。
新潟競馬場ではあまり見られない不良馬場での開催の可能性もありそうです。渋った馬場への適性や時計のかかる馬場でも走り切れるスタミナが問われるレースになるのではないでしょうか。

新潟大賞典 注目馬紹介

スパイダーゴールド - 連勝はどこまで続くのか? 重賞初挑戦で地力が問われる。

一番の注目は現在4連勝中のスパイダーゴールドです。
3戦目まで右回りを使っていて結果が出ませんでしたが、4戦目に左回りの東京芝1800Mを使ってから怒涛の4連勝でOP入りした、いま売り出し中の4歳馬です。

圧巻だったのは前走のアメジストS。
大逃げを打ったサザンナイツを2番手のインで追いかけて残り200Mで交わしてそのまま押し切りました。
速い流れで逃げた逃げ馬を追いかける消耗戦のようなレースになりましたがそれでも押し切る地力の高さを見せました。

ここでも上位人気間違いなしですが、相手が一気に強くなります。
今回は石川騎手に乗り替わり、渋った馬場で力を出せるのかも含め、かなり厳しい条件が重なりました。それでも勝ち切れれば今後の中距離路線に割って入ってくる馬になるでしょう。真価が問われる一戦になりそうです。

カラテ - 実績は一枚上。59キロでも力の違いを見せつけられるか。

出走メンバーの中で実績NO.1はカラテでしょう。
昨年の新潟記念を57.5キロで勝利、天皇賞・秋では0秒7差の6着、JCでも0秒7差の8着と、一線級に対して差の無い競馬をしてきました。ここでは実績的に一枚上の存在ですが、今回は59キロの斤量がネックになるでしょうか。

昨年の新潟記念が57.5キロで2着に2馬身弱の差をつけたという事、今回のメンバーは昨年の新潟記念よりもややレベルが落ちることを考えば59キロは妥当な斤量といえますが、それをこなせるかどうかは別問題です。

不良馬場での勝利もあるので、ある程度渋った馬場には対応できるかと思いますが、相手との力関係よりも自分の走りができるかという点が鍵になるでしょうか。

セイウンハーデス - クラシックで戦った経験は伊達ではない。

このレースは『昇級馬vs実績馬』という構図のため、前走で3勝クラスを勝ち上がった馬にも注目です。
上述のスパイダーゴールドも注目ですが、3歳時の実績では上のセイウンハーデスにも期待が集まります。

昨年はプリンシパルSを買ってダービーへ出走。ダービーは11着、菊花賞は17着と結果が出ませんでしたが、前走自己条件の3勝クラスを快勝し、改めてOPレベルの力があることを示しました。
この馬の強みは2000Mで2戦2勝と距離適性がピッタリな点です。2勝とも勝ちタイムが2分を切る優秀なタイムですので速い馬場なら互角以上に戦えるでしょう。

ただ、今回は渋った馬場での競馬。一応、やや重だったセントライト記念では4着だったのである程度はこなせると思いますが、重馬場になってどうか、というところでしょう。

リステッド勝ちがある実績なのに56キロはやや恵まれた印象です。
馬場を考えれば先行できる脚質も魅力。年明けから活躍を見せる4歳勢の一角として力を示せるでしょうか?

ヤマニンサルバム - 重賞2戦目で改めて。継続騎乗は大きな武器。

同じく4歳馬のヤマニンサルバムにも注目です。
同馬はクラシックに縁がなく、自己条件を使ってじっくりと力をつけてきました。

驚くべきはその安定度で、全14戦中、4勝、2着4回、3着4回。
初めて掲示板を外したのは、前走の金鯱賞でした。
その金鯱賞では外々を回らされて前に壁が作れず伸び切れない競馬。今回も12番枠なので外々を回らされる可能性がありますが、金鯱賞の時よりは相手関係が楽になるので巻き返しを期待していいでしょう。

また、ローカル開催にもかかわらず浜中騎手の継続騎乗という点も心強いです。
このメンバーなら人馬で安定度の高い馬と言えるのではないでしょうか。

カイザーバローズ - リピーターが活躍する新潟大賞典。復活するならこの舞台!

新潟大賞典はリピーターが活躍する傾向のあるレースです。
パッションダンスが13年、16年の勝ち馬。15年の勝ち馬ダコールは13年で3着と結果を残しています。
その傾向から考えると、今年可能性がありそうなのは昨年2着のカイザーバローズでしょうか。

昨年は出遅れながらも2着を確保。これからを期待させる走りでしたが、その後は結果が出ていません。
特に同コースの新潟記念では他に先行する馬がいなかったため、やや強引な形で逃げてスタミナを浪費してしまいました。今回はスパイダーゴールドをはじめ多数の先行馬がいますし、渋った馬場なのでより積極的に先行する馬もいるでしょう。ここ2走は着順こそ悪いものの、上り3ハロンは34秒0、33秒4(上がり最速)と復調の兆しもあります。重賞2着の実績の割には恵まれたと言えます。

重馬場で走った経験がないので未知数ではありますが、なにせ10番人気以下の馬が来てもおかしくないレースです。好走するかもしれない要因は拾っておいて損はないでしょう。

ハヤヤッコ - 白い馬体に不似合いな馬場こそ我が本領。

重馬場を得意とする馬には注意が必要です。
メンバー中、一番の重巧者とも言えるハヤヤッコは、無視できない存在になるでしょう。

以前はダートを使っていましたが、昨年芝に転向して重馬場の函館記念を勝利。
洋芝の重馬場という事で、かなり時計がかかる馬場でしたが勝ち切りました。現役屈指の重馬場巧者と言っていいでしょう。

また、近走は良馬場でも重賞で差の無い競馬をしています。
昨年末の中日新聞杯は0秒1差の5着、前走の金鯱賞は0秒5差の4着と上々の結果。
58.5キロの斤量がちょっと重たいですが、重馬場で他馬が苦しむなら相対的に上位と言えるでしょう。

泥が跳ねるような重馬場の下で白い馬体が躍動するレースを期待したいですね。

新潟外回りのコースではありますが、かなり水分を含んだ馬場でのレースになりそうな今年の新潟大賞典。
ただでさえ難解なレースなのに、輪をかけて難しくなりました。どんな馬が来てもおかしくないですが、長い直線では各馬が横に広がっての激戦になることは間違いないでしょう。

そんなメンバー構成でも4歳勢が好成績を残すのか? ベテランたちが特殊な馬場と展開で底力を見せるのか? という点は気になるところです。まだ早いですが夏に向けて大いに参考になることでしょう。

もちろん馬券的にも大きな配当が狙えるチャンスでもあります。
普段はできないような大振りもこのレースならやってしまってもいいでしょう。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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