[今週の競馬]いよいよ競馬の祭典、日本ダービー!!2023年に産まれしサラブレッド7777頭の頂点に立つのは!?

東京競馬場の5週連続GⅠ開催もいよいよ最大の山場である日本ダービーを迎える。皐月賞を制したロブチェンを中心とする、一冠目で熱戦を繰り広げた馬たちに、青葉賞や京都新聞杯から名乗りを上げてきた別路線組が、府中芝2400mの大舞台で激突。果たして、この世代の頂点に立つのはどの馬となるか。

そのダービーデーの締めくくりには、伝統のハンデ重賞である目黒記念も組まれている。一方、土曜日の京都では3歳短距離路線の行方を占う葵ステークスが開催。春競馬のクライマックスへ向けて、それぞれの路線で見逃せない1戦が続く1週間となりそうだ。

○日本ダービー すべてのホースマンが夢見る頂点

日本ダービー(GⅠ)
日曜東京11R 15:40発走
芝2400m(左)サラ系3歳 オープン 牡・牝 馬齢
本賞金 1着30000 2着12000 3着7500 4着4500 5着3000(万円)

■レースの歴史、位置付け

1932年に「東京優駿大競走」として創設され、第1回は目黒競馬場の芝2400mで開催された。1934年からは府中の東京競馬場へ舞台を移設。以降は日本競馬における最高峰のレースの一つであり、世代の頂点を決める1戦として開催されている。

皐月賞、菊花賞とともに牡馬クラシック三冠を形成する一戦で、古くから「皐月賞は最も速い馬が勝つ、ダービーは最も運のある馬が勝つ、菊花賞は最も強い馬が勝つ」とも言われてきた。すべてのホースマンが一度は夢見る舞台であり、ダービー○○の称号は憧れとも言える。

他のレースにはない「ダービーを勝ったら騎手をやめても良い」という名言が誕生しているのも、このレースの格の高さを象徴していると言えるのではないか。

■前年のレース模様

前年はホープフルステークスを制して2歳王者となっていたクロワデュノールが、皐月賞2着から巻き返しを狙って1番人気に支持された。彼に続く人気はミュージアムマイルやマスカレードボールなどであったが、単勝オッズはクロワデュノール1頭が抜け出し、多くのファンがリベンジの瞬間を夢見ていた。

レースはサトノシャイニングがスタートからハナを叩くかと思われたが、それを制して逃げたホウオウアートマンがペースを作る。クロワデュノールはその直後の番手に控えると、直線で堂々と抜け出し、中団から追い込んできたマスカレードボールの追撃を振り切って勝利。皐月賞で敗れた悔しさを府中の大舞台で晴らす結果となった。

■今年の出走馬

今年の中心は、やはり皐月賞馬ロブチェンの二冠なるか、だろう。皐月賞では我々の度肝を抜く逃げを打ち、直後の2番手から追撃してきたリアライズシリウスを凌ぎきってレコードタイムで押し切るという強い内容だった。父、ワールドプレミアの出走が叶わなかった春の二冠を制し、堂々と世代の頂上に立つことはできるか。

その皐月賞で2着だったリアライズシリウスは当然、逆転を狙う1頭となる。今年の共同通信杯ではロブチェンを下した実績があり、その時と同じ府中に戻る点は大きな好材料。とはいえ、同競走の勝ち馬が日本ダービーを制するというのは、2001年のジャングルポケット以来、四半世紀現れていない。近年でもエフフォーリアやジャスティンミラノ、マスカレードボールといった馬たちが惜しくも2着に敗れている。25年ぶりの逆襲劇にも期待したい。

また、ダービーの登録19頭中5頭が今年デビューを迎えた種牡馬の仔。さらにそのうち4頭がいずれも重賞ウィナーというのは、なかなかに層が厚い。青葉賞を勝ったゴーイントゥスカイや京都新聞杯を無傷の3連勝で制したコンジェスタスなど、初年度産駒からいきなりダービー馬が誕生するという快挙の瞬間が訪れるか注目だ。

なお、今年ダービーを勝利すると初制覇となる騎手・調教師は以下の通り。

・騎手

横山武史騎手(アルトラムス)-6度目
F.ゴンサルベス騎手(エムズビギン)-初騎乗
戸崎圭太騎手(グリーンエナジー)-12度目
西村淳也騎手(コンジェスタス)-2度目
坂井瑠星騎手(ジャスティンビスタ)-5度目
荻野極騎手(フォルテアンジェロ)-初騎乗
横山和生騎手(マテンロウゲイル)-3度目
M.ディー騎手(メイショウハチコウ)-初騎乗
佐々木大輔騎手(ライヒスアドラー)-2度目
津村明秀騎手(リアライズシリウス)-4度目
松山弘平騎手(ロブチェン)-11度目

・調教師

手塚貴久師(アウダーシア、リアライズシリウス)-6度目
木村哲也師(パントルナイーフ)-7度目
須貝尚介師(ショウナンガルフ)-11度目
杉山晴紀師(ロブチェン)-4度目
高野友和師(コンジェスタス)-4度目
吉岡辰弥師(ジャスティンビスタ)-2度目
牧浦充徳師(メイショウハチコウ)-2度目
野中賢二師(アルトラムス)-2度目
上原佑紀師(グリーンエナジー、ゴーイントゥスカイ、フォルテアンジェロ、ライヒスアドラー)-初出走
福永祐一師(アスクエジンバラ)-初出走

○目黒記念 ダービーデーを締めくくる伝統のハンデ重賞

目黒記念(GⅡ)
日曜東京12R 17:00発走
芝2500m(左)サラ系4歳以上 オープン ハンデ
本賞金 1着5700 2着2300 3着1400 4着860 5着570(万円)

■レースの歴史、位置付け

1932年に創設された、日本競馬においては最古の重賞、およびハンデキャップ競走。もともとは東京競馬場の前身である目黒競馬場の名称を後世に残す目的で設立されており、当初は春と秋の年2回開催されていた。

1984年のグレード制導入時にGⅡへの格付けが行われた際、秋の施行が廃止に。その後、1997年から6月の開催となり、2006年から日本ダービーと同日の実施に変更。以降はダービーデーを締め括る最終レースとして行われている。

今年で日本ダービーの同日開催となって20年の節目となるが、日本ダービーと目黒記念を連勝した騎手はC.ルメール騎手、D.レーン騎手の2人のみ。日本人ジョッキーはいまだにゼロだ。
そのため、もし今年の日本ダービーを制するのが日本人騎手なら、同時に、日本人では史上初となる同日の目黒記念連勝という記録もかかる。

■前年のレース模様

前年の菊花賞3着馬アドマイヤテラが1番人気。それを追う形で同世代の上り馬スティンガーグラスが2番人気に推されており、両者の単勝オッズが頭ひとつ抜け出していた。

スタートからしばらくはマイネルカンパーナが引っ張っていたが、3角手前で捲り上げたシルブロンが先頭へ。しかしそれについていかず、番手で控えていたアドマイヤテラが直線に向いたところで脚を伸ばし、最後は好位から粘るホーエリートをクビ差捉えて重賞初制覇を飾った。勝利ジョッキーインタビューでは騎乗していた武豊騎手から「ダービーデー?いやいや、今日は目黒記念デーでしょう」という発言も飛び出し、ファンの笑いを誘った。

■今年の出走馬

今年は大阪―ハンブルクCを勝ってきたウィクトルウェルス、阪神大賞典3着で重賞でも通用する力を見せたダノンシーマ、堅実な走りが光るアマキヒと、4歳世代の新星たちが中心視されそう。彼らはいずれもクラシックの舞台には駒を進められなかったが、この先の飛躍が期待できる実力馬たちである。

一方、ダイヤモンドSで2着と好走したファイアンクランツに、昨年の菊花賞でも5着に入線したミラージュナイトなど、同世代のダービーや菊花賞に駒を進めた実績馬たちも出走予定。クラシック組と別路線組が一堂に会するこの舞台で、果たして誰が新たな主役候補に名乗りを上げるだろうか。

○葵ステークス 若き快速馬たちのスプリント決戦

葵ステークス(GⅢ)
土曜京都11R 15:45発走
芝1200m(右)サラ系3歳 オープン 馬齢
本賞金 1着4100 2着1600 3着1000 4着620 5着410(万円)

■レースの歴史、位置付け

もともとは3歳限定のオープン特別として行われていたが、3歳スプリント路線の拡充を目的として2018年に重賞へ昇格。2022年にはGⅢに格付けされた。かつてはカルストンライトオやロードカナロアがここを制し、のちにスプリントGⅠを制するまでの成長を遂げている。

クラシック路線とは異なる適性を持つスピード型の3歳馬にとって、春の大きな目標となる一戦である。

■前年のレース模様

1番人気のウイントワイライトが5.6倍の単勝オッズという超混戦模様。レースはスタートからクラスペディアが引っ張り、それにサウスバンクが付いていく形。

4コーナーで両者の進路は内外大きく分かれ、外に大きく開いたサウスバンクの方が若干苦しくなった。そこに道中は後方で脚をためていたアブキールベイとレイピアが急襲。最後はクラスペディアを3/4馬身交わして勝利を飾った。

クラスペディアは2着を死守し、3着には追い込んできたレイピアがサウスバンクを交わして入線。15番人気→13番人気→8番人気という決着で、3連単は189万3020円の大波乱となった。

■今年の出走馬

昨夏、道営からの転入初戦で函館2歳Sを制し、前走のファルコンSでも2着に入ったエイシンディードが実績面では上位。テンからのダッシュ力は非凡なものがあるため、逃げ馬が強いこの条件ではアドバンテージとなりそうだ。

これに同条件である橘Sを逃げ切ったタガノアラリアや、マーガレットSを制したタマモイカロスなども出走予定。重賞勝ちはなくとも、その非凡な才能は証明済みの若きスプリンターたちが、ダービー前日にどのような走りを見せてくれるか注目だ。


日本ダービーが終われば、翌週には春のマイル王を決める安田記念が控えている。東京GⅠシリーズはまだもう1週続いていくが、3歳世代にとって日本ダービーは一度きりの夢舞台。府中の2400mでどの馬が世代の頂点に立つのか。そして、目黒記念、葵ステークスからは各路線の新たな主役が現れるのか。春競馬の熱は、今週さらに大きな高まりを見せることになりそうだ。

写真:mosan、s1nihs、ほこなこ、ぼん(@Jordan_Jorvon)

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