アイビスサマーダッシュってどんなレース?

アイビスサマーダッシュのアイビス(Ibis)は英語で朱鷺(トキ)の事を指します。朱鷺は新潟県の県鳥で、この「アイビス」という名称は新潟競馬場の「アイビススタンド」にも使用されています。

アイビスサマーダッシュはJRAで唯一、直線コースのみで施行される重賞競走です。2001年に新潟競馬場のコース改修が行われた際に新設された、芝直線1000mのコースを使用して行われます。
2005年まで8月の後半に行われていましたが、2006年以降は夏の新潟開催の開幕週(2012年のみ2週目)に行われ、夏季競馬をさらに盛り上げるため設けられた「サマースプリントシリーズ」の第3戦に指定されています(2011年までは第2戦として開催)。

今年の主な出走馬

ライオンボス(牡5 美浦・和田正厩舎 57Kg 鮫島駿騎手騎乗)

昨年のこのレースを制したライオンボス。
連覇を狙って出走します。

新潟・直線1000mでは5戦4勝2着1回と安定した成績を残しています。唯一勝てなかったルミエールオータムダッシュは、58Kgのハンデが応えた感がありました。
しかし、今やそのハンデすらも克服しているかもしれません。前走の韋駄天ステークスでは57.5Kgのハンデが響き2番手からの競馬となりましたが、ハンデ53Kgのジョーカナチャンをアタマ差で破りました。

現役屈指の新潟・直線1000mの適性能力の高さ。ハンデ57Kgの馬はここ10年では4着が最高というデータはあるものの、530~540Kg台の雄大な馬体を誇る馬ですので、そうした傾向を覆しそうな雰囲気があります。

騎乗する鮫島克駿騎手は昨年のこのレース前日に落馬負傷し、初重賞のタイトル獲得はできませんでした。鮫島騎手自身は今年の小倉大賞典で初重賞制覇となりましたが、この馬に対する愛着心が強いと聞きます。今年こそは、という思いはあるでしょう。

ダイメイプリンセス(牝7 栗東・森田厩舎 56Kg 秋山真騎手騎乗)

ライオンボス以外にも、アイビスサマーダッシュ2勝目を目指す馬がいます。このダイメイプリンセスは、一昨年のこのレースを制しました。

連覇を狙った昨年のこのレース。
2番枠からのスタートが不利となり6着と敗れましたが、続く北九州記念では9番人気の低評価を覆す勝利を収めました。新潟・直線1000mでは5戦して3勝3着1回と相性の良いコースでもあります。

ダイメイプリンセスの戦績を振り返ると、全7勝中5勝が6~9月の夏競馬の時期に固まっています。
「夏は牝馬」という格言がありますが、まさにこの格言通りの実績を残しています。前走の韋駄天ステークスでは56Kg(牡馬に換算すると58Kg)のハンデを背負いながら、ライオンボスとは0.1秒差の3着と健闘。
ライオンボスと逆転する可能性はまだまだありそうです。

ラブカンプー(牝5 栗東・森田厩舎 56Kg 藤田騎手騎乗)

ダイメイプリンセスの森田厩舎からはもう一頭、サマースプリントシリーズ第2戦のCBC賞を制したラブカンプーが出走します。

一昨年のスプリンターズステークス2着以降、4戦連続のシンガリ負けを含む15戦で13度の2桁着順と極度のスランプに陥りました。そのため、CBC賞のハンデは51Kgと最軽量のハンデでレースに臨みましたが、前半600mのタイムが33.5秒と速いペースを逃げ切っています。

今回はCBC賞よりもハンデが5Kg重い56Kgでの出走となります。55Kg以上のハンデでは過去7戦全てが4着以下になっていますが、外枠からの発走でスタートが上手く決めれば、新潟・直線1000mに強い藤田菜七子騎手がすんなりとゴールへ導いてくれるはずです。

ジョーカナチャン(牝5 栗東・松下厩舎 54Kg 菱田騎手騎乗)

韋駄天ステークスではライオンボスとタイム差無しの2着でゴールしたジョーカナチャン。
ここで、初の重賞制覇を狙います。

新潟・直線1000mでは4戦2勝2着1回。
唯一惨敗したルミエールオータムダッシュは4番枠からのスタートが敗因としっかりと理由づけが出来ます。
また、この馬の場合、稍重馬場で行われた飛翼特別、重馬場で行われた駿風ステークス(いずれも新潟・直線1000m)で結果を残すなど、梅雨時の今、馬場が悪化した場合でも結果を残していることが強みでしょう。

先頭に立たないと脆い面があるので、好スタートを決められるかが大きなポイントとなります。リステッド競走の淀短距離ステークスでは差のない競馬を見せるなど、ここでも十分通用する素質はあります。

その他では、ルミエールオータムダッシュでライオンボスに先着したレジーナフォルテ(牝6 美浦・佐藤吉厩舎 54Kg 三浦騎手騎乗)。昨年のこのレースで2着のカッパツハッチ(牝5 美浦・矢野厩舎 54Kg 丸山騎手騎乗)。初めての芝レースだったテレビユー福島賞(3勝クラス・芝1200m)で圧勝したアユツリオヤジ(牡6 栗東・村山厩舎 56Kg 柴田大騎手騎乗)が出走します。

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