葵ステークスってどんなレース?

2018年の番組改正で、3歳スプリント路線の拡充を図る観点から新設された重賞です。

元々はオープンレースで、1985年から1988年までは「葵賞」として、1989年からは「葵ステークス」として開催されていた競走です。距離は1985年〜1995年・2002年〜2009年は芝1400m、1996年〜2001年・2010年〜現在は芝1200mで行われています。

葵ステークスを勝った馬達

オープンレース時代の葵ステークスの覇者には、後に宝塚記念を制したオサイチジョージ(1989年)、マイルチャンピオンシップを連覇したダイタクヘリオス(1990年)がいます。またあ、スプリンターズステークスを2004年に制し、新潟競馬場直線1000mのレコードホルダーでもあるカルストンライトオも2001年に制しています。

現役時代はG1レース6勝をあげ、種牡馬としても成功を収めているロードカナロアも、2011年にこのレースを制して一気にスターダムを駆け上がりました。

今年の主な出走馬

ビアンフェ(牡3 栗東・中竹厩舎 57Kg 藤岡佑騎手騎乗)

函館2歳ステークスを制したビアンフェが、2つ目の重賞タイトルを狙って出走します。

母のルシュクルは現役時代芝1200m戦を3勝、ファルコンステークスでも3着した実績馬です。姉には函館2歳ステークス・キーンランドカップを制したブランボヌールや、現在オープンで活躍しているエントシャイデンがいます。

これまで芝1400m以下の距離では崩れたことのない馬でしたが、前走のファルコンステークスは遂に9着と大崩れを経験。ただ、前走は馬体重が自身最高の550Kgと、明らかに太めだった影響もあるのかもしれません。今回しっかりと馬体重が絞れていれば、これまで戦った相手関係を見ても、十分に主役級の期待をかけて良い馬でしょう。

ケープコッド(牝3 美浦・高柳瑞厩舎 54Kg 岩田望騎手騎乗)

桜花賞こそ13着に敗れましたが、芝1200mでは3勝をあげているケープコッドも出走します。

母のハーロンベイは現役時代、ダートの1200mで4勝をあげました。また、母方の曾祖母にあたるコンポ―ジャーはアメリカのG1レース・サンタアニタオークス(ダート約1700m)などG1レース2勝をあげた馬です。

芝1200m戦に限ると、4戦3勝と安定した実績を持っています。また、すずらん賞の様に逃げる競馬もできる一方で、クリスマスローズステークスの様に中団に待機して差し切る競馬もできます。騎乗する岩田望来(みらい)騎手と共に、初重賞制覇を狙います。

エレナアヴァンティ(牝3 美浦・宗像厩舎 55Kg 幸騎手騎乗)

前哨戦のマーガレットステークスを制したエレナアヴァンティも、この舞台で初重賞制覇を狙います。

父のアドマイヤムーンは現役時代、ジャパンカップやドバイターフ優勝など中距離で活躍した馬です。しかし、子供達を見ると、高松宮記念とスプリンターズステークスを制したファインニードル、高松宮記念を制したセイウンコウセイと、短距離で活躍する馬も多く輩出しています。

過去のレースを見ると、逃げる戦法を取りたいであろうエレナアヴァンティ。ポイントをあげるとすれば、前半600mを楽に逃げられるかという点でしょう。これまで勝った3戦では、前半600mのタイムが33.8~35.2秒とスプリント戦でもゆっくりと進めたいタイプです。直線坂のある阪神から坂のない京都に舞台が移るのは好都合ではないでしょうか?

ビップウインク(牝3 栗東・清水久厩舎 54Kg 松若騎手騎乗)

未勝利、1勝クラスと連勝中のビップウインクは、ここで3連勝を狙います。

父は天皇賞・秋、日本ダービーを制したエイシンフラッシュです。母のディマクコンダは1勝馬で、叔母に当たるラインクラフトは2005年の桜花賞・NHKマイルカップを制した実力馬で、叔父のアドマイヤロイヤルもプロキオンステークスを制しています。

デビュー戦から3戦目までは芝1600mと芝2000mを使ってきましたが、結果が出ていませんでした。そこで芝1200m戦に距離短縮をすると連勝。未勝利戦は3番手からレースを進めたのに対し、1勝クラスでは16頭立ての9番手からレースを進めるなど、この距離では脚質に自在性を持っています。特に、連勝中のラスト600mのタイムがメンバー中最速を披露するなど、充実一途を辿っています。

その他では、小倉2歳ステークスを制したマイネルグリット(牡3 栗東・吉田厩舎 57Kg 国分優騎手騎乗)、カンナステークスを制したアルムブラスト(牡3 美浦・高橋文厩舎 56Kg 丸山騎手騎乗)、芝1200m戦では2戦2勝のワンスカイ(牡3 美浦・斎藤誠厩舎 56Kg 斎藤騎手騎乗)らが出走します。

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