ウマフリ読者のみなさん、こんにちは。音楽クリエイター、競馬芸人のブルーノ・ユウキです。今回は、今まさに風が吹いている広尾サラブレッド倶楽部、期待の2歳馬を紹介させていただきます。
昨年「広尾民」になった新参者ではございますが、パンサラッサ、バスラットレオンに続く原石をみなさんと追っていきたいと思います。
広尾TC、20年度産駒の募集馬は全15頭。エンパイアブルー20が残念ながら亡くなってしまったため、14頭がデビューを目指し日々トレーニングに励んでいます。
私、独自の視点からになってはしまいますが、2022-2023年度POGにおいて注目する3頭をご紹介させていただきます。
テラステラ
牡馬
父:モーリス
母:ステラリード
母父:スペシャルウィーク
生産牧場:木村秀則牧場(新ひだか町)
厩舎:矢作芳人(栗東)
総口数:3,000口
募集額:3,900万円(一口13,000円)
言わずと知れた広尾TC信頼の血脈、ステラリードの仔です。半姉に秋華賞4着パラスアテナ、全兄にオープン勝ちのあるカイザーノヴァ、そして半兄のキングエルメスは昨年の京王杯2歳ステークスを制覇。産駒初のG1獲りも現実を帯びてきました。
テラステラの父はモーリス。クラブが発表している遺伝子検査によると中距離適性のCTだそうです。全兄のオープン馬カイザーノヴァは中・長距離適性のTT型でしたが、現在の主戦場は1800m以下になっています。ほかの兄弟の成績を見ても、またモーリス産駒でもあることからも、1600~2000mあたりで活躍してくれるのではないでしょうか。
カイザーノヴァは3歳春に、キングエルメスは2歳秋に、ともに成長過程の段階で怪我に見舞われてしまいましたが、それはある意味、成長し続ける身体が追い付かないほどのポテンシャルが備わっているとも言えるのではないでしょうか。心身のバランスが嚙み合ったとき、見たことのない景色を拝むことができるかもしれません。
厩舎は、世界の矢作厩舎。クラブとの相性はもはや説明不要でしょう。兄弟も知り尽くした矢作先生がどのようにプロデュースするかにも注目です。パンサラッサに続き、木村秀則牧場から世界に羽ばたく馬が再び現れたのではないでしょうか。
メリタテス(外)
牝馬
父:American Pharoah
母:Gem Gem
母父:Tapit
生産:米国産
厩舎:矢作芳人(栗東)
総口数:3,000口
募集額:5,700万円(一口19,500円)
米国のキーンランド・セプテンバーセールにおいて、矢作先生のお眼鏡にかなった良質外国産馬です。
父American Pharoahはアメリカンクラシック三冠を達成、さらにBCクラシックも勝利して史上初の「アメリカン・グランド・スラム」を達成した馬です。通算成績は11戦9勝2着1回と、まさにアメリカ競馬の最強馬クラスと言えるでしょう。その名馬は引退後、日本でも多くの活躍馬を輩出しています。フェブラリーS連覇を成し遂げたカフェファラオ、ジャパンダートダービーを制した厩舎の先輩ダノンファラオらがその筆頭です。
名伯楽が自らセレクトしただけあって両の目は鋭く輝いていて、しなやかな馬体は気品に満ちています。母Gem Gemの父は、名馬Tapit。それに加えGem Gemの全姉Careless JewelはアメリカのG1アラバマSを制覇しています。American PharoahとCareless Jewelの子といえば、オープン馬リフレイムに辿り着きます。つまりメリタテスとリフレイムとは従妹にあたります。ここまで聞くと、ワクワクが止まらなくなる方も多いのではないでしょうか?(笑)
外国産馬ということで使いどころがネックになる可能性がありますが、申し分のない血統からしてその不安はすぐに解消できるでしょう。ダートはもちろん、芝でも活躍できるポテンシャルを秘めているかと思います。気になることがあるとするならば、気性面でしょうか。しかしながら、それもご愛敬。人気、実力ともに頂点を目指せる1頭です。
イエルバブエナ
牡馬
父:マジェスティックウォリアー
母:ミンティエアー
母父:アグネスタキオン
生産牧場:三嶋牧場(浦河町)
厩舎:須貝尚介(栗東)
総口数:2,000口
募集額:3,900万円(一口19,500円)
三嶋牧場生産馬で最近の広尾っ仔といえば、バスラットレオンが挙げられます。そんな老舗牧場から送り出されたのが、このイエルバブエナです。
父はアメリカのG1馬・マジェスティックウォリアー。東海Sを制したエアアルマスや、シリウスSを制したサンライズホープなど、ダートの活躍馬をコンスタントに輩出しています。母は芝・ダートともに勝利を収め、オークス(4着)や秋華賞(7着)にも出走したミンティエアー。兄弟に重賞馬こそいませんが、半兄のエルモンストロは4勝(ダート3勝、芝1勝)をあげ、オープン馬となっています。その兄にシルエットが似ているのは、気のせいではないでしょう。4月末には栗東トレーニングセンター近郊のチャンピオンヒルズへ移動。5月下旬の段階で馬体重も470kgを超え、筋肉モリモリ。調教も順調にこなしています。比較的早いデビューが実現するかもしれません。
本馬の離乳から馴致の前まで毎日ともに過ごし、バスラットレオンも担当された方からは「とにかく身体能力が高い」と、◎のお墨付き。ご自身も出資されているとかいないとか……(笑)
マイペースな優等生(こちらも担当の方曰く)がどこで爆発してくれるのか、楽しみでしかありません。一口馬主を長く楽しめる1頭ではないでしょうか。日本のダートG1はもちろん、世界も狙ってほしい逸材だと思います。
さて、今回は広尾TCのたくさんいる期待馬の中から、以上の3頭をご紹介させていただきました。
少しでも今回の記事が参考になれば嬉しいです。
今回の3頭はもちろん、その他14頭の広尾っ仔を一緒に追っていきましょう!
※本記事はクラブ様からのご厚意で使用させて頂いております。転載等はご遠慮下さい。