「黄、黒縦縞、袖青一本輪」の勝負服。
この姿を見るだけで、一気に強く感じるファンの方も多いのではないでしょうか。
特に今年は、かねてより改修工事中だった山元トレーニングセンターの坂路コースが完成したことで、要注目の一年となりそうです。全長は150m延長され900mに、高低差は10m拡大され33mになりました。馬場の素材もポリトラックからウッドチップへ変わり、栗東トレーニングセンターに勝るとも劣らない設備が整ったことになります。
今回は、そんな社台レースホースの期待馬をピックアップしたいと思います。
マジカルキュート
牝馬
父: ディープインパクト
母: ソーマジック
母父: シンボリクリスエス
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
厩舎:音無秀孝(栗東)
募集額:6,000万円(一口150万円)
母14歳時の産駒(7連産目)
兄姉6頭全馬がPOG期間に勝ち上がるという、非常に堅実なソーマジックの仔「マジカルキュート」を1番手にあげさせて頂きます。この母馬の凄い所は、異なる種牡馬5頭から勝ち馬を出している事でしょう。重賞戦線で活躍し2億円以上を稼ぎ出したソーグリッタリングはステイゴールド産駒、2021年愛知杯の勝ち馬で2020年クラシック戦線にてデアリングタクトとの対決を繰り広げたマジックキャッスルはディープインパクト産駒になります。
父ディープインパクト×母父シンボリクリスエスの配合はJRAにて22頭がデビューし、
- ランブリングアレー(2021年 中山牝馬S)
- マジックキャッスル(2021年 愛知杯)
- アドミラブル(2017年 青葉賞)
の3頭の重賞馬が誕生しています。
管理する音無秀孝厩舎×社台RHで印象的なのは、重賞戦線で活躍したスティッフェリオの存在です。本馬はこの記事を書いている段階ですでに栗東TCへの入厩を目指し、北海道から山元トレーニングセンターへ移動し精力的に乗り込みが行われています。
血統背景からも勝ち上がりだけでなく、全姉マジックキャッスルの様に重賞そしてクラシックを目指して欲しい1頭です。
スタニングスター
牝馬
父: Frankel
母: スタセリタ
母父: Monsun
生産国:英国(Shadai Farm)
厩舎:友道康夫(栗東)
募集額:7,000万円(一口175万円)
母13歳時の産駒(7連産目)
この馬を語るうえで大きなポイントは「ソウルスターリングの全妹」という事でしょう。
2016年に阪神JFを制し最優秀2歳牝馬受賞、そして翌年にはオークス制覇、桜花賞3着という成績をあげたソウルスターリング。当面の目標は、その全姉に追い付け追い越せになるでしょう。
母スタセリタは、仏オークスをはじめGⅠを6勝した活躍馬。
父Frankelは怪物とよばれ現役時代に14戦全勝の歴史的名馬です。種牡馬としても大成功をおさめており、2020年朝日杯FSを制したグレナディアガーズの父としても記憶に新しい所ではないでしょうか。母父Monsun(モンズーン)は独国にて12ハロンを超えるGⅠ勝ち3勝を含む12勝をあげた活躍馬です。組み合わせを考えると、マイルから2,400mまで意識する事が出来る「The王道配合」と言えるでしょう。
友道康夫厩舎×社台RHの組み合わせは非常に相性が良く、近年だけでもランブリングアレー、デゼル、ノーブルカリナン、シングウィズジョイなどをPOG期間に重賞戦線に送り込み、この原稿を書いている段階でもオヌールが2戦2勝で虎視眈々クラシックを狙っています。
すでに栗東TCへの入厩を目指し、北海道から山元トレーニングセンターへ移動し精力的に乗り込みが行われています。あまりにもソウルスターリングの印象が強いですが、半姉シェーングランツもアルテミスSの覇者で阪神JF4着、クラシック皆勤賞。それを踏まえても、期待せずにはいられない逸材です。
チェルノボーグ
牡馬
父: ディープインパクト
母:コンテスティッド
母父: Ghostzapper
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
厩舎:藤原英昭(栗東)
募集額:8,000万円(一口200万円)
母10歳時の産駒(6連産目)
母コンテスティッドはレベルの高いダートGⅠを2勝した活躍馬。
JRAでデビューした4頭全馬がディープインパクトとの配合でPOG期間に勝ち上がりを果たしている母コンテスティッドの産駒を次にご紹介します。
全兄ギベオンは2018年のNHKマイルC、毎日杯をともに2着。2021年金鯱賞でデアリングタクトを下し、重賞制覇を飾った事で記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
管理する藤原英昭厩舎×社台RHからは上記のギベオンのほか、リリーピュアハート、ヴァンドギャルド、サプルマインドなどしっかりとクラシックへ向けてPOG期間に重賞挑戦を果たし本番に臨んできた厩舎です。
今年の社台RH勢は仕上がりが早く、すでにこの馬も栗東TCへの入厩を目指し、北海道から山元トレーニングセンターへ移動し精力的に乗り込みが行われています。兄姉の馬体を見ると、全馬が重賞を制していたとしても不思議無いくらいの好馬体。本馬もしっかりとそのDNAを引き継いでいるようです。
ラリュエル
牝馬
父: ディープインパクト
母: カウアイレーン
母父: キングカメハメハ
生産牧場:社台ファーム(千歳市)
厩舎:矢作芳人(栗東)
募集額:6,000万円(一口150万円)
母13歳時の産駒(7連産目)
半兄ステイフーリッシュ同様に、矢作芳人厩舎とのコンビで大仕事を狙います。
やはり、この組み合わせの最大の魅力は「レース数をしっかりと使いながら上を目指す」事だと思います。
ステイフーリッシュの場合は新馬戦快勝の後、ホープフルS挑戦で3着。共同通信杯は敗れるも京都新聞杯を制しダービー挑戦。その後も重賞挑戦は続き、2021年3月段階で23戦連続重賞出走、獲得賞金3億円が視野に入ってきました。
父ディープインパクト×母父キングカメハメハという王道配合はJRAにて38頭がデビューし、ワグネリアンが2018年ダービー制覇、デニムアンドルビーが重賞2勝をはじめ重賞戦線で大活躍。さらに、アカイトリノムスメが3連勝で2021年クイーンCを制しています。
重賞制覇はこの3頭に留まっていますが、これから数が増えても何ら不思議無いですし、27頭が獲得賞金1,500万円を超えています。いわば「重賞クラス」がゴロゴロいる状態です。
この馬の場合、調教過程で勝気な面が見られた事もあるのかジックリと長い距離を乗り込まれ、走る事を教えている状況です。しかし、運動神経の良さは随所にみられるようで、スピード感も十分です。
仕上がれば一気に使っていけるタイプでしょうし、マークしておきたい存在です。
まだまだ本来ならばご紹介したい期待馬が多くいるのですが、以上4頭に注目してご紹介させて頂きました。
この記事が皆様のPOG戦略のお役にたてれば幸いです。
※記事内のクラブの名称はクラブ法人名を使用しています。
※記事内の数字は2021年3月21日現在です。
※記事内の写真はクラブ募集時の写真となっています。
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