[連載・クワイトファインプロジェクト]特別編 能登半島震災への当プロジェクト対応

いかにも高尚なタイトルをつけてはみたものの、1月1日の震災発生からずっと、悩み続けています。

クワイトファインが金沢競馬場で晩年の現役生活を過ごし、4つの勝ち星を挙げ、2019年夏まである意味「粘り通した」からこそ、私はこの馬の種牡馬入りを決断できました。私の個人的な事情なので詳細は書けませんが、あと1年引退が早かったら、決断はできなかったかも知れません。

そんな大きな恩のある土地、そしてそこに住み先祖代々の土地を守り続けてきた人々が、親族皆が集いもっともくつろいでいたはずの元旦に、命を、家屋を、田畑や港を、平和な日々を奪われたのです。犠牲者のなかには、たまたま帰省して被害にあったお子様や若い方たちもいると聞きます。本当に心が痛みます。

1月7日の緊急動画でも触れましたが、金沢競馬場は不幸中の幸いで人・馬・施設ともに大きな被害はなかったと聞きます。しかし、競馬場(金沢市)から河北潟をはさんでわずか数キロ程度の石川県内灘町は、道路などに大きな被害がありました。競馬場に関わる業者さんやきゅう舎関係者には内灘に住んでいる方も多いでしょう。言うまでもなく奥能登の珠洲市、輪島市、穴水町、能登町の被害は甚大で、インフラの復旧(それについてもいろいろな議論があるようですがここでは私見は控えます)には気の遠くなるような期間と予算が必要となりますが、内灘町、津幡町、富山県氷見市といった比較的都市部に近い自治体もこれから復興への長い長い道のりが待っています。

そして、まず人への支援を優先しなければならない時に、われわれ馬セクターの人間は何をなすべきなのか。

私が最初に悩んだのは、1月1日時点であと残り1週間となっていた物販プロジェクト、特に新年になって追加したアイテムのことでした。

世の中がこんな大変な時に、あいつは自分の儲けしか考えていないのか、そういう批判を受けても正直何とも反論できません。

それについては、緊急動画で対応方針をお示しした通り、新規アイテムのオリジナルアクリルカレンダーはコミュニティにて1月末まで販売を延長し、売上金の50%以上(正直、100%でもいいと思っています)を関係自治体へのふるさと納税により拠出することとし、第一弾は内灘町に10,000円拠出しました。今後も、内灘町、津幡町など競馬場に近い自治体を中心に、寄付金控除の枠内で可能な限り行いたいと考えております。

そして、復興支援ですが、被害が甚大でライフラインが寸断され(私のような専門的知識のない素人が)軽々に訪問することもはばかられる能登エリアと、大きな被害はあれども大枠では経済活動が再開している加賀エリアではおのずと対応も異なってくると思います。金沢市はもともと観光地としても有名です。先方が営業再開していることが大前提ですが、現地を訪れて宿泊施設や飲食店にお金を使ったり、それが難しければ通販で物品を購入したりと、「ちゃんと経済活動に貢献する」ことが大事ではないかと思います。

それは金沢競馬場も同様です。幸い今はネット販売の影響でどこの競馬場も収支が改善してきておりますが、金沢競馬場の売り上げに貢献することや、広告宣伝活動で競馬場の人馬をアピールすることもわれわれ馬セクターの人間にできる立派な復興支援です。

今後、私の本業が最繁忙期(とくに4月~5月)に差し掛かる時期は難しくなりますが、それ以外の期間で、このコラムやYouTubeチャンネルを通じ、地域を、競馬場を盛り上げるため以下の活動を行っていけたらと考えております。

・ふるさと納税の普及宣伝(返礼品有りも含め)

・観光施設や飲食店などのご紹介

・金沢競馬関係者の皆様にインタビュー(上記はすべて関係者の許可をいただければの前提ですが)

・チャリティー物販の開催

だんだん話が大きくなってきました。正直ここまで大風呂敷を広げてしまうと、1サラリーマンが個人で動けるレベルをはるかに超えており、どこか運営をサポートしていただける方(企業・団体)が欲しいなというのは正直なところです。

 とは言え、正しいことを、正しいと信じることを実行に移さなければ、物事は前に進みません。クワイトファインを応援していただいている皆様の熱意は馬のために最大限活かししつ、加賀・能登への復興についても一人の日本人としてできることをする、それを両立させることが2024年の私の使命だと考えています。

 最後に、石川県の子ども食堂の状況についても一言触れたいと思います。金沢市のとある団体さんのウェブサイトを見ただけですが、通常運営していくのも大変な状況のなか、被災した地域のお子様方へのケアにも尽力されている状況が伺えます。そして、東京の案件がなかなか進んでおりませんが、今回当該団体さんに(あくまで個人として)心ばかりの寄付をいたしました。だから何だ、売名か、とお叱りを受けるかも知れませんが別に構いません。私の拡散力では正直何の影響も及ぼせないのは百も承知していますが、売名でもなんでもやらないよりはましだと思っています。こうして発信する人間が、一人より二人、二人より三人になることが大事なのだと思います。

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