[連載]イーストスタッドブログ・第1回 イーストスタッドの魅力について

ウマフリ読者のみなさま、こんにちは。

イーストスタッドのマネージャーをしている佐古田直樹です。今回からウマフリにてイーストスタッドのブログを連載していきます。

高校卒業後に馬の世界へ飛び込み、種牡馬の傍で長い年月を過ごしています。過去にはサンデーサイレンスやトニービンといった名種牡馬の担当厩務員も経験し、2019年からイーストスタッドでマネージャーを務めています。これまでの経験をもとにした種牡馬のお話や、イーストスタッドの日常などをお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

イーストスタッドは現在24頭の種牡馬を繋養するスタリオンスタッドです。2月から6月にかけては、生産牧場の繫殖牝馬と交配をおこなう種付けもおこなっています。昨年は合計806頭の牝馬に種付けし、ホッコータルマエが159頭、マジェスティックウォリアーが129頭、ダノンレジェンドが88頭など、ダートレースを得意とする種牡馬が人気のスタリオンスタッドです。昨年の新種牡馬にも、名古屋グランプリやマーキュリーCを制してケンタッキーダービーでも6着となったマスターフェンサーや、東京ダービー・JDDを連勝しNARグランプリ年度代表馬に輝いたヒガシウィルウィン、さいたま杯やカペラステークスなどを制したノボバカラといったダート重賞で活躍した面々が入厩しています。

そんなイーストスタッドの魅力のひとつは、その広大なロケーションにあります。24ヘクタールの牧場内は南北に600mの奥行きがあり、広々とした放牧地が30個並んでいます。厩舎から奥の放牧地へと伸びる芝の通路は10mの幅があり、数100m先まで続く眺めは壮観なものです。通路としてはもったいないほどの広さがありますが、これは両側に放牧される種牡馬が互いに干渉しないための空間として役立っています。のんびりと快適に過ごす種牡馬たちを見ると、手のかかる広大な放牧エリアもかけがえのないものに感じられます。

種牡馬の厩務や種付けをおこなうスタリオンスタッフの人材育成も業界全体の課題です。イーストスタッドでは近年、この業界に興味がある学生のインターンシップや修学旅行生の体験学習などを受け入れています。実際に名馬に触れる作業をしてもらい、その感動や彼らの迫力を体感する機会を設けるのが狙いです。馬に触れるのも初めてのような人たちが種牡馬を扱うには、周囲のサポートも必要で簡単なことではありません。しかし、少しでも多くの人に種牡馬の魅力を伝えて、この仕事の楽しさを知ってもらえたらと思います。この連載も、そうした活動の一環と言えます。

この業界に入って30余年、たくさんの種牡馬とともに人生を歩んできました。自分が携わった馬たちは幸せな時間を過ごせただろうか…彼らへの感謝や反省があるから今も馬と向き合えます。言うまでもなく、馬と人との関係が大事な世界です。馬を知って人が成長することが、人馬の安全につながります。終わりのない道ではありますが、そうした面白さや難しさを、皆様と共有していけたらと思っています。よろしくお願いいたします。

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