[重賞回顧]越後路マイル決戦〜2021年・関屋記念〜

夏競馬もいよいよ折り返し。

各サマーシリーズも佳境を迎え、ポイント争いに注目が集まる。新潟競馬場では、サマーマイルシリーズの関屋記念が行われた。日本屈指の広大なコースを舞台に今年はどのようなスピードレースが繰り広げられるのか。

レース概況

日本列島で大雨が降りしきった週末。

土曜競馬では小倉を中心に雨の影響を受けたが、日曜日は晴れ間ものぞき、馬場状態も良馬場に回復した。

今年の出走馬はプールヴィルの除外で17頭となった。
人気の中心に押されたのは3歳牝馬ソングライン。前走のNHKマイルでは勝ち馬と差のない2着と勝ちに等しい内容。そしてそのNHKマイルを勝利したシュネルマイスターが安田記念で3着に入ったこともソングラインの好材料として挙げられた。最終的には1.8倍という圧倒的なオッズでレースを迎えた。

向こう正面でのゲートインが進み、17頭が飛び出した。

好スタートから飛び出したのは17番のマイスタイル。
続いて内目からはロータスランド、外枠勢ではミラアイトーンや久々の実戦となるパクスアメリカーナが追走。ソングラインと2番人気シャドウディーヴァは揃って中団を追走し、カラテもこの一団で競馬を進めた。

前半の600mは35秒フラットでの通過。
各馬が大きなカーブを描いて長い直線へと向かう。

各馬がそれぞれのポジションで構えながら直線へと入ると、マイスタイルはリードを4馬身ほど取って突き放しを狙う。しかし2番手以降が懸命の追いでマイスタイルに迫った。

内からはロータスランド、外からはクリスティが接近しソングラインもカラテと並んで差し脚を伸ばす。残り300m地点で内をすくったロータスランドがマイスタイルをとらえる。
そして残り200mを過ぎるとラチ沿いをロータスランドが突き抜ける。後続もマイスタイルを巡って追い込むが前までは届かず。ロータスランドが1馬身強の差をつけて重賞初制覇のゴールイン。

2着争いはソングラインを終始マークしたカラテに軍配。
ソングラインも3着で何とか面目を保った。

各馬短評

1着 ロータスランド (田辺裕信騎手 4人気)

先行集団で競馬を進めたロータスランドが関屋記念を制した。

2番手で迎えた直線ではラチ沿いをぴったりと進み、400m地点から追い出すと長い直線を活かしてマイスタイルを捕らえてゴールイン。

マイルシリーズでは米子ステークスに次ぐ勝利を挙げ、見事重賞初制覇を果たした。

2着 カラテ (菅原明良騎手 6人気)

ソングラインとのし烈な2番手争いを制したのはカラテであった。

道中はぴったりとソングラインをマーク。
迎えた直線でも外からかぶせるようにソングラインと共に追い込み、2着に滑り込んだ。

長い直線舞台では重賞勝利経験もあるカラテ。若武者と共に、秋のマイル戦線も沸かしてくれるだろう。

3着 ソングライン (池添謙一騎手 1人気)

中団でレースを進めたソングラインは3着となった。

長い直線での差し脚は織り込み済みで、このレースも末脚にかけたがロータスランドまでは届かず。
ただし、カラテとは差のない2着だった。

今回はカラテのマークに屈した感がある。むしろ、まだ3歳牝馬ということを考えると、この経験はプラスに働くだろう。マイル戦線の新星としてビッグレースでも花開くはずだ。

総評

関屋記念はロータスランドが勝利を収めた。

これでサマーマイルシリーズは2勝目。初重賞と共にシリーズタイトルもグッと引き寄せた。

ロータスランドはウマ娘でおなじみのゴールドシップと同じ勝負服。
赤い勝負服と共に、ロータスランドはこれからのマイル戦線を席捲する。

写真:かずーみ

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