盛岡競馬場で、今年初めて行われる交流重賞競走・マーキュリーカップ。
舞台となる盛岡競馬場ではお客様の入場が再開されており、交流重賞では実に5か月ぶりとなる有観客開催となった。久々に歓声の下で行われるグレードレースは中央所属馬5頭、北海道所属馬1頭、笠松所属馬3頭、地元岩手からは5頭の14頭立てで行われた。

中でも注目は中央所属のマスターフェンサー。
3歳時にはケンタッキーダービーなどアメリカの3冠競走に出走した経歴もあるマスターフェンサーは3走前にオープンクラスに昇級し、満を持して日本の重賞競走に挑戦をしてきた。
オープンクラスではここまで2着2回と勝ち切れていないが、実力面では申し分なし。重賞初挑戦ながら1倍台の圧倒的な支持を得てのゲート入りとなった。

マーキュリーカップは盛岡競馬場ダート2000mで行われる。
4コーナー奥でのゲート入りで、盛岡競馬場を約1周するコースレイアウトで、直線を一杯に使った先行争いが見られる舞台設定だ。

レース概況

ゲート入りはスムーズに進み、レーススタート。
先行争いは中枠から始まった。

まず飛び出したのは北海道所属のリンノレジェンド。続いたのは中央所属アポロテネシー。
この2頭が後続を少し離してレースを引っ張った。続くのは中央所属の2頭ヨシオとヒストリーメイカー。
その後ろにマスターフェンサーとデルマルーブルと人気の中央勢が続いた。

広大な盛岡競馬場の向こう正面。
レースが動いたのは3コーナーだった。
脚が鈍ったリンノレジェンドを中央勢は見逃さず、アポロテネシーとヒストリーメイカーの5枠2頭が捕まえて先頭争いへと変わってゆく。
4コーナー付近では後続各馬も追い上げ、デルマルーブルにマスターフェンサーと中団追走の各馬も迫って直線に向いた。

直線に入って残り200mまでは5枠の2頭アポロテネシーとヒストリーメイカーの争いとなったが、直線半ばに来ると様相は一変。今度はマスターフェンサーとデルマルーブルの競り合いと変わった。
2頭が後続を離しながら競り合うも、最後は外からマスターフェンサーが伸びて1着。
見事重賞初制覇を果たした。

3着には地元岩手のランガディアが入り、地方馬の意地も見ることが出来た。
歓声が戻った競馬場に、また新たなチャンピオンが誕生した瞬間であった。

各馬短評

1着 マスターフェンサー

初重賞挑戦ながら堂々としたレースぶりを披露した。
レースでは中団を追走。一旦はデルマルーブルに抜け出されるも、直線で鋭く伸びて1着。
上がりも最速でメンバー唯一の36秒台を記録した。

重賞制覇も果たし、いよいよ強豪勢とぶつかるレースに期待がかかる1戦であった。

2着 デルマルーブル

最後はマスターフェンサーに突き放されたものの、道中自分でレースを作った姿は非常に力強いものだった。3.4コーナーでは中団から一気に前に進み、直線では一旦は先頭に立った。重賞馬の底力を見せつけた内容。

3着 ランガディア

地方馬最先着は地元岩手のランガディアであった。道中はマスターフェンサーの後ろにつけて追走。直線では後方から一気の伸び脚で3着に食い込んだ。中央時代には芝コースでオープンクラスで戦っていた馬だが、岩手競馬でもその末脚は健在であった。

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