[皐月賞ヒストリックトリビア]開催日と施行回数で分かる!? 勝ち馬の資質とは。

トリビア (trivia) は、「くだらないこと、瑣末なこと、雑学的な事柄や知識、豆知識」を指す。
一説に、ラテン語で「三叉路」3 (tres) + 道 (via) を意味する言葉で、古代ローマの都市において三叉路が多かったことから、「どこにでもある場所」「ありふれた場所」を指すようになり、さらに転じて、くだらないこと、瑣末なことを意味するようになったという。

Wikipediaより

競馬ヒストリックトリビア。
今回は、皐月賞の開催日付・施行回数からみる「勝ち馬の資質」について、ご紹介していこう。

今年も歴史的名馬誕生の予感アリ!
開催日付と施行回数で勝ち馬の素質が分かる!?

昨年は、コントレイルの父子無敗三冠の奇跡に一色だったクラシック。
今年もその熱き戦いが、幕を開ける。

今年で第81回を迎えることになる、伝統の牡馬クラシック第一弾・皐月賞。

東京優駿 (日本ダービー)は「最も運のある馬が勝つ」。
菊花賞は「最も強い馬が勝つ」。
そして、皐月賞は「最も速い馬が勝つ」と言われている。
しかし実はこの格言、日本がクラシック三冠競走のモデルとした『英2000ギニー』競走にあてられていたものなのである。

皐月賞という名称は、これまでに「さつき賞」、「サツキ賞」、「五月賞」などと、多様な表記があるレース名となっている。GI級レースでここまで表記変化、揺れがあるレースも珍しい。

開催日付で分かる!? 三冠馬降臨

さて、その皐月賞から始まるクラシックレース。
昨年はコントレイルが無敗のクラシック三冠馬となったが、今年は三冠馬は誕生するのだろうか?

実は、三冠馬が誕生する皐月賞というのは(戦後、4月以降の開催となって以降)、中山開催だった場合、全て奇数日に行われてきた。

  • 第3回 皐月賞(芝1,850m) 1941年3月30日 セントライト ※史上唯一となる3月開催。
  • 第24回 皐月賞(芝2,000m)1964年4月19日 シンザン
  • 第43回 皐月賞(芝2,000m)1983年4月17日 ミスターシービー
  • 第44回 皐月賞(芝2,000m)1984年4月15日 シンボリルドルフ
  • 第54回 皐月賞(芝2,000m)1994年4月17日 ナリタブライアン
  • 第65回 皐月賞(芝2,000m)2005年4月17日 ディープインパクト
  • 第71回 皐月賞(芝2,000m)2011年4月24日 オルフェーヴル
  • 第80回 皐月賞(芝2,000m)2020年4月19日 コントレイル 

以上の様に、例外となるのは戦中の、まだ横浜競馬場の芝1,850mで行われていた時のセントライトと、東日本大震災の影響で東京開催となったオルフェーヴルのみ。ちなみに、そのオルフェーヴルも、あの震災が無ければ、中山で、1週前となる4/17(奇数日)にて行われていたはずだった。

では今年はと言うと──開催日程に今後変更等無ければ、4月18日(日)、中山競馬場にて開催の予定である。
と言う事は──ダノンザキッド、エフフォーリアの三冠は無い、と言う事だろうか?

施行回数1桁が〝1〟だと名馬が誕生!?

しかし、まだ希望(?)はある。

過去、皐月賞の施行回数が下一桁が〝1〟の時、三冠馬級の名馬が誕生しているのである。
施行回数下一桁が1の時の皐月賞を見てみると、その傾向が見えてくる。

第1回 ロツクパーク

1勝馬ながら皐月賞優勝。
しかし、故障してしまい東京優駿大競走は不出走に終わる。

第11回 トキノミノル

幻の馬、伝説の名馬。
レコードを6秒以上も更新し、9戦9勝に。その後、ダービーでも脚部不安に喘ぎながらも快勝し、無敗の二冠馬となった。

第21回 シンツバメ

複勝率100%の皐月賞馬。
皐月賞優勝時点での戦績が[4-2-2-0]。
ダービーで二冠を期待されるが、故障により、二冠ならず。復帰戦で惨敗し、引退した。

第31回 ヒカルイマイ

皐月賞、NHK杯、日本ダービーと3連勝。
後方一気、電撃の末脚で二冠達成する。しかし菊花賞目前に故障し、2年間休養し引退となった。

第41回 カツトップエース

皐月賞、ダービーの二冠達成。
その後、秋口に故障発生し、三冠は断念となった。

第51回 トウカイテイオー

圧倒的ポテンシャルの性能の違いで皐月賞・ダービーと、クラシック二冠を無敗で圧勝。
しかし、ダービー後に故障し、ルドルフとの親子三冠の道は絶たれた。

第61回 アグネスタキオン

無敗のまま皐月賞を快勝。
ラジオNIKKEI杯での2:008のレコードはいまだ破られず。

第71回 オルフェーヴル

まさに"金色の暴君"。
圧倒的強さで三冠を達成した。

そして2021年は、第81回開催。

こうして見てみると、施行開催数下一桁が〝1〟の時の皐月賞馬は、皐月賞後に故障さえなければ、〝二冠馬〟、二冠後にも怪我に見舞われなければ〝三冠馬〟となれる程の大器であると、歴史が語っている。

──つまり、今年の皐月賞を勝つ馬は、三冠馬級の名馬であることを示唆しているのではないだろうか!

果たして、今年も三冠馬誕生となるか!?
今年は開催日と施行回数の奇跡、どちらが優先されるか?
こうした観点から考えてみると、非常に興味深い。

今年の皐月賞にもぜひ、熱視線を注いで欲しい。

絵:IKU(馬の墨絵師。Instagram・twitterアカウント:アンバルクマン@47EEF1mVGftOeQz

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