[ウマ娘]『名門』メジロ家のご令嬢! ウマ娘メジロマックイーンと、史実馬メジロマックイーン。

「輝かしきメジロ家に必ずや栄誉と名誉を……!」
ウマ娘界で『名門』と言われているメジロ家のご令嬢。

その名も、メジロマックイーン。
強さと優しさをかねそなえた、トレセン学園の人気者です。

今回はその彼女の強さと優しさの秘密を、彼女の育成目標に沿って、モデル馬のメジロマックイーンを元に解説してきます。(馬齢表記は現在に合わせます)

メイクデビューに出走

メジロマックイーンは1987年4月3日、天皇賞馬の父メジロティターン、母メジロオーロラの間に生まれました。幼いころは体が弱くよく高熱を頻発しており、牧場のスタッフの皆さんから毎日手厚いケアを受けていたそうです。そんな体質の弱いメジロマックイーンですが、兄に菊花賞、有馬記念を勝利したメジロデュレンがいることもあり、同世代のメジロライアン、メジロパーマーと共に「メジロの87年組」として期待されていました。

アプリ内ではジュニア級でのデビュー、つまり2歳でデビューしていることなっていますが……実は前述した体質の弱さが仇となります。さらには沢山トレーニングを積んでもなかなか体を絞ることができなかったこともあり、史実でのデビューは同期と比べてもかなり遅めの、3歳2月となりました。

そして、デビュー戦は意外にもダート。レースではハギノレジェンドの2番手を追走し、直線で先頭に立つ堂々としたレース運びをしデビュー戦を勝利で飾ります。2着のハギノレジェンドには約1馬身の差でしたが、3着以降に大差をつけたということもありメジロマックイーンの池江トレーナーは「ダービーも視野に入れた」とコメントするほど。高いポテンシャルを見せつけるデビュー戦となりました。

ファンを3000人集める

デビュー戦で素質を見せたメジロマックイーンですが、骨膜炎がなかなか完治せず勝ちきれないレースが続いたこともあり、目標をダービーから秋の菊花賞に切り替えます。他のウマ娘の目標がクラシック級の春から明確になっているのに比べ、メジロマックイーンがクラシック秋までファン獲得数が目標になっているのは、デビューまで時間が掛かり、その後もなかなか勝ち上がれなかったという史実的な背景があります。

目標を菊花賞に定めたメジロマックイーン陣営は、菊花賞への挑戦権を得るために9月、10月と計4レースに出走します。10月13日に出走した嵐山Sに勝利できれば確実に菊花賞に出走できるという所で、まさかの2着……これにより賞金を重ねることができず、メジロマックイーンの菊花賞出走に黄色信号が点灯します。しかし、名馬が持っている幸運なのか、賞金上位の出走予定馬が回避したことにより、無事菊花賞への切符を手にしました。

菊花賞で3着以内

無事菊花賞への切符を手に入れたメジロマックイーンですが、周りは強敵ばかりでした。セントライト記念を勝利しているホワイトストーン、スプリングS勝ち馬アズマイースト、そして何よりも、同じメジロ家の出身で既にクラシック戦線を沸かしていたメジロライアンが1番人気に支持されていました。

しかしメジロマックイーンも負けてはいません。調教ではメジロライアンとの併せ馬で先着していましたし、血統的にも長距離向きという点が評価され、条件馬(3勝クラスを勝っていない馬)で重賞初出走であるにもかかわらず、4番人気に支持されました。

レースでは、スタートを決め先行すると、コンディションのいい内馬場でレースを進めます。馬場の良さもさることながら、菊花賞クラスの長距離レースとなるとコース取りの違いは大きいです。一説によれば、内側の馬と外側の馬で約100mほど走る距離が変わることになると言われています。つまり今回内側を選んだメジロマックイーンは、外側を走る馬達よりスタミナの消費を多少抑えることができました。

そして迎えた最終コーナー。
半ば強引に先頭に立ったメジロマックイーンは、最後スタミナが切れてジリジリ後退していくかにも思えましたが、経済コースでスタミナを温存したこともありものすごい粘りを見せそのまま1着でゴール。初めての重賞、初めてのG1でその強さをいかんなく発揮した姿は、まさにこれからのメジロ家を背負う英雄そのものでした。

その後有馬記念参戦のプランもありましたが、オーナー側の事情や、メジロマックイーン自身が食欲不振に陥っていたということもあり、年内休養、翌年の春の天皇賞へ目標を定めました。

余談ですがメジロマックイーンが甘いものが目がなかったり、時々急に食べるのをためらったりしてしまうのは、デビュー前になかなか絞れなかったところと、前述の食欲不振がモデルになっているのかなと、勝手に想像してしまいます。

春の天皇賞で3着以内~宝塚記念で2着以内

古馬になり、春の天皇賞を目標に定めたメジロマックイーンは、前哨戦に阪神大賞典を選択します。菊花賞で強い勝ち方をしたということもあり、単勝1.2倍の圧倒的1番人気に。レースも少しかかるところを見せましたが、中盤以降折り合いをつけ落ち着きを取り戻し、ゴール直前でゴーサインを抜き見事1着に。復帰初戦のここでも『長距離にメジロあり』を見せつけました。

いざ、本番の天皇賞春。

──ここで質問です。
ウマ娘トレーナーの皆さんは、天皇賞春というレースに、どのようなイメージを持っていますか?

ある程度育成になれてきたトレーナーの皆さんでも、そう簡単に勝てるレースではないのではないでしょうか?

スタミナは勿論ですが、スピード、根性、賢さ、脚質によってはパワーも求められる春の天皇賞は、ウマ娘の世界でもとてもタフなレース。現実世界でも、それは変わりません。

レース当日、メジロマックイーンは堂々の1番人気に。メジロの馬が春の天皇賞を制覇する期待はもちろんですが、さらにメジロマックイーンの場合は祖父のメジロアサマから続く親子3代での天皇賞勝利という偉業が掛かっていました。

レースではいつも通り先行策を取ると、最後の直線に向けてじわじわと追い上げてくる王者のレースを披露。

そして直線に入っても足色は衰えることはなく、見事勝利します。これでメジロマックイーンは、親子3代での天皇賞制覇という偉業を成し遂げました。

天皇賞春を勝利したメジロマックイーンは、宝塚記念に駒を進めます。4歳シニア級になってから圧勝続きのメジロマックイーンを、ファンはこのグランプリの大舞台でも1番人気に迎えます。

ここでも天皇賞春の勢いそのままに勝利を目指しましたが、同じく「メジロ家」であるメジロライアンの積極策に屈する形で、2着に敗れました、しかしそれでも中長距離で圧倒的な強さを見せたメジロマックイーン、そしてメジロ家にとって充実した4歳春のシーズンとなりました。

天皇賞秋で1着

充実した春シーズンをすごしたメジロマックイーンは天皇賞春秋制覇を目指して、秋シーズンの目標を天皇賞秋に定めました。前哨戦の京都大賞典を2着に3馬身半を付けて勝利したこともあり、天皇賞秋でも1番人気に支持されました。

いつも以上のスタートを決めたメジロマックイーンは、外枠と言うこともあり一気にインコースへ。結果的には2番手という最高のポジションを取ることができたのですが、このスタート後の動きが彼の命運を大きく分けます。最高のスタートを取ることができ、最高のポジショニングをできた彼は最後の直線で2位以下を大きく引き離し圧勝! ウイニングランもされていました。
しかしレース終了から数10分後──採決室では、とんでもない判定が下されました。

「メジロマックイーン、降着」

なんと1着で入線したメジロマックイーンが最下位18位へ降着処分

降着理由はスタート時の斜行。
一気にインコースに動いた際、内枠の馬の進路が狭まり落馬寸前になる馬もいたぐらいでした。

そうしてメジロマックイーンは降着処分となり、天皇賞の春秋連覇は幻と消えてしましました。

5歳以降も活躍

さて、ウマ娘の世界ではジュニア級(2歳)、クラシック級(3歳)、シニア級(4歳)の3年間ウマ娘と共に過ごせますが、史実のメジロマックイーンは5歳になってからもレースの世界で活躍し続けました。

昨年の天皇賞秋のあとジャパンカップ、有馬記念と勝ち切ることはできなかったのですが、年間を通して活躍した走りが評価され、メジロマックイーンは最優秀4歳以上牡馬に選出されます。

現役古馬最強の名声を手にしたメジロマックイーンは、天皇賞春連覇へ向け昨年と同じく阪神大賞典から始動し、問題なく天皇賞春へと駒を進めました。

菊花賞を勝利し、昨年の天皇賞春を制したメジロマックイーンの連覇が期待されつつも、ファンは新星の活躍にも期待していました。その新星の名は、トウカイテイオー。無敗3冠馬シンボリルドルフの産駒で、自身も皐月賞、ダービーを制した実力馬。この2頭の対決にファンは胸を躍らせると同時に、自身が出走叶わなかった、皐月賞、そしてダービーを制したトウカイテイオーとの対決ということもあり、メジロマックイーン自信も一段と力が入っていたかもしれません。

熱くなっていたのは、ファンだけではありませんでした

レース前のコメントでトウカイテイオーに乗る岡部騎手は

「地の果てまで駆けてしまいそう」

と表現。

そしてそれを聞いたメジロマックイーンに乗る武豊騎手は

「あちらが地の果てならこちらは天に昇りますよ」

と応酬します。レース前から両陣営の間には火花が散っていました。

いざレース当日、ファンはここまで無敗のトウカイテイオーを1番人気に支持しました。昨年の覇者メジロマックイーンは2番人気。しかし人気というのは人間が勝手に決めているものであり、馬達には関係ありません。

メジロマックイーンはトウカイテイオーに誰がこのレースの主役なのか。その走りで見せつけました。スタートを決め悠々と先行策を取り、3コーナーで先頭に立つと持ち前のスタミナとスピードで他馬をジリジリと引き離し、見事先頭でゴール版を駆け抜け天皇賞春連覇の偉業を成し遂げました。

杉本清さんの「どんなもんだい、メジロマックイーン、どんなもんだいといったところ」という実況は鳥肌モノ。圧倒的なレースを見せたメジロマックイーンに、多くのファンが今後の活躍を確信していました。

天皇賞春を勝利したメジロマックイーンは、昨年メジロライアンの2着に敗れた宝塚記念を目標にトレーニングに励みます。ファンも「今回こそは」と、メジロマックイーンのグランプリ初制覇を夢見ていました。

そんな矢先、メジロマックイーンをアクシデントが襲います。

「左前脚部第一指節種子骨骨折」

この骨折によりレースは宝塚記念は勿論回避することになり、レース復帰は翌年となります。
実はこの左前脚部第一指節種子骨骨折は競走馬の命を脅かすほどの怪我で、これほどの大けがに見舞われながらも約1年の休養でレースに復帰したメジロマックイーンは本当に幸運の持ち主でもありました。

怪我から1年後、6歳になったメジロマックイーンは天皇賞春3連覇を目標に、大阪杯に挑みます。怪我明けの初戦ということで多少の不安要素はあったのですが、なんとメジロマックイーンはこの大阪杯でレコード勝ちの圧勝劇を見せつけ、天皇賞春3連覇をグッと手繰り寄せます。

いざ迎えた天皇賞春。多くのファン、関係者がメジロマックイーンの3連覇を信じて疑っていなかったことでしょう。1頭の、漆黒の競走馬をのぞいては。

レースでは「87年組」のメジロパーマーが先頭を奪い、それを見る形でメジロマックイーンが先行策します。3コーナーから4コーナーにかけじわじわと先頭に近づき、メジロパーマーに並びかけたとき、天皇賞春の3連覇の偉業はもう目の前でした。いつもであればメジロマックイーンのスピードとスタミナに付いてこれる馬はいなかったのですが、ただ1頭、ライスシャワーがくらいついていました。

残り400,300m付近までは粘りを見せたものの、最後はライスシャワーが完全に先頭に立ち、メジロマックイーンの天皇賞春3連覇を阻止したのでした。

しかしそれでも、メジロマックイーンの闘志は尽きていませんでした。

続く宝塚記念、メジロマックイーンは大外から他馬を一気にまくる規格外の戦法で勝利を収めました。この勝利により史上初の獲得賞金10億円突破、そして4年連続G1競争制覇の偉業を達成しました。

そして最後の忘れ物である秋の天皇賞に狙いを定めトレーニングを積んでいたところ、靭帯炎を発症してしまい、6歳という年齢を考慮した結果引退という選択肢がとられ、ターフに別れを告げました。

最後に

やや駆け足にはなりましたが、メジロマックイーンの馬生をご覧いただきいかがだったでしょうか?

体質の弱さや、骨折などを乗り越えた彼の精神力に、多くのファンが魅了されました。

ちなみに引退後の逸話にはなりますが、種牡馬となったメジロマックイーンは社台スタリオンでの生活をスタートさせます。メジロマックイーンの隣の馬房には、超がつくほどの暴れ馬であり、のちの大種牡馬となったサンデーサイレンスがいました。メジロマックイーンが来た当初、サンデーサイレンスは毎日威嚇していたようですが、メジロマックイーンが無視を決め込んでいると、いつの間にか2頭は仲良しに。放牧地で首を伸ばしてお互いの顔を近づけるほどの信頼関係を築いていたそうです。これもメジロマックイーンの魅力なのではないかなと私は思います。

そして現代になり、ウマ娘となった彼女の努力、諦めない気持ちに多くのファンが魅了されています。ウマ娘の彼女がどうしてあそこまで強く、そしてどうしてあそこまで優しいのか、それは彼女のモデル馬となったメジロマックイーンの強さであり、優しさでありました。


メジロマックイーンは約15年前に天国に旅立ちましたが、その血を引いた1頭の葦毛の競走馬が引退した今も多くのファンを魅了しています。

メジロマックイーンに関する逸話や裏話はこの記事には書ききれないほどありますので、トレーナーの皆さんは是非、モデル馬のメジロマックイーンに思いをはせてみてください。

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