![[遊駿+]白山から海外へ。初モノづくしだった2024年ディクテオンの白山大賞典](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2025/09/2025092104-scaled.jpg)
白山大賞典は隠れた出世レースである。
古くはイングランディーレ、タイムパラドックス、スマートファルコン、ニホンピロアワーズ。ここ10年でもケイティブレイブ、ウィルソンテソーロと、ここを制した後にJpnI、GIを制する馬が現れた。
また、インカンテーションやマスターフェンサーと言った、大きな勲章に届かずともここを勝ってから長くダート戦線を賑わし、大きく飛翔する馬も多数送り出している。そんな歴代の勝ち馬の中から、ついに海外の重賞を制する馬が現れた。
ディクテオン。
2025年韓国のGⅢコリアカップで地方所属馬初の海外ダート重賞を制した、2024年の白山大賞典勝ち馬である。
2024年のディクテオンは④④④③と勝ちに届かない走りを続けていた。しかしながら前年にはダートグレードを連勝しているし、3着も舞台は帝王賞で勝ち馬から0.5秒差の僅差。きっかけ一つで再浮上しそうな──そんな雰囲気があった。
そして、そのきっかけを求めて秋初戦に選んだのが白山大賞典だった。
この年の白山大賞典には前年2着で初重賞制覇に燃えるメイショウフンジン、3連勝で勢いに乗り鞍上に金沢を知り尽くした吉原寛人騎手を迎えたダイシンビスケス、連勝でOP入りして鞍上にミルコ・デムーロ騎手を配したサンマルパトロール等々、実力も勢いもあるメンバーが揃った。
そんな中、ディクテオンは中央勢唯一の重賞馬という事で他の中央勢よりも3㎏重い57㎏の斤量を背負わされるが、それにも関わらず単勝2.2倍の1番人気に推される。
ゲートが開くとメイショウフンジン、ダイシンビスケスの2頭がハナを切り、後続を離して逃げる。これまで後方待機から末脚に賭ける走りをしていたディクテオンは積極的に前目につけて2頭を見る3番手につける。
2周目の向こう正面に入った時、早めに動いたディクテオンは一気に前2頭を捕まえて先頭に立つとメイショウフンジンが下がっていき、ダイシンビスケスが食らいついていく。
向こう正面からコーナーに入るとディクテオンとの差は開いていき、最後の直線に入る頃にはセーフティーリード。
ダイシンビスケスとサンマルパトロールの2番手争いを尻目に5馬身差つけての快勝。重賞2勝の実力を見せつけた。

ディクテオンの勝利は、白山大賞典史上初の騙馬の優勝でもあった。
さらに母親のメーデイアは2013年の金沢で行われたJBCレディスクラシックを制していて、母子で金沢のダートグレードを制する史上初の勝利となった。
2026年、JBCは再び金沢で行われる。
8歳となる2026年にディクテオンは母も踏んだJBC金沢の大舞台に立って母子でJBC制覇を飾られるか。
白山大賞典から続き、海外にまで飛翔したディクテオンなら十分にできそうに思える。
今年の白山大賞典から偉大な先輩やディクテオンのように大きく飛翔する馬は現れるか。
白山大賞典は隠しようのない出世レースになるのか。
9月30日のレースに期待しよう。

