[POG2020-2021]注目馬紹介~一口クラブ・シルクレーシング編~

ノーザン傘下に入ってからのシルクレーシングの躍進ぶりは、まさに目を見張るモノがあります。
多くの重賞馬を輩出し、馬主リーディング争いでも常に上位争いを繰り広げているクラブとして有名になりました。
POG期間での活躍馬・重賞馬も多数出ていて、近年はこの期間でのGⅠを制覇する馬も目立つようになってきています。

アーモンドアイ(2018年桜花賞・オークス)
ラウダシオン(2020年NHKマイルカップ)
ローブティサージュ(2012年阪神JF)
サリオス(2019年朝日杯FS)

この流れを見ても、2021年のクラシック路線を騒がせる期待の新星がきっといるはずです。
今回は、募集価格順に4頭をご紹介したいと思います。


エクスインパクト

父:ディープインパクト
母:エクセレンスⅡ
母父:Champs Elysees
尾関知人厩舎(美浦)
2018年3月12日生まれ
牡馬・募集額8,000万円
母7歳時の出産で3連産目(第3仔)

まず紹介するのディープインパクト産駒のエクスインパクトです。
母エクセレンスⅡは仏国の重賞馬で、主要GⅠでも善戦を繰り返したのちに繁殖生活に入ります。

すでに半姉のエクセランフィーユ(父Frankel)が6戦3勝、全兄レクセランスが4戦3勝で結果を出しています。母父Champs Elysees(シャンゼリゼ)は加国の年度代表馬で、日本でも馴染み深いデインヒル産駒です。

ディープインパクト×デインヒルの組み合せは18頭中13頭が勝ち上がり(72.2%)、朝日杯FSを制したサトノアレスやオークス2着馬エバーブロッサム等、POG期間から活躍できている馬が何頭もでています。そう言った面を考えると父ディープインパクト×母父Champs Elyseesの配合が本国でマッチした事も頷けます。

管理するのは尾関知人厩舎です。これは個人的には、かなり意外な人選でした。というのも尾関厩舎はサンデー・社台・東サラの主戦厩舎の一つのイメージはあれど、シルクレーシングのイメージが薄かったからです。しかし、管理馬を見てそれは私の「イメージ」だった事に気づかされました。

代表馬グローリーヴェイズを筆頭に近5年間でデビューしたシルク所属馬4頭すべてが勝ち上がり、かつ2勝以上あげているという好成績だったのです。ここまで毎年1頭ずつ預かり確実に結果を出している好相性の厩舎ですから、今年も注目です。

馬体は兄よりはかなり小さいサイズですが、逆にいえば「ディープインパクト産駒だなぁ」と思えるシルエットになっています。調教の姿を見ても、軽さだけでなくしっかりと力強く地面を踏む姿に好感が持てます。

皐月賞、ダービーの舞台で見たい一頭だと思います。

ルナベイル

父:ハーツクライ
母:ピラミマ
母父:Unbridled's Song
藤沢和雄厩舎(美浦)
2018年4月16日生まれ
牝馬・募集額5,000万円
母13歳時の出産で9連産目(第9仔)

デビューした産駒7頭すべてが2勝以上以上をあげている賢母ピラミマ。今年はスワーヴリチャードと同じハーツクライ産駒がラインナップされました。

母父Unbridled's Songといえばディープインパクトとの相性の良さが注目されがちですが、実はハーツクライとも相性が良く、JRA勝ち上がり率は70%を記録しています。

管理するのは名伯楽藤沢和雄調教師。

シルクレーシングでは近5年間で7頭中6頭が勝ち上がりを果たしています。シルクとの連携の場合は外厩を利用しながら「一戦必勝」という使い方が多い印象です。

写真を見ると父がハーツクライという事もあり若干成長は遅めかなと感じる部分もありますが、全兄スワーヴリチャードは皐月賞2着、ダービー3着と3歳クラシックでも活躍した馬ですから、極端に晩成という事はないと思います。早めに賞金を加算し、余裕をもったローテーションでオークスを目指したい逸材です。

リュラネブラ


父:ロードカナロア
母:リュラ
母父:ステイゴールド
国枝栄厩舎(美浦)
2018年1月28日生まれ
牡馬・募集額5,000万円
母5歳時の出産で初仔

半姉はハープスターという血統馬・リュラの初仔となります。

リュラはキャロットFからデビューしましたが、未勝利で繁殖入りとなります。初年度の配合相手はロードカナロアが指名されました。血統表を遡ると名牝ベガにたどり着く良血馬だけに、期待が高まります。

管理するのは国枝栄厩舎。クラブでは、ご存じアーモンドアイを管理する調教師です。近5年間で7頭が預託され4頭の勝ち上がりを見せています。

この馬の最大のセールスポイントは現時点での完成度の高さにあります。1歳12月の段階で15-15の乗り込みを行い、2歳3月にはすでにゲート試験をクリアしノーザンファーム天栄でトレーニングを積んでいます。

恐らく6月頭の東京でデビューできそうですし、ロードカナロア産駒らしいスピード感も期待できます。早めのポイント加算にはもってこいの存在ではないでしょうか。

ジュリオ


父:リオンディーズ
母:ヒストリックレディ
母父:ネオユニヴァース
木村哲也厩舎(美浦)
2018年2月24日生まれ
牡馬・募集額3,500万円
母8歳時の出産で5連産目(第5仔)

こちらもハープスターの半姉・ヒストリックレディの仔にあたります。先にご紹介したリュラネブラとはいとこの関係です。ヒストリックレディは当歳時に放牧中の不慮の事故により競走馬としてデビューは出来ず早々に繁殖入りした経緯を持つ牝馬です。現役時代の成績がなくとも厚遇されているのは、やはりベガから続く良血が評価されての事だと思います。JRAでデビューしたのはこれまで2頭ですが、初仔のイストワールファムは4勝をあげる活躍をしてくれました。

父は新種牡馬のリオンディーズです。

前年に種牡馬デビューした半兄エピファネイアは上々の滑り出しをみせ、初年度からデアリングタクトを輩出しています。自身は競走馬生活としては不完全燃焼に終わってしまいましたが、かえって未知の魅力に溢れている馬でもあります。

父リオンディーズ×母父ネオユニヴァースという配合は、デアリングタクトと同じ「サンデーサイレンスの奇跡の血量」である4×3が成立します。他にもSadler's Wells、Fairy Kingがそれぞれ4×4、Northern Dancer5×5×5と、クロスの目立つ配合です。

管理する木村哲也厩舎はシルクレーシングの看板厩舎で、近5年間で最多の15頭の預託があり11頭が勝ち上がっています。ノーザン系の申し子とも言える木村調教師は外厩を巧く利用して結果を出していますので、POGにおいても信頼のおける厩舎だと思っています。

リュラネブラ同様、ジュリオも早期デビューを目指しスタンバイ完了の状態です。動きを見てもスピード感がある走りですから、早期からポイントをしっかりと稼いでくれそうな予感がします。


以上、高橋楓が選ぶシルクレーシングから期待の4頭です。

ここに掲載できなかった馬の中でも期待の馬は何頭もいます。
シルクレーシングの場合、若いうちに無理やり使わずとも、いずれ活躍してくれるという才能を感じる募集馬がたくさんいます。その中で、2歳重賞制覇や早期始動ができそうな馬という観点で、4頭を選ばせて頂きました。

この記事が皆様のPOG戦略のお役に立てれば幸いです。

※記事内のクラブの名称はクラブ法人名を使用しています。
※記事内の数字は2020年5月22日現在になります。
※記事内の写真は募集カタログの写真になります。

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