巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今日は日曜日に行われる宝塚記念の出走馬から1頭紹介したいと思います。
ウインマリリン
昨年の日経賞、オールカマーを制したウインマリリン。祖父は有馬記念→宝塚記念→有馬記念とグランプリ3連覇を達成したグラスワンダーです。
グラスワンダーが勝った1999年の宝塚記念は同期のダービー馬スペシャルウィークとの2強対決が注目を集めていました。スペシャルウィークの単勝オッズは1.5倍、グラスワンダーの単勝オッズは2.8倍、3番人気のオースミブライトの単勝オッズは15.9倍とファンの多くが「この2頭の対決」だろうと予想していました。その2頭の争いでは、AJCC→阪神大賞典→天皇賞春と古馬の王道路線を3連勝していたスペシャルウィークが有利と見られ、前走の安田記念でエアジハードに敗れていたグラスワンダーはどちらかと言うと「挑戦者」と言う立場でした。
レースでは、好位をつけるスペシャルウィークを直後でグラスワンダーがマークすると言う「挑戦者」に相応しいレースぶり、また、「強い馬」をぴったりとマークしその馬を負かしに行く「マーク屋」のレースが得意なことで知られる的場均騎手らしいレースぶりでした。そのマークをスペシャルウィークに騎乗した武豊騎手が左右を振り返りながらグラスワンダーを警戒するシーンは、この宝塚記念を象徴するシーンとして知られています。
3コーナーでスペシャルウィークが早めに仕掛けると、それを追うようにグラスワンダーもスパートし、4コーナー出口ではこの2頭が後続に差をつけ、完全なマッチレースの様相を呈し、ファンの期待は最高潮になりました。
しかし、直線に入るとグラスワンダーがスペシャルウィークをあっさりとかわし、グラスワンダーの独壇場。終わってみればスペシャルウィークに3馬身差をつける完勝で、同期のダービー馬に対し溜飲を下げる結果となりました。
グラスワンダーは、ウマ娘のゲームで言うと「弧線のプロフェッサー」持ちのイメージ。コーナーで捲る脚がとにかく速い印象でした。それを生かして主要競馬場の中では比較的小回りで直線の短い阪神、中山で行われるグランプリレースを得意としていました。その孫であるこのウインマリリンも中山の重賞で2勝しており、適性としてはグランプリには向いてそうです。
近走はふるわない成績が続いていますが、そんな中から復活もあるかもしれません。
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