2020年の夏競馬は、京都競馬場がリニューアル工事を行う関係で変則開催となった。
本来であれば中京競馬場で開催されるレースを阪神競馬場で行い、秋の阪神開催を中京競馬場で行うというスケジュールだ。
例年であれば夏の中京開催の締めくくりでもある中京記念も、今年は阪神競馬場で行われた。
そしてこの中京記念が多くの競馬ファンを驚かせるレースとなった。

今年の中京記念は、フルゲート18頭が出走。
今年のNHKマイル3着のギルデッドミラーは斤量51キロとメンバータイの最軽量ハンデでレースに臨めるとあって、1番人気に支持された。
続いてエプゾムカップで2着となったソーグリッタリングやG1馬ケイアイノーテックなどが人気で続くが、ハンデ戦らしくレース前から大混戦模様を醸し出していた。

レース概況

久しぶりの良馬場、そしてお天気にも恵まれた阪神競馬場向こう正面でゲート入りが行われ、レーススタート。スタートを決めたトロワゼトワルとリバティハイツ、同じ社台の勝負服2頭が先行する。
先団は固まってストーミーシーや人気のギルデッドミラーが追走。ソーグリッタリングも先団にとりついた。
後方勢は各馬間隔をあけて追走。ケイアイノーテック、ラセット、エントシャイデンらが後方待機を選択した。

迎えた4コーナー。
中団追走のミッキーブリランテがまくり上げ、リバティハイツに並んできた。
レースが動いたところで直線の攻防を迎える。先頭2番手に替わったリバティハイツとミッキーブリランテを目標にギルデッドミラーやストーミーシーが追い出す。

しかしそれらをまとめて交わし去る1頭がいた。

ミッキーブリランテの後ろからついていくように追い上げた18番人気メイケイダイハードだ。
残り200mでミッキーブリランテを捕えて先頭に立ったメイケイダイハード。飲み込まれた先行勢にかわって、大外からはラセットとケイアイノーテック、内からは大外枠ながらエントシャイデンがメイケイダイハードに迫るも、軍配はメイケイダイハードに上がった。

直線横一杯に広がった激戦は体半分差でメイケイダイハードが1着。
大外から豪快に差し込んだラセットが2着、さらに内を突いたエントシャイデンが3着となった。
人気の上では18番人気、6番人気、9番人気の順となり、3連単は300万越えの大波乱決着となった。

各馬短評

1着 メイケイダイハード

53キロの軽量をいかした、見事な勝利であった。
道中は10番手付近の中団を追走。ミッキーブリランテを目標に押し上げ、直線では馬場の外目から勢いよく伸びきっての1着。
18番人気という伏兵評価を大きく覆した。

2着 ラセット

道中は最後方を追走しながら2着に突っ込んだラセット
。阪神競馬場の長い直線を目いっぱい使っての迫力あるレースであった。
上がりの3ハロンはメンバーただ1頭の33秒台を記録。
豪快な差し脚は今後のマイル戦線でも脅威となるだろう。

3着 エントシャイデン

前走OP特別を勝利して挑んだこの舞台。
枠順は大外枠ながら道中は中団のラチ沿いを追走。直線でも中々進路が取れない中内側でしぶとく脚を使い、ケイアイノーテックをわずかに退けて3着入線。スプリント路線のイメージの強いルシュクルの子供だが、この脚のしぶとさはもう1度マイル戦で見てみたくなるようなものだった。

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