[グルメ]地方競馬のギャンブル飯を訪ねて〜船橋競馬場編〜

競馬場は「ギャンブルをするところ」である。
予想をしたり、馬券を買ったり、レースを見たりで忙しい。
そのため、競馬場のご飯と言えば、値段が安く、注文したらすぐに出てきて、サッと食べられるものが人気。
そばやうどん、煮込みや焼き鳥などが代表的だ。『ギャンブルオヤジ』にとって、味は二の次三の次。安くて早いものの方が、ウケが良かった。

しかし近年風向きが変わってきて、競馬場でしか味わえないご飯を楽しむ、ギャンブル飯に舌鼓するなど、競馬場のご飯がグルメとして認知されつつある。
谷口あさみ先生のマンガ『競馬でごはん』や、島田栄次郎先生(原作)・高橋コウ先生のマンガ『ばくばく!バクチごはん』など、ずばりギャンブル飯を題材にしたマンガも出版されている。また、ギャンブル飯についてレポートしたブログやXなども多く投稿されており、反響の大きな投稿も散見される。

今回は、ギャンブル飯好きなプーオウが、ギャンブル飯についてご紹介していこうと思う。
ギャンブル飯の美味しさと楽しさが伝わることを切に願うばかりである。


さて、今回のギャンブル飯の舞台は船橋競馬場。
私は船橋に住んでいたことがあり、1990年代に初めて行った地方競馬場が船橋競馬場なのである。
当時は鉄筋コンクリート剥き出しで灰色の建物。ゴミも多く落ちていて、ほとんどオヤジしかいなかった。
正直、居心地が良いとは言えなかったが、馬や騎手が近い、レースの迫力も間近で楽しめるのは貴重で、足を運んでいた。
そして何より、競馬場でしか味わえないグルメが楽しみだった。

昔、船橋競馬場のスタンドには『東西商会』のお店が1階、2階、3階にそれぞれあった。
この『東西商会』は「船橋競馬場のご飯と言えばココ」というほど、有名なお店であった。
その頃から、1階にモツ串、3階にあんかけ焼きそばが売っていて人気があり、私は1990年代から食べていた。
同じように船橋競馬場と同時に開業した老舗『田久保』のもつ焼きも、私は当時から食べていた(記憶が正しければ、当時からもつ焼きを焼いているお兄さんは変わっていないように思う。もし同じ方がずっと焼いているとしたら一体おいくつなのか…謎は深まるばかりだ)。

船橋競馬場は2025年2月現在、新しいスタンドを建築中。
すでにオープンしている新スタンドにも『東西商会(店名は東西売店)』、『田久保』はある。
上述の歴史を感じながら、ぜひ楽しんでみてほしい。

東西売店

まずはモツ串で有名な『東西売店』からご紹介していこう。

牛モツ、豚モツ、牛スジの三種類。
昔から牛モツは「赤」、豚モツは「白」と呼ばれている。

「おばちゃ~ん! 赤、白、牛スジ1本ずつちょうだ~い!」と言うのが、私のお決まり。
どれも熱々でフワフワ。よく煮込まれており味噌の味が広がる。美味しくて幸せも広がる気分になる。

『東西売店』にはもちろん、今でもあんかけ焼きそばが売っている。
鉄板で焼いたソース味の焼きそばに、カレー風味のあんをかけて出来上がり。

競馬場ではいたってオーソドックスな「焼きそば」に、カレー風味のあんがよく絡み、箸が進む。
混ぜては食べ、食べては混ぜ…としているうちに、気が付くと無くなっている!
これぞ、あんかけ焼きそばの醍醐味である。

他にも月見焼きそばやネギラー油焼きそばやホルモン焼きそばもあり、それぞれに美味しさがあるので、ぜひ色々味わっていただきたい。

もつ焼き 田久保

続いては『田久保』のモツ焼きと煮込み。
モツ焼きは種類も豊富で、それぞれの部位で歯ごたえ、食感、味も違うのだが、人気は白モツ。フワッとした食感ながら、噛むと味わいが広がる。
さらに『田久保の』モツ焼きといえばタレが絶品! 正直、このタレを持ち帰ってご飯を食べたいくらいである。

実は名物のタレだけでなく塩も美味しく、比べて好みの味を探してほしい。
そしてもう一つの名物、煮込み。トロットロッに煮込まれていて、食べるごとに味噌の風味とモツが絡まって見事な味わいである。
これだけ美味しい煮込みはなかなか食べることができない。

モツ焼きや煮込みで有名な『田久保』だが、実はカレーも絶品!
私はそれを知らず、偶然YouTubeで知って食べたところ、驚いた。まさしく美味しいカレー屋さんで食べる欧風カレー。

角煮も柔らかく、カレーもコク深く美味しい。
30年近く船橋競馬場に通っていて、この美味しさを知らなかったことを後悔している。

中華 こがね

新スタンドになり、新しいお店も入った。

ラーメンが美味しい『中華 こがね』がそのひとつ。
私はなぜかここで、チャーハンを食べる。

馬勝チャーハンという名で、良い感じに薄いカツと、これまた良い感じにシットリしたチャーハンが相まって美味しい。

一般的には、分厚いカツやパラッパラッのチャーハンが人気だろう。だが、競馬場で食べるからこそ、この薄いカツとしっとりとチャーハンが趣深く感じるものだ。

私はお酒が全く飲めないのだが、この記事を読んでいる皆様はお酒が好きなことと思われる。
船橋競馬場にももちろんアルコールは売っており、普通のビールから変わったカクテルを売っているお店もあり、お酒好きにもたまらない競馬場となっている。

今回紹介した所以外にもお店があったり、キッチンカーが出店していたりと、船橋競馬場にはギャンブル飯がたくさん!
ぜひ皆様、船橋競馬場に行った際には、競馬を楽しむとともに、ギャンブル飯も味わっていただきたい。

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