[今週の競馬]秋の中山、阪神開催がスタート!今週がラストの札幌との3場で、週末は4つの重賞が開催!

時候は「処暑」の終わりごろ。残暑がまだまだ続くが、暦は9月に入り徐々に秋の色が濃くなってくるころでもある。

中央競馬は、今週から中山、阪神の開催がスタート。引き続き開催中の札幌とあわせて、3場での開催となる。なお札幌の開催は今週までで、いよいよ夏競馬から秋競馬へと移り変わる時期となる。

また、先週まで新潟、中京開催で実施されていた暑熱対策は終了し、今週からは通常の時間帯での開催となる。

土曜日には札幌で札幌2歳S、中山では京成杯オータムハンデキャップが開催。そして日曜日には阪神でセントウルS、中山で紫苑Sと、4つの重賞が開催。GⅠの前哨戦も始まり、いよいよ秋競馬が盛り上がっていく。

○札幌2歳ステークス 札幌開催のラストを飾る2歳重賞

札幌2歳ステークス(GⅢ)
土曜札幌11R 15:20発走
芝1800m(右)サラ系2歳 オープン 馬齢
本賞金 1着3400 2着1400 3着850 4着510 5着340(万円)

■札幌2歳ステークスの歴史と位置付け

1966年に創設された「北海道3歳ステークス」を起源とする重賞である。

創設当初は札幌競馬場の砂コース1200mの条件で開催され、69年からダート左回り1200m、そして75年からは右回りのダート1200mと開催条件の変遷を経てきた。89年の札幌競馬場改修、芝コース新設により、翌90年から札幌競馬場、芝1200mの条件に変更となった。そして97年からは、2歳重賞の距離体系の整備により芝1800mに変更され、現在に至っている。

レース名称は、83年に「札幌3歳ステークス」に改称され、01年に馬齢表記が国際基準に統一されたことにともない「札幌2歳ステークス」に改められた。

現在は夏の札幌開催のラストを飾る重賞として親しまれており、年末の2歳GⅠや翌年のクラシックを見据えて2歳有力馬たちが出走する。

芝1200m戦の時代には、ニシノフラワーやビワハイジといった名牝が制しており、芝1800mに変更になってからは、ジャングルポケット、ロジユニヴァースといったのちのダービー馬や、ソダシやジオグリフなどのちのクラシックホースが、本競走を制している。

■昨年はショウナンガルフがゴール前差し切る

1番人気に支持されたのは、函館の新馬戦勝利から挑んだショウナンガルフと、継続騎乗の池添謙一騎手だった。

そのショウナンガルフは道中、中団後方でじっくりと構え、直線に向くと大外から強烈な末脚を披露。逃げた10番人気のジーネキングをゴール前でわずかにクビ差とらえて差し切った。1.1/2馬身差3着には、4番人気の牝馬、スマートプリエールが入った。

勝ったショウナンガルフは、父ハービンジャー、母がミカリーニョという血統。2023年のセレクトセール当歳セッションにおいて2億1000万円(税抜)で落札されていたが、その期待に違わぬ末脚で重賞勝利を挙げた。池添騎手は、この勝利がJRA重賞通算100勝目となる節目の勝利だった。また、管理する須貝尚介調教師は、前年のマジックサンズに続いて札幌2歳S連覇となった。

■札幌2歳ステークス(2026年)の出走予定馬

注目のフライトライン産駒、ショウナンガレオンが登録。函館の新馬戦は断然人気を背負って、2歳コースレコードでの圧勝だった。札幌の地から、新たなスター誕生となるか。

新種牡馬エフフォーリア産駒のノヴァヴェローチェは、7月末、札幌の新馬戦で2着に3.1/2馬身差をつけ完勝。連勝で重賞勝利を狙う。

ウインブライト産駒のコスモハナミズキは、本競走と同じ札幌1800mのコスモス賞3着から臨戦。ここまで異なるコースで3戦した経験を活かせるか。

その他にも、期待の2歳馬たちが夏の札幌を締めくくる重賞にエントリーしている。いよいよ秋に向けて熱を帯びてくる2歳戦線だが、新たな重賞ウイナーはどの馬になるだろうか。

○京成杯オータムハンデキャップ 秋の中山開幕を告げるマイル重賞

京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)
土曜中山11R 15:45発走
芝1600m(右・外)サラ系3歳以上 オープン ハンデ
本賞金 1着4100 2着1600 3着1000 4着620 5着410(万円)

■京成杯オータムハンデキャップの歴史と位置付け

その歴史は古く、1956年に創設された「オータムハンデキャップ」を嚆矢とする重賞。レース名称は、59年に「京王杯オータムハンデキャップ」に変更されたのち、98年に現在の「京成杯オータムハンデキャップ」に改称された。

創設当初は、東京競馬場、芝1600mを舞台としたハンデキャップ競走として実施されていた。その後、1800mの距離で施行されていた時期もあったが、84年からは中山競馬場、芝1600mの条件で開催されて、現在に至っている。

12年にはサマーマイルシリーズの対象レースとして指定され、同シリーズの最終戦として実施されている。

秋競馬の開幕を飾る重賞として、マイラーたちが集うハンデ戦であり、シンボリインディ、ゼンノエルシド、ソウルラッシュ、アスコリピチェーノといった名馬たちが本競走を制してきた。

■昨年は7歳牝馬ホウオウラスカーズが激走

3歳牝馬エリカエクスプレスが1番人気に支持された一戦だったが、制したのは7歳牝馬、13番人気のホウオウラスカーズだった。

好枠からアスコルティアーモが先手を取るが、番手に控えたエリカエクスプレスが楽をさせず、道中は淀みなく流れる展開に。1番枠から出たホウオウラスカーズと木幡巧也騎手は中団後方を進むと、直線ではインを突いて脚を伸ばし、好位から粘ったドロップオブライトを3/4馬身差で差し切った。さらにクビ差3着には2番人気のコントラポストが入線した。13番人気→11番人気→2番人気の決着で、3連単は93万4100円の高配当となった。

ホウオウラスカーズは、現役馬が少なくなってきたディープインパクトの産駒。52キロの軽量に加えて開幕週の最内枠も味方につけ、7歳牝馬の勝利はレース史上初だった。また鞍上の木幡巧也騎手は、20年のダイヤモンドS(ミライヘノツバサ)以来、5年ぶり3度目のJRA重賞制覇だった。

■京成杯オータムハンデキャップ(2026年)の出走予定馬

4月のダービー卿チャレンジトロフィーで2着に入ったサイルーン。中山マイルでは3勝を挙げており、好相性のコースで重賞初勝利を狙う。

ファンダムは、前走のしらさぎSで後方から進めて脚を伸ばし、勝ち馬とは0.1秒差4着と復調の兆しを見せた。引き続きのマイル戦で、およそ1年半ぶりの勝利を目指す。

1年ぶりの復帰戦となった前走の安土城Sで復活勝利を挙げた、エコロブルーム。一昨年のニュージーランドT以来となる重賞2勝目なるか。

3歳馬からは、皐月賞、日本ダービーにも出走したフォルテアンジェロがエントリー。初のマイル戦で、新境地を見せることができるか。

ほかにも、同じ3歳でニュージーランドTを制したレザベーションや、捲土重来を期すヴァルキリーバースなど、多彩なメンバーが出走を予定している。

○セントウルステークス 激戦必至のスプリント重賞

セントウルステークス(GⅡ)
日曜阪神11R 15:30発走
芝1200m(右)サラ系3歳以上 オープン 別定
本賞金 1着5900 2着2400 3着1500 4着890 5着590(万円)

■セントウルステークスの歴史と位置付け

1987年に創設された重賞であり、当初は芝1400m、3歳以上の別定重量でGⅢの格付けとして開催されていた。

00年に距離が1200mへ短縮。同年に施行時期が9月末に変更されたGⅠスプリンターズSの前哨戦として位置づけられることとなった。06年にはGⅡに格上げとなり、あわせてサマースプリントシリーズの対象レースとして指定された。

レース名称は17年に「産経賞セントウルステークス」に改称となり、番組表などではこちらの名称で表記されている。また「セントウル(Centaur)」とは、ギリシャ神話のケンタウロスを英語読みしたもので、上半身が人間、下半身が馬の姿をした架空の怪物。阪神競馬場内の「セントウルガーデン」にはセントウル像があり、同競馬場のシンボルとなっている。

短距離路線の大一番、スプリンターズSに向けて始動する一流スプリンターたちに、夏のスプリント路線で活躍した馬たちが加わり、好メンバーが揃うことの多いGⅡでもある。その歴史においては、ビリーヴ、ファインニードル、タワーオブロンドンといった名スプリンターたちが、本競走を制してスプリンターズS制覇につなげてきた。

■昨年はカンチェンジュンガが差し切って勝利

前年の1、2着馬であるトウシンマカオとママコチャがそのまま1、2番人気に支持されたが、レースを制したのは8番人気カンチェンジュンガだった。

カルチャーデイが前半33.0秒のペースで逃げを打つと、カンチェンジュンガと川田将雅騎手は後方から追走。直線を向くと、好位から抜け出していたママコチャを、馬場の真ん中から豪快に差し切った。3着には中団から脚を伸ばしたトウシンマカオが入った。

勝ったカンチェンジュンガは、日高町サンバマウンテンファームの生産馬。2月の阪急杯で同ファームに初の重賞勝利を届けたが、これに続く2勝目となった。

■セントウルステークス(2026年)の出走予定馬

サマースプリントシリーズで首位を走るピューロマジックがエントリー。重賞3連勝で、同シリーズのチャンピオンを決めるか。

香港からファストネットワークが出走予定。その香港ではカーインライジングがスプリント戦線を席巻しているが、同馬は香港スプリント3着などの実績がある。本競走初となる、外国調教馬の勝利を目指す。

重賞2勝の実績を誇る、3歳馬ダイヤモンドノット。ただ1200m戦は未勝利であり、古馬との対決を含めて試金石のレースとなる。

北九州記念で、初の重賞勝利を挙げたフリッカージャブ。オープン特別からの連勝で本格化を思わせるが、初出走となる阪神コースを攻略できるか。

その他にも、スプリント路線を賑わせる実績馬たちがエントリー。開幕週から、白熱のスプリント戦が見られそうだ。

○紫苑ステークス 牝馬三冠最終戦を見据えた一戦

紫苑ステークス(GⅡ)
日曜中山11R 15:45発走
芝2000m(右)サラ系3歳 牝馬 オープン 馬齢
本賞金 1着5200 2着2100 3着1300 4着780 5着520(万円)

■紫苑ステークスの歴史と位置付け

「紫苑(しおん)」はキク科の多年草の名前。3歳牝馬重賞には、花の名前が多く用いられている。

秋華賞トライアルとして2000年に創設された、同名の競走を起源とする。創設当初はオープン特別だったが、16年にGⅢの格付けを取得し、23年には競走内容が充実していることからGⅡに昇格した。また創設当初は芝1800mの距離で施行されていたが、07年から現行の芝2000mに変更となった。

関西のローズSと並んで、秋華賞トライアルとして位置付けられており、17年のディアドラ、22年のスタニングローズが本競走を制して、本番の秋華賞でも勝利を収めている。

■昨年は7番人気ケリフレッドアスクが逃げ切り勝ち

春の実績馬、リンクスティップが1番人気に支持され、前走で1勝クラスを勝っているジョスラン、エストゥペンダがそれに続く人気を集めた一戦。

ゲートが開くと、7番枠から出たケリフレッドアスクと西塚洸二騎手が、積極的に先手を取り前半5ハロンを60.1秒で進める。そのまま直線でも逃げ粘り、好位から伸びたジョスランをクビ差抑えゴール板を先頭で駆け抜けた。さらに1馬身差の3着には、4番人気ダノンフェアレディが入線。前目で進めたリンクスティップは伸びず8着、道中最後方から追い上げたエストゥペンダは5着に入った。

鞍上の西塚洸二騎手は、当時デビュー4年目で嬉しいJRA重賞初勝利。このあと、秋華賞でも同馬でGⅠ初騎乗(11着)を果たした。

■紫苑ステークス(2026年)の出走予定馬

オークスで2着に入ったドリームコアがエントリー。母ノームコアも本競走を制しており、親仔制覇なるかに注目が集まる。

桜花賞3着のジッピーチューンも登録。その桜花賞は12番人気に反発しての激走だったが、その後、剥離骨折が判明してオークスは回避。仕切り直して最後の一冠を目指す。

ベンヴェヌータは、デビューからの連勝で1勝クラスのミモザ賞を制した後、骨折が判明。春のクラシックに出走は叶わなかったが、この紫苑Sで復帰。春の悔しさを晴らす勝利を挙げられるか。

その他にも、オークスで4着に入ったリアライズルミナスなど、秋華賞を目指して3歳牝馬たちがエントリーしている。秋競馬の開幕を告げる中山で、勝利を挙げるのはどの牝馬になるだろうか。


いよいよ秋の中山、阪神開催がスタートし、注目レースも多く開催される今週の競馬。この開催から始動する有力馬も多く、目の離せないレースが続きそうだ。とはいえ、まだまだ残暑も厳しい気候が続くため、体調に注意しながら今週も競馬を楽しみたい。

写真:s1nihs、かずーみ、@gomashiophoto、@demekeiba113、INONECO、水面、ぼん(@Jordan_Jorvon)、

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