
小林美駒騎手が、北の大地で節目となるJRA通算100勝を達成した。
デビュー4年目の夏。8月29日の札幌競馬第4レース、3歳未勝利戦。4番人気のアニマレイを力強く勝利へ導き、通算1302戦目で大台に到達した。
この日は、朝から勢いがあった。


第1レースでベルアズーロを勝利に導き、通算99勝目。続く第4レースで、早くもメモリアル勝利を決める。さらに第6レースでは、1番人気のペカリーナで逃げ切り勝ち。今開催の札幌では自身3度目となる一日3勝を達成し、100勝の余韻も冷めないうちに、通算勝利数を101へと伸ばした。
今夏の札幌で挙げた勝ち星は、これで13。札幌リーディング争いにも名を連ねる位置まで駆け上がった。その姿を見ていると、彼女はすでに、次の一歩を力強く踏み出しているように映る。それにしても、これほど鮮やかに100勝へ到達するとは、正直なところ予想していなかった。




前週のワールドオールスタージョッキーズ開催週は、土日の騎乗で勝利を挙げられないまま終わっている。さらに、その前週の札幌記念当日には、第1レースでプルーフリーディンに騎乗して98勝目を挙げたものの、体調不良のため第3レース以降は乗り替わりとなった。

「開催前半の快進撃で、少し疲れが出たのかもしれない」
「100勝までの残り2勝は、案外長い道のりになるのではないか」
そんな思いが頭をよぎったファンもいただろう。だが、その心配は杞憂に終わった。今週、小林美駒騎手は一日のうちに99勝目、100勝目、そして101勝目まで積み重ね、停滞の気配を自らの手で鮮やかに振り払ってみせた。

今夏の小林美駒騎手は、例年以上の存在感を放っている。
函館開催での勝ち星こそ4勝と、前年の9勝には届かなかった。それでも、ファウストラーゼンとのコンビで函館記念を制し、重賞初勝利という大きな勲章を手にしている。そして札幌へ舞台を移すと、一日3勝を3度記録。昨年の札幌開催で挙げた11勝を上回る13勝に到達した。しかも、まだ開催を残した段階での数字である。どこまで勝ち星を積み上げるのか、期待は膨らむばかりだ。

そして――この100勝という節目は、単なる数字の到達では片づけられない。
むしろ、小林美駒騎手がここまで積み重ねてきた「成長の軌跡」が、ひとつの形として結実した瞬間だった。1年目10勝、2年目19勝、3年目37勝。そして今年の34勝目が区切りの100勝となった。デビュー当初から第三場を中心に着実に経験を重ね、昨年は札幌で存在感を示し、今年は函館記念で重賞初制覇。階段を一段ずつ踏みしめるように、しかし確実にステップアップしてきた。その歩みが、北の大地で迎えた100勝という節目によって、より鮮明に輪郭を結んだのである。
ここから先は、これまで以上に高いレベルで結果を求められるだろう。期待が大きくなれば、背負うものも重くなる。
それでも、騎乗技術の成熟、レースでの判断力、馬の力を引き出す感覚――そのすべてに年々確かな進化が感じられる。100勝はゴールではない。より大きな舞台へ向かうための、新たな出発点だ。重賞戦線でのさらなる活躍。年間最多勝の更新。東京や中山といった中央開催での勝利。そして、いつか迎える200勝――。
描かれる未来は、決して夢物語ではない。小林美駒騎手ならば、そのひとつひとつを現実のものにしていく。そう期待させるだけの歩みを、すでに見せてくれている。

それを象徴するようだったのが、100勝達成直後の第6レースだ。
1番人気のペカリーナに騎乗すると、芝1500メートルのレースで好スタートから先手を奪い、最後まで先頭を譲らなかった。直線では後続を突き放し、5馬身差の堂々たる逃げ切り勝ち。そこに100勝達成の余韻に浸る姿はなかった。むしろ、さらに先を見据えているかのような、自信に満ちた騎乗だった。
レース後、ウイナーズサークルでペカリーナと並んだ小林美駒騎手の表情は、以前よりもひと回り頼もしさを増して見えた。

北の大地で刻んだ100勝は、彼女がこれまで積み重ねてきた努力の証しであり、これから始まる「第2章」へのスタート地点でもある。
小林美駒騎手、JRA通算100勝、本当におめでとうございます。
そしてこれからも、ずっと応援しています。
写真:西谷英和、持田一茂

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