成績が抜群なわけじゃない。 なぜその馬が好きなのか──そう問われると確固たる理由を言葉には出来ず、でもどうしても心惹かれる馬が、あなたにはいないだろうか。強いことが、あるいは速いことだけが、競走馬たちの価値ではないと、私は思う。勝利数が多くなくても、賞金を稼げなくとも、レースに出ることがわかったら応援してしまう。そこに...
ウマフリライター
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ウマフリライターの記事一覧
──例えるならば、長嶋監督時代の読売ジャイアンツの松井秀喜と高橋由伸、あるいは今はなき大阪近鉄バファローズ「いてまえ打線」の主軸タフィ・ローズとフィル・クラークといったところか。1着同着でもない限り必ず決着がつく競馬というスポーツにおいて、両雄が並び立つケースはあまり多くない。しかしその年の春、競馬界にはファンを沸き立...
私が会場に辿り着いた時、既に50名を超える人が集まっていた。会場の「KAITEKI CAFE」では、司会の方が進行を始めていたが、どうやらパーティーの乾杯の音頭には間に合ったようだった。ドリンクを受け取ると、慣れない場所に緊張で少し体を強張らせながらも、はじめて会う人々の中へと紛れ込んでいく。 ひとりぼっちで、心細かっ...
東京のダート1400mコースで施行されるG3・根岸Sの勝ち馬というと、3週後のG1・フェブラリーSもそのままの勢いで連勝するような強豪揃い……というイメージが近年強くなってきている。だが、2000年以前の条件は東京ダート1200m、且つ施行時期が11月前半だったということもあって、勝ち馬のラインナップはかなり趣が異なる...
記録は破るためにある──しかしこの記録は、誰にも破りようがないのではないか。武豊騎手が2005年に打ち立てた、JRA年間最多勝利数…… 『212勝』は、そういう数字だった。年間200勝を上げること。それは、決して簡単なことではない。 かつて、2003年・2004年・2005年と3年連続で200勝超えが達成されたこともあ...
凱歌が揚がった瞬間、中山競馬場は大きな歓声に包まれた。 方々で拍手の音も聞こえる。 いわゆる「馬券勝負」に勝った観客だけでなく、負けた観客すら拍手を送った。観客全体がこれだけ一体となって当日の主役を祝福するという場面は、鉄火場の代表格たる競馬場においては当時あまり見られない光景だった。まるでそこにいる観客全員が歓びを等...
時は平成9年(西暦1997年)のことである。 三冠馬ナリタブライアンや女傑ヒシアマゾンといった『スターホース』が競馬場を去り、中央競馬界に“スーパーサイアー”サンデーサイレンスの時代が到来していた頃。 牡馬クラシック戦線ではブライアンズタイム産駒が猛威を振るい、春には“元祖・砂の女王”ホクトベガが異国ドバイのナド・アル...
今も昔も、桜花賞馬はどうにも儚いというか、散り急ぐというか……要は活躍期間が短めの馬が多いというイメージがある。こう思っているのは私だけでは無いのではないだろうか。その点、2015年の桜花賞馬レッツゴードンキはそうしたイメージとかけ離れた活躍を見せた。逃げから差し&追い込みにモデルチェンジしたとは言え、堅実さはそのまま...
──またこの季節がやってきた。年末になると、かならず思い返す出来事がある。 この話は、2004年まで遡る。 2004年12月31日。 当時まだ「青年」だった私は、モヤモヤと葛藤していた。「今日で終わってしまう」累積赤字により高崎競馬の廃止が決まってからそれまで、ルーチンワークのように、なんとなくボンヤリとした思いで高崎...
「アップ、ごめん」 場内に響く悲鳴とどよめきを耳にしたときから、何も言えず、ただ行く末を見つめていた。そのすぐそばで新たに誕生した障害王者が、あたたかい拍手と声援とともに讃えられていた。 屈腱炎を克服し、幾多の死闘を繰り広げてきたニホンピロバロン。 くしくも絶対王者・オジュウチョウサンが連勝街道を歩み始める直前に最後の...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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