「名馬」を語る 遥かなる旅路のプロローグ - 北の大地でディアドラが広げた、世界への翼 2026年8月1日 ディアドラという存在は、一羽の気高い渡り鳥のように思える。 ドバイ、イギリス、アイルランド、フランス、サウジアラビア、バーレーン、香港──。海を越え、国境を越え、その土地ごとに異なる芝を踏みしめながら、世界中の強豪へ挑み続けた。日本調教馬が海外へ遠征することは、もはや珍しい時代ではない。それでも、これほど長く、一つの場... norauma
「名馬」を語る よかよか、と笑えるから - 2021年北九州記念・ヨカヨカ 2026年7月4日 小倉の夏は、どこか人をおおらかな気持ちにさせる。 照りつける陽射しも、まとわりつくような湿った風も、決して優しくはないはずなのに、そこには不思議と懐かしさが同居している。 そんな土地で、昔からよく使われてきた言葉がある。 「よかよか」 思うようにいかない日も、先が見えなくなる時もある。けれど、そんなときでも大丈夫、焦ら... norauma
「名馬」を語る 残照の先に芽吹くもの - エフフォーリアが駆け抜けた季節 2026年7月2日 春の陽ざしが少しずつ暖かさを帯び、柔らかな空気が戻ってくる。その季節の気配に触れると、不思議と心が軽くなる。 競馬は毎週のように新しい主役を生み出す世界。約束のない舞台で、馬たちは一歩ずつ物語を刻んでいく。そんな季節の移ろいのなか、ときに1年の景色を変えてしまうような輝きが現れる。 2021年の春。コロナ禍の閉塞感がま... norauma
「名勝負」を語る 雨の向こうに続く夢。2026年宝塚記念、メイショウタバルの走り 2026年6月15日 2026年6月14日、15時30分。それは本馬場入場が始まる頃のこと。 阪神競馬場に激しい雨が降った。突如として発達した雨雲が仁川の空を覆い、夏の夕立を思わせる豪雨が地面を叩く。画面越しにも分かるほどの嵐のような雨脚に、場内からどよめきが起こる。先ほどまで良馬場だった芝は瞬く間に水を含み、重馬場へと姿を変えていった。 ... norauma
ニュース・ブログ [POG26-27]注目馬紹介~一口クラブ・ユニオンオーナーズクラブ 2026年6月5日 ユニオンオーナーズクラブは、1986年に日高地方の生産牧場が集結して設立された老舗クラブ。古くは1989年のエリザベス女王杯を最低人気で制し、大波乱の代名詞的存在ともなったサンドピアリス、近年では2015年のチャンピオンズカップで牝馬として初めてJRAダートGⅠを制したサンビスタや、2023年のJBCクラシックと202... norauma
「名勝負」を語る 府中に甦った皐月賞馬の矜持 - 2016年安田記念、ロゴタイプ 2026年6月4日 競馬は先頭で駆け抜けた者が勝者――そんな単純な理に支えられながら、その勝利の形はいつだって複雑で、美しいコントラストを描く。 タイムを競うだけの競技ではない。人馬の思惑が交錯し、誰かが攻め、誰かが抑え、その綾が折り重なってゴールへ辿り着く。だからこそ競馬は読み切れないし、だからこそ面白い。 そして競馬は時折、諦めず戦い... norauma
「名馬」を語る 赤と緑の夢の行方 - マイネルチャールズが駆けた春 2026年4月18日 2026年2月。ひとつの歴史が終幕へと向かうことが告げられた。 ラフィアンターフマンクラブ、新規募集終了の報。 約40年前、岡田繁幸氏が立ち上げた「夢追い人」の物語。ターフを彩り続けた赤と緑の勝負服は、幾年かの時間をかけて、やがて静かに競馬界から姿を消そうとしている。 言うまでもなく、岡田繁幸氏にとって、日本ダービーは... norauma
「名馬」を語る 陽だまりの逃亡者。金色の季節を走り抜けたバビットの引退に寄せて 2026年2月15日 その馬の周りにはいつも、陽だまりができたような明るさがあった。 金色のたてがみに、混じりけのない栗毛。 パドックを一巡する姿に、自然と視線が吸い寄せられる。彼が本馬場に駆け出すと空気が少し温まる。首にぐっと力をこめるその仕草には、気の強さと闘志が滲む。 バビット。それは尾花栗毛の人気者。 俺はここにいると全身で表現し続... norauma
「名馬」を語る 世界の扉を叩いた日 - スキーキャプテン 2026年2月10日 近年、日本競馬は目覚ましい躍進を遂げている。 ドバイやサウジアラビア、香港の各競走には、毎年、数多く精鋭が日本代表として海を渡る。日本競馬のカレンダーには海外の競走が自然に組み込まれ、海外遠征は決して特別なことではなくなった。 米国のダート競走も、もはや遠い存在ではない。 マルシュロレーヌの快挙はその皮切りとなった。ウ... norauma
「名馬」を語る その重力を速さに変えて - 砂の上を進撃した重戦車ドンフランキー 2026年1月11日 パドックにゆっさりと姿を現すと、それだけで場内の空気が一変する。 遠くからでも一目でわかる、あまりに巨大な影。ゼッケンが妙に小さく見えるほどの馬体を揺らし、確かな重力をもって、彼はのっしのっしと歩いてくる。 ドンフランキー。その馬体重、600キロ。 500キロを超えれば「大型馬」と称される競馬界において、彼は外れ値のよ... norauma