今から30年ほど前、ライバコウハクという1頭の競走馬が障害界を席巻していた。 1986年の中山大障害・春(現在の中山グランドジャンプ)での勝利や京都大障害を春秋連覇するなど、大活躍を見せていた名馬である。 しかし運命とは時として残酷なもの。 1987年12月26日、中山大障害。1年前の春に栄華を極めた地で行われるそのレ...
「名馬」を語るの記事一覧
年の瀬を迎えたとある日、駅前の小さなイタリアンレストランは活気に満ちあふれていた。 白髪混じりで黒縁眼鏡、体型は少し痩せ型の初老の男に、若々しい新入社員が花束を送る。彼が着るスーツはしっかりとアイロンがかけられていて、綺麗すぎるネクタイも体に馴染んでいない。今日の気合いの入れ方が伝わってくるようだった。 僕は上司や同僚...
ジャンプの頂点を極めた中山大障害馬が、1頭のやんちゃな馬に戻っていく。のどかな風景の中で愛情を一身に受けた、一見すると平穏な日々。しかしその馬は、永くないであろう余生を過ごしていた。障害王者が強靭な精神力で、生命の限り生き抜いた日々。そこにあったのは「残り僅かな余生を、充実したものにしよう」というスタッフの尽力だった。...
2017年という新しい年を迎え、今年の中央競馬開催初日となった1月5日。中山競馬場、京都競馬場では例年通り金杯が開催された。平日にも関わらず多くの競馬ファンが詰め掛け、盛り上がりをみせた両競馬場。いつもと変わることなく競馬が開催され、うららかな競馬初めに思えた。何事もなく無事に物事が過ぎたように見えても、その裏には大き...
彼はいつも、笑顔に囲まれている。馬と人が、人と人が固い絆で結ばれている。アップトゥデイト。2015年の中山グランドジャンプ・中山大障害を制した、史上初の同年春秋ハードル王である。 芦毛の馬体につぶらな瞳。純真無垢な少年のような愛らしいルックス。まるで観客に愛想を振りまいているかのような仕草。だが、彼のレースぶりは、外見...
一際目を惹く、華麗な飛越。スピードに乗った、軽快な走り。一瞬にして、目を奪われた。一瞬にして、その飛越の虜になった。 障害馬サナシオン。母ジェダイト(=翡翠)の宝石言葉である「癒し」を名に持つ障害競走馬。翡翠は時として武器としても用いられる。彼もまた、飛越すべき障害へ果敢に向かっていく──そんなスピードジャンパーであっ...
いよいよ香港国際競走の時期がやってきました。今年も日本からは多くの競走馬が各競走に出走を予定しています。中でも香港カップはモーリス、ステファノス、クイーンズリング、ラブリーデイなど錚々たるメンバーで昨年に続く日本調教馬の制覇が期待されます。その昨年の優勝馬はエイシンヒカリであり、今年は連覇がかかります。 さて、同じエイ...
2014年、中山大障害。 表彰台に上がる事のなかった1人の障害騎手が、ウィナーズサークルで、優勝馬レッドキングダムに寄り添っていた。自身の騎乗馬が敗れたにも関わらず、引き手を持ち、満面の笑みで鼻面を撫で、まるで自分の事のようにその勝利を喜んで。レッドキングダムを障害馬として育てあげた、西谷誠騎手である。その確かな信頼関...
最終決戦 ベルモントステークス プリークネスステークスを終えて、ベルモントパーク競馬場に戻ってきたラニと陣営は、最後の戦いに向けて、早くも準備を開始した。 2冠目からは中2週となるベルモントステークス。5月終わりにもかかわらず30℃を超える暑さだったらしく、ラニのために扇風機を設置するなど、調整に抜かりはなかった。 1...
伝説の新馬戦という、競馬ファンの間での語り草となっているレースがある。 のちの皐月賞馬・アンライバルド、ダービー2着馬・リーチザクラウン──その年の牡馬クラシックで「3強」と称されたうちの2頭。さらにはG1を6勝することになる名牝・ブエナビスタ。 そうした馬たちがデビュー戦で運命的な出会いを果たしたのは、2008年10...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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[重賞回顧]天性のセンスがまたも爆発! ジャンタルマンタルが隙のない完璧な競馬で3歳ベストマイラーの座を獲得~2024年・NHKマイルC~
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[重賞回顧]師弟で掴んだ王者の称号。長期休養を乗り越えたテーオーロイヤルが古馬最高の栄誉を獲得!~2024年・天皇賞(春)~
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[重賞回顧]美しいレース運びで惜敗続きにピリオドを打ったアドマイヤベルが、オークスの優先出走権を権得!~2024年・フローラS~
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[重賞回顧]天まで届け勝利の凱歌。史上まれに見る混戦を制したのはジャスティンミラノ!~2024年・皐月賞~
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[重賞回顧]中118日の雪辱劇!『マジックマン』に導かれたステレンボッシュが、逆転で桜の女王を戴冠~2024年・桜花賞~
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[重賞回顧]躍進著しい上村厩舎の大黒柱ベラジオオペラ。ダービーの雪辱を果たし、GⅠ初制覇を達成!~2024年・大阪杯~
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[重賞回顧]雪辱vs雪辱の死闘を制したマッドクールが、待望のGⅠ初制覇~2024年・高松宮記念~