宝塚記念には、不思議な魅力がある。ダービーも終わり、新馬戦とローカル競馬へと心が切り替わる、その前のエアポケットのような施行時期。まるでその年の春競馬の置き土産のようで、私の心を躍らせてくれる。 梅雨空の下で渋ることの多い馬場状態。阪神・内回りというクセのあるコース。短い直線と、2,200mという非根幹距離。 梅雨時期...
コラム・エッセイ
コラム・エッセイの記事一覧
「サラブレッドのふるさと」として競馬ファンに馴染み深い北海道・日高地方。そんな日高地方の現実をあなたは知っているだろうか? 「日高の現実は厳しい」 そうはっきり口にするのは、日高・新冠町へ移住した若勢文太さんだ。競馬が好きで、競馬のために何かしたい一心で新冠町へと移り住んだ。 「日高の馬が強くなれば、日本の競馬はさらに...
2018年4月29日、天皇賞・春。魂の走りで、レインボーラインはゴール板を先頭で駆け抜けた。 GⅠ挑戦10回目にして、遂に掴んだGⅠ馬の称号。ウイニングランをするレインボーラインを多くの観衆が祝福の拍手で迎え入れる……はずだった。 しかし、ウイニングランだと思った矢先、1コーナー付近でレインボーラインが立ち止まった。騎...
2018年3月11日、障害未勝利戦。 1頭の素質馬が、レースのさなか障害飛越を拒否してしまった。 しかしその背にいた騎手は馬をなだめ、改めて障害に向かう事を教え、飛越をやり遂げた。 結果は完走。 しかし大差のシンガリである。 それでも人馬が障害を飛越した瞬間、観客から拍手が沸いた。「頑張れ」と声援が送られた。 マテンロ...
入梅の報が各地から届き始め、蒸し暑さという感覚を身体が思い出し始めるこの時期になると、私はあの年の安田記念を思い出す。「おかえりなさい」と「おめでとう」が交錯したあの勝利に、人の出会いの儚さと別れの美しさを思い、杯を傾けたくなる。 2002年6月2日、東京競馬場。第11レース。GⅠのファンファーレが鳴り響き、順調にゲー...
18頭中の、7番人気。 直前でシルクライトニングが発走除外になったため最終的には6番人気となったが、それが1997年の日本ダービーにおいて、皐月賞馬・サニーブライアンへファンが下した評価だった。 皐月賞を制した愛馬への評価を見て、当時36歳だった大西直宏騎手はどんな想いでダービーを迎えたのだろう。 そしてどんな意思を持...
ダービーでスポットが当たるのは、勿論ダービー馬。しかし2着馬にもドラマはあります。今回はそんな「懐かしのダービー2着馬」をご紹介致します。 繊細な優等生は《本物》だった ノーザンテースト以来の大旋風を巻き起こすことになる、名種牡馬・サンデーサイレンス。その名種牡馬は、第1世代からロケットスタートを決めた。フジキセキを筆...
「ダービーへようこそ」 このフレーズを聞くと、胸が熱くなります。 ついに4度目の登場まゆぞうです! 私にとってダービーはお祭りな1日でもあります。『有馬記念とダービーはお祭り』こう思う競馬ファンは多いのではないでしょうか。このお祭りを現地で観戦できるのは本当に幸せなことなのです。 今回は「内田博幸騎手とダービー」という...
東京競馬場のパドックの外れには、とある馬の銅像が立っている。現地観戦派の競馬ファンにとっては、その存在を認識している人も多いのではないだろうか。 その馬の名は、トキノミノル。1951年のダービー馬だ。 10戦10勝。戦後の日本競馬で唯一、中央で10走以上した上で無敗を貫いた名馬である。最近ではイギリスのフランケルが14...
そのレースは、86年前の4月24日に開催されたと記録されている。僕がこの「道」を取材したのは2018年の4月21日だった。わりと近い日になったのは、正直に話せば偶然である。 権之助坂を下り、目黒通りをただひたすら、まっすぐ進む。目黒川や大鳥神社を越えて、さらにもうひとつ坂を登り終えたとき、お目当てのバス停が目に入った。...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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