2024年9月から隔週で刊行されている、日本競馬史上に残る名馬たちの蹄跡をDVDとマガジンで完全収録した『《DVD付きマガジン》隔週刊 日本の名馬・名勝負』。
- JRAの公式素材による、ファンファーレからゴールとその後のクールダウンも収録
- ストーリーモードと、レースモードの2種類の楽しみ方ができる!
- 出馬表、レース結果、全着順、ラップetc.臨場感溢れる映像で当時の様子を伝える!
- ライフストーリー、血統、血脈など名馬をより深く知ることができる充実のマガジンコンテンツ!
といった、数々の魅力あふれる内容となっている。
今回の特集馬は、シャドーロールの怪物ナリタブライアン。
マガジンコンテンツの「ナリタブライアン マル秘エピソード」から内容を抜粋して紹介していく。
「シャドーロールの怪物」誕生物語
唯一のシャドーロールを装着したダービー馬であるブライアン
ナリタブライアンは生来臆病な性格であったために疾走中に自分の影を怖がることがあったという。
デビューしてから間もなくはレースで走りに集中することができなかったことが成績の安定しなかった理由ともされる。自らの影に怯えるということもあり、下方を見にくくし、前方へ意識を集中させるためシャドーロールが使用されることになった。
初めてレースで装着された京都3歳S(現2歳S)以降、ダービーまで6連勝を果たしている。
シャドーロールを装着するに至ったのは大久保正陽調教師の父で、調教師でもあった亀治調教師がかつて管理していたパッシングゴールがシャドーロールを装着してから成績が安定したことを思い出したのがきっかけとされる。
そして連勝を重ねるにつれ、シャドーロールはナリタブライアンの代名詞的存在となり、いつしか人は「シャドーロールの怪物」と呼ぶようになった。ただ、実際は4歳春(現3歳春)の時点で、調教時にはシャドーロールを装着していなかったという。大久保正陽調教師も南井克巳騎手も、ナリタブライアンの引退後に、「シャドーロールは途中から必要なかった」と語っている。
それでもシャドーロールを付けたのは、ゲンを担いだためだった。首をグッと下げるナリタブライアンの独特な走法や、黒鹿毛の光る馬体にひときわ目立つ白のシャドーロールの組み合わせは、多くの競馬ファンの目を惹き付けたのは間違いない。
ちなみに、ダービーでシャドーロール、ブリンカー、チークピーシズなどの矯正具を装着して勝利しているのは、ナリタブライアンのみ。2021年ダービーにおいて、1番人気に推されたエフフォーリアは、シャドーロールを装着していたが、結局ハナ差の2着に終わっている。
南井騎手ただ一人の栄誉とは!?
ナリタブライアンに騎乗したことで「紅白」に出演!?
ナリタブライアンの活躍により、注目を集めたのが南井克巳騎手だ。
すでにタマモクロスやオグリキャップとのコンビで一流騎手として知られていたが、ダービー制覇には縁のない騎手でもあった。そしてナリタブライアンへの騎乗に関するエピソードとして、南井騎手は大久保正陽調教師に「ダービーを勝ったことがあるか」と問われ、ないと答えたところ「じゃあうちの馬に乗ってダービーを勝ってくれないか」と言われたと回顧している。
そして1994年の4歳クラシック路線から有馬記念までの大活躍により南井騎手は各方面からの出演依頼が続出。中でも「NHK紅白歌合戦」のゲスト審査員になったことは話題となった。
「NHK紅白歌合戦」は、その年に活躍した芸能人やスポーツ選手、作家などがゲスト審査員に選ばれることが多い。相撲界からは横綱、朝ドラに出演した芸能人、その年話題となった文化人、オリンピックのメダリストなどが出演する。その中の一人となったのだ。
紅白歌合戦においてJRA関係者が審査員となったのは南井克巳騎手が初めて(地方競馬では女性として日本初の平地騎乗となった高橋優子騎手が1971年に出演している)。
この時の審査員の顔ぶれを見てみると、当時オリックスに所属していたイチロー選手(この年NPB初の200本安打達成)、将棋棋士の羽生善治氏(94年に初の名人位獲得、竜王も獲得し六冠王)など錚々たる面々。裏を返せば、騎手が国民的番組に選出されるほど、ナリタブライアンの活躍が凄かったということだろう。
日本競馬史上に残る名馬たちの蹄跡を DVDとマガジンで完全収録
書籍名 | 《DVD付きマガジン》隔週刊 日本の名馬・名勝負 |
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創刊日 | 2024年9月10日 |
価格 | 創刊号 特別価格 490円(2号以降は通常価格1899円) |
発行間隔 | 隔週刊 |