[新馬戦回顧]メイクデビューの勝者達 - 2022年9月03日・04日

9月に入り、開催上今週までとなっていた今年の夏競馬も終了。
2020年産駒達の新馬戦も100戦を超えました。
ここでは先週開催された新馬戦で、世代全体のうち3割前後しか勝ち上がることができない狭き門を突破した2歳馬達をご紹介していきたいと思います。

2022年9月03日(土)

札幌5R 芝1500 晴・良 13頭

サラサハウプリティ

牝馬
ドレフォン×ハヤブサエミネンス
母の父:Medaglia d'Oro
所属:栗東)岡田稲男厩舎
生産:グランド牧場
鞍上:菱田裕二騎手
442㎏ 9番人気 3枠3番

2日に社台スタリオンステーションの2022年シーズン種付頭数の発表があり、今年の繁養馬で最も多い198頭に種付けしたことが判明したドレフォン。その2世代目産駒にあたるサラサハウプリティが、この世代のドレフォン産駒2頭目となる新馬勝ちを果たしました。

好スタートを決めたサラサハウプリティですが、先行争いには参加せず、1つ下がった位置で折り合います。
そのまま距離を詰めつつ4コーナーを回ると、開催が進み荒れている可能性を嫌ってか大きく開いた内側に進路をとり鋭い末脚を発揮。

道中ほぼ同じ位置でレースを進め、サラサハウプリティとは逆に馬群の外から差し切りを狙っていったダントツ一番人気のストレイトガール半弟アスクエピソードとの競り合いを最後は半馬身差で制しました。

勝ち時計は1分31秒2。
今後は距離延長を考えているとのこと。
横井良明オーナー、菱田騎手、岡田厩舎の3者にとっての記念すべき今年の新馬戦初勝利でした。

小倉5R 芝1200 雨・重 7頭

フロムダスク

牡馬
Bolt d'Oro×Foolish Cause
母の父:Giant's Causeway
所属:栗東)森秀行厩舎
生産:Springhouse Farm
鞍上:松山弘平騎手
498㎏ 1番人気 6枠6番

着実に存在感を増してきている藤田晋オーナーが、森厩舎のマル外馬で今年の新馬戦2勝目を挙げました。

7頭立ての6枠からのスタートとなったフロムダスクは抜群のスタートを決めるとそのまま先頭集団を形成。
最終コーナー辺りでは外から仕掛けてきた今村聖奈騎手騎乗の3番人気ヨウシタンレイが前に出る瞬間もありましたが、直線に入ってからも余裕が残っていたのはフロムダスクの方で、終始楽な手応えで1番人気に応えました。

勝ち時計は1分10秒1。
次走は未定とのことですが秋から冬にかけて、どの舞台に登場してくるか楽しみな1頭です。

新潟5R 芝2000 曇・良 7頭

ミヤビ

牝馬
リオンディーズ×ウインルキア
母の父:ディープインパクト
所属:美浦)尾形和幸厩舎
生産:オリオンファーム
鞍上:武藤雅騎手
412㎏ 1番人気 1枠1番

武藤「ミヤビ」騎手騎乗のリオンディーズ産駒「ミヤビ」が1番人気に応え、今年100頭目の新馬戦ウィナーとなりました。

1枠からゆっくりゲートを出たミヤビでしたが、ゲート試験の様子から陣営もこれは織り込み済みだったとのこと。すぐに外に出していくとスローペースにも助けられ3番手までポジションをあげてレースを進めます。
そのまま最終コーナーを回り直線へ。先行していたリチャ、2着馬メイショウカガとの競り合いを制して、最後は2馬身半差をつけました。

勝ち時計は2分07秒2。
最後までしっかり伸びる余力も感じられ、このあとは1度リフレッシュを挟むそうですがスタート含め成長に注目です。
武藤雅騎手と高橋文男オーナーのコンビは6月5日のモリアーナに続く、今年2度目の新馬戦勝利でした。

2022年9月04日(日)

小倉5R 芝1800 晴・良 11頭

トーアライデン

牡馬
マインドユアビスケッツ×ジョーヌダンブル
母の父:アグネスデジタル
所属:栗東)村山明厩舎
生産:トーア牧場
鞍上:中井裕二騎手
474㎏ 11番人気 8枠10番

高山オーナー、村山厩舎、トーア牧場、中井騎手。4者にとっての今年の新馬戦初勝利は、単勝165.3倍の最低人気からの激走であげられました。

外枠からのスタートとなったトーアライデンでしたが、ゲートを出ると抜群の行き脚を見せて先頭へ。
そのまま先頭でレースを進めます。
3コーナーに差し掛かるとリグレイアー、アウローラシエルらが進出してきて、そのまま馬群に飲み込まれてしまうかに見えました。
──しかし、直線に入りいよいよ並びかけてきたアウローラシエルに食い下がり、粘りを見せるトーアライデン。
見応えある競り合いの末クビ差前に出たところがゴールでした。

勝ち時計は1分50秒6。
調教から携わっていたという中井騎手。人馬共に自信になりましたというコメントも印象的な好レースでした。

新潟5R 芝1800 晴・良 13頭

テンカノギジン

牡馬
エピファネイア×モスカートローザ
母の父:ディープインパクト
所属:美浦)手塚貴久厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:戸崎圭太騎手
478㎏ 2番人気 5枠6番

2013年にアユサンで桜花賞を勝っている星野壽市オーナーが今年の新馬戦初勝利を挙げました。
同オーナーの所有馬であり2021年セントライト記念の勝ち馬アサマノイタズラと同様、群馬の郷土かるた「上毛かるた」から名付けられたテンカノギジン。序盤は後方2番手、馬群を後ろから見る形で3コーナーから4コーナーへと向かいます。

直線に向けて広がっていった馬群に対し戸崎騎手に促されながら最短距離を回りポジションを上げていき、曲がり切る頃には先頭争いの一角に立っていました。
荒れていない馬場の真ん中に進路を取りながら追い出されたテンカノギジンはここから力強くグッとひと伸び。
シエロエスティーボとの競り合いをクビ差で制しています。

勝ち時計は1分51秒1。
まだまだ緩さがありこれからの馬で、距離は伸びても良さそうとのコメント。
夏競馬も終わり秋から冬へ。どのような成長を見せてくれるか楽しみです。

新潟6R 芝1400 晴・良 18頭

コーパスクリスティ

牡馬
エピファネイア×レッドソンブレロ
母の父:キングカメハメハ
所属:栗東)中内田充厩舎
生産:ノーザンファーム
鞍上:池添謙一騎手
440㎏ 1番人気 8枠17番

ここまで毎週のように新馬戦を勝ちあがる産駒を出し、2歳馬のリーディングサイヤーとなっているエピファネイアの仔が、第5Rのテンカノギジンに続いてこの週最後の新馬戦となったこの第6レースも勝利を挙げました。

悪くないスタートを切ったコーパスクリスティでしたが、18頭立ての17番と外枠だったこともあり内から行った先行集団の後ろへ。
ここで気を抜きそうになったとのことでしたが、池添騎手の肩ムチに反応しやや掛かり気味な様子も見せつつグッと加速して持ち直し折り合います。
その後は最終コーナーを曲がりながら楽な手応えのまま外からポジションを上げていき、直線に入った時には5から3番手。
前に行った馬たちが下がっていくなか、最後まで余裕を感じさせる走りで押し切っていきました。

勝ち時計は1分23秒7。
数々の癖馬たちとコンビを組んできた池添騎手も気性面の課題を指摘しつつ能力を高く評価。
新たな名コンビ誕生となるか、今後の成長と走りっぷりが楽しみな1頭です。

以上、今週のメイクデビュー勝ち馬6頭を見ていきました。

この仔達がこれからどのような成長を見せてくれるのか、また秋競馬開幕となる今週末の新馬戦ではどんな仔達がデビューしてくるのか、週末を楽しみに待ちたいと思います。

写真:かずーみ、安全お兄さん

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