[京都大賞典]今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜日曜重賞編〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のビッグレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今日は阪神のメインレース京都大賞典から紹介したいと思います。

ディアマンミノル/アイアンバローズ/
ヒュミドール/オセアグレイト

京都大賞典に4頭の産駒を送り出すオルフェーヴル。その母の父はメジロマックイーンです。

下記の記事でも取り上げられていますが、1993年の京都大賞典でメジロマックイーンはレコード勝ちをおさめています。

当時のメジロマックイーンは7歳(現年齢表記で6歳)とベテランの域に突入しており、引退も頭をよぎる年齢になっていました。それでもメジロマックイーンは3連覇に挑戦した天皇賞春はライスシャワーに敗れたものの、2年前に獲れなかった宝塚記念のタイトルを獲得し円熟期に到達していました。

秋初戦の京都大賞典も「退屈」とも揶揄されるほどの好位追走から4角先頭と言う隙の無い競馬で3馬身半差圧勝。ちなみにその3馬身半差の2着馬レガシーワールドは1か月半後にジャパンカップを制覇するほどの実力馬です。

タイムの2.22.7はそれまでの京都芝2400mのレコードを2秒近く上回るタイムで2000年にビワハヤヒデの息子サンエムエックスが破るまでの7年間レコードを維持し続けました。

また、この勝利でメジロマックイーンは日本競馬史上初となる「生涯獲得賞金10億円超え」を果たし、改めて競馬史に名を刻みました。

先述の記事への反応をTwitterで検索したところ何件か「この時のメジロマックイーンなら凱旋門賞を勝てたんじゃないか」「メジロマックイーンが海外遠征してたら歴史が変わったかもしれない」と言うニュアンスのコメントがありました。その意見に首を縦に振りたくなるくらいの、本当に強い馬だったと思います。

また、昨日から少しずつ「ウマ娘に実装されていない馬」の紹介もしていこうかと思っているのですが、今日は先述したディアマンミノルの祖母イソノルーブルを紹介したいと思います。

イソノルーブルは競馬ファンから「裸足のシンデレラ」と呼ばれることがあります。その理由は1991年の桜花賞にあります。

イソノルーブルはデビュー前はそれほど注目されていた存在ではありませんでしたが、デビューしてからは連勝を重ね5戦無敗で桜花賞に挑むことになりました。しかし、1番人気で迎えた桜花賞のスタート直前、イソノルーブルの蹄鉄が外れていることが分かります。本来ならその蹄鉄を打ち直してスタートするのですが、元々気性の荒かったイソノルーブルはG1前と言う事もあり極度の興奮状態に陥っており、打ち直しが実質不可能な状態になっていました。

陣営は一旦馬場から厩舎に戻って打ち直しを求めましたが許可はおりず、結局蹄鉄を履かないままスタートすることになりました。結果は5着。「もし、蹄鉄を履いた状態で走っていたら」と思うファンも少なくなかったでしょう。

続くオークス。快足を飛ばして逃げる戦法だったイソノルーブルに2400mの距離は長いと判断されたのか、単勝は4番人気まで落ちていました。しかし、この時のイソノルーブルは落ち着いていました。好スタートを切ると大外枠から内に切れ込んで逃げると、道中は鞍上の松永幹夫騎手とがっちりと折り合いをつけて冷静な走りを見せていました。直線に入って一度は2番人気ツインヴォイス、3番人気スカーレットブーケ(ちなみにダイワスカーレットのお母さんです)に並ばれるものの、再度伸び返してリードをキープ。大外から迫る桜花賞馬シスタートウショウの追撃を振り切り見事オークスを勝利しました。

このように、イソノルーブルはドラマチックな物語を持った馬です。将来的にウマ娘にも実装されて欲しい競走馬の1頭です。

アリストテレス

父母、祖父母、曽祖父母の中に「ダービー・オークス2着以内の馬」が5頭もいる良血は去年の菊花賞2着馬アリストテレス。その5頭のうちの1頭はアリストテレスの曽祖父にあたるスペシャルウィークです。

先ほど紹介したメジロマックイーンとは違い、スペシャルウィークは京都大賞典にあまり良い思い出がありません。なにせ、生涯で唯一馬券圏外に敗れたレースがこの京都大賞典なのです。

この年のスペシャルウィークはAJCC、阪神大賞典、天皇賞春と好位抜け出しの安定感を感じさせる競馬で3連勝したものの、宝塚記念ではグラスワンダーに敗北。3着以下は7馬身差をつけたものの、対グラスワンダーを見ると逆に3馬身の差をつけられる「完敗」と言える内容でした。

復活を期した秋初戦京都大賞典。スペシャルウィークは春と同様、好位から4コーナーで前を射程圏にとらえる競馬。しかし、直線は全くらしさを感じさせない、伸びてくる気配がほとんどないままゴールまでなだれ込むようなレースで7着と惨敗。この負け方に「もうスペシャルウィークは燃え尽きてしまったのではないか」と言う声も出てきました。

続く天皇賞秋、調教では500万下、今でいう1勝クラスの馬に併走で後れを取りいよいよ「スペシャルウィーク限界説」の声も大きくなっていきました。そこで本番で陣営は2つの決断をします。

ひとつはダイエット。古馬になって以降は、ほぼ470キロ台後半~480キロ台で走っていた馬体重をダービーを勝った468キロに近づけることで本来の走りを取り戻そうと考えました。

もうひとつは作戦の変更。古馬になってからは「取りこぼしがないように」と好位から抜け出す王道の競馬をしてきたスペシャルウィークでしたが、天皇賞秋は本来の切れ味を生かす差す競馬を試みることになりました。

迎えた天皇賞秋。スペシャルウィークは京都大賞典から16キロ体重を減らした470キロで出走することになります。競馬のスタイルも道中後方で脚を溜める競馬で、溜めたエネルギーを直線で爆発させる道を選びます。

陣営の「諦めの悪さ」が実ったのか直線、スペシャルウィークは本来の走りを取り戻します。大外から、セイウンスカイなどを置き去りにした日本ダービーを思い起こさせるような鋭い末脚で馬群を飲み込み、ゴール寸前でステイゴールドを捕らえ天皇賞春秋連覇を達成。その走りはダービー馬の面目躍如と言った走りでした。

奇しくもアリストテレスの今年のローテーションはスペシャルウィークと全く同じ。アリストテレスにはスペシャルウィークが敗れたこのレースをしっかりと勝ってもらいたいところです。

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