今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(10/23,10/24)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計3頭の新馬を紹介します。

土曜阪神5R ナムラデイリリー/フェデフルール

土曜阪神5Rに出走する2頭のジョーカプチーノ産駒、ナムラデイリリーとフェデフルール。ジョーカプチーノの父、つまりこの2頭の祖父にあたるのが10月20日から育成ウマ娘として実装されているマンハッタンカフェです。

マンハッタンカフェは菊花賞、有馬記念、天皇賞春と長距離のG1を3勝。ウマ娘の育成でもスタミナのパラメーター上昇率が30%アップに設定されているなど、「ステイヤー」と言う点が強調されています。実際、長距離が得意なのは疑いようがないところですが、筆者が思うマンハッタンカフェ像はそれまでのステイヤーとは一線を画す「新世代のステイヤー」と言うイメージです。

それまでのステイヤー(例えばメジロマックイーンやスーパークリーク)はその豊富なスタミナを生かすべく、早めにレースを動かして辛抱が効かなくなった馬を脱落させていく、我慢比べを得意としていた馬と言う印象でした。

しかし、サンデーサイレンスと言う日本の競馬を大きく塗り替えた種牡馬の登場によって状況はガラリと変わります。サンデーサイレンス産駒の多くは直線のキレ、終盤の爆発力を武器としており、それまでの好位を取って早めに抜け出そうとする、言うなれば正攻法で勝とうと試みる馬たちを直線だけで差し切るという事が頻発しました。

その象徴的な出来事が1996年の菊花賞。サンデーサイレンス産駒のダンスインザダークが当時としては「究極の切れ味」と言われた上がり3F33.8で差しきり優勝。筆者はこの勝利で、ステイヤーに求められる条件に「スタミナ」だけでなく「切れ味」が加わったような気がします。

その「スタミナ」と「切れ味」を兼ね備えた「新時代のステイヤー」の完成形と言える馬がマンハッタンカフェです。

菊花賞、有馬記念、天皇賞春……、いずれもその長い脚を生かした大きなストライドで差し切り勝ち。その3レースの自身の上がり3Fタイムは34.0、33.9、34.1といずれも長距離戦としては速い上がりで、スピードとスタミナの両方でハイレベルなパフォーマンスを発揮した稀有な名馬と言えるでしょう。

マンハッタンカフェの血を引いた馬はこの2頭以外にも日曜阪神4Rのハイパーシーン(母の父がマンハッタンカフェ)もデビューを予定しています。ガチャでマンハッタンカフェを引けた人も引けなかった人も注目してみてはどうでしょう。

土曜東京5R カツミチャン

競馬ファンの間では南井なのか安藤なのかで意見が分かれそうな名前のカツミチャン。母の父はメジロマックイーンです。

メジロマックイーンが初めてG1を勝ったのが今から31年前の1990年菊花賞。この年のクラシック、常に中心にいたのは同じメジロの冠を持つメジロライアンでした。

メジロライアンは2歳(旧年齢表記で3歳)のひいらぎ賞、ジュニアカップ、弥生賞と3連勝でクラシックに駒を進めると皐月賞3着、日本ダービー2着と着実に成績を上げていました。とは言え、どちらも人気を下回る着順で「よくやった」好走と言うよりも「もう一歩足りない」と思わせるレースぶりだったのも事実で、「何としても菊花賞はものにしたい」と菊花賞に駒を進めました。

一方のメジロマックイーンは年が明けて2月と言う遅いデビューから、4着以下がない安定した成績で着実に力をつけ、ステイヤーとしての資質をゆっくりゆっくりと育んできました。

迎えた菊花賞、1番人気は前哨戦の京都新聞杯を快勝したメジロライアン。メジロマックイーンはダービー3着馬でセントライト記念を制していたホワイトストーン、スプリングS勝ち馬アズマイーストに次ぐ4番人気でした。

しかし、レースではその豊富なスタミナを生かすべく早め先頭に立ったメジロマックイーンが鋭い末脚を持つメジロライアン、懸命に食い下がるホワイトストーンの追撃を振り切り見事優勝。ここからステイヤーとしての資質を一気に開花させていきます。

1番人気のライアンではなく、4番人気のマックイーンが勝ったことから当時関西テレビで実況を担当していた杉本清アナウンサーは「メジロはメジロでもマックイーンの方だ」と実況しています。このことからも当時の期待値はライアンの方が高かったことがうかがえます。

ちなみにこの実況はウマ娘の育成シナリオでも固有実況として聞くことができます。

カツミチャンは兄に重賞2勝を挙げたフェイトフルウォーがおり血統的にも期待が出来る1頭。将来性は期待できる馬だと思います。

開発:Cygames
ジャンル:育成シミュレーション
プラットフォーム:iOS/Android/PC
配信:日本
利用料金:無料(一部有料コンテンツあり)
URL:
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