トレジャーアイル(牡2 父ミッキーアイル 母スーヴェニアギフト 美浦・宮田厩舎)
一口馬主のサンデーレーシングで総額2800万円(一口70万円)にて募集されたトレジャーアイルが、土曜日の東京5R・芝1400m戦でデビューします。
父のミッキーアイルは今年デビューの新種牡馬。現役時代は2014年のNHKマイルカップ、2016年のマイルチャンピオンシップを制しまています。デビュー戦こそ2着でしたが、その後はNHKマイルカップまで5連勝を達成しました。
母のスーヴェニアギフトはアメリカのG3レース・ランダルースステークス(ダート約1200m)を制し、G1レースのデルマーデピュタントステークス(ダート約1400m)でも2着に入った活躍馬です。産駒には京都牝馬ステークスを制したデアレガーロや函館スプリントステークス2着のシュプリームギフトがいます。その他にもアーリントンカップ3着のロワアブソリュー、朱鷺ステークスを勝ったベステゲシェンクなどコンスタントに活躍馬を送り出している名繁殖です。
これまで母のスーヴェニアギフトはディープインパクトやゼンノロブロイ、マンハッタンカフェなど様々な種牡馬と種付けを行いましたが、主に短距離で活躍する馬を出しています。ミッキーアイルとの配合では短距離に強いヌレイエフとの近親配合(4×4)が発生しますし、母方の血にはスピード色の強いミスタープロスペクターや底力勝負に強いリボーが入っていますから、兄弟以上に短距離路線で注目したい1頭だと思います。
モントライゼ(牡2 父ダイワメジャー 母ムーングロウ 栗東・松永幹厩舎)
一口馬主のキャロットファームで、総額3000万円(一口7万5千円)にて募集されたモントライゼが土曜日の阪神5R・芝1200m戦でデビューします。
父はダイワメジャー。 ダイワメジャーといえばコンスタントに活躍馬を送り出していて、POGでも評価の高い種牡馬です。母のムーングロウはイギリスで現役時代を過ごしましたが、未勝利に終わりました。しかし、ムーングロウの母ミスティックゴッドネスの子供にはイギリスのG1レース・ロッキンジステークス(芝約1600m)などG1レース2勝をあげたメディシアンがいます。
ダイワメジャーの代表産駒の1頭にアドマイヤマーズがいますが、アドマイヤマーズは父がダイワメジャー、母の父がメディシアン。アドマイヤマーズが朝日杯フューチュリティステークス、NHKマイルカップを制していることからも、血統が似ているモントライゼも芝1600m前後の距離に合いそうな気がします。
ヨカヨカ(牝2 父スクワートルスクワート 母ハニーダンサー 栗東・谷厩舎)
今年のJRAブリーズアップセールにて、岡浩二さんが1122万円で落札。九州産のサラブレッドとしては高額といえる落札価格でしょう。そんな九州期待の馬が、土曜日の阪神5R・芝1200m戦でデビューします。
父のスクワートルスクワートは現役時代、アメリカのG1レース・ブリーダーズカップスプリント(ダート約1200m)などG1レースを2勝しました。母のハニーダンサーは未勝利に終わりましたが、母方の曾祖母であるココットはジャパンカップなどを制したピルサドスキー、無敗で秋華賞・エリザベス女王杯を制したファインモーションの母として知られています。
今年のJRAブリーズアップセールでは、牝馬の平均落札価格が約900万円。九州産馬で平均落札価格を上回る価格で落札されたあたり、久しぶりの九州産馬による重賞競走制覇が期待できそうな馬かもしれません。
リナーシェ(父キングカメハメハ 母ヴェイパー 栗東・武幸厩舎)
一口馬主の広尾サラブレッド倶楽部が総額3560万円(一口1万7千8百円)で募集したリナーシェが、土曜の函館6R・芝1200m(牝馬限定戦)でデビューします。
半兄(父はスパイツタウン)のニルカンタテソーロは2戦目の函館芝1200mで勝ち上がると、1勝クラスで2着が2回と健闘しています。父がキングカメハメハに替わると、ミスタープロスペクターの近親配合(3×5)が入るのと同時に、名繁殖牝馬のスペシャルのクロス(5×5)が加わります。底力に秀でたスペシャルが加わることで距離適性の幅が広がる可能性もありますし、桜花賞やオークス戦線に向けて注目していきたい素材ではないでしょうか。
テネラメンテ(牝2 父ドゥラメンテ 母スターアイル 美浦・木村厩舎)
ミッキーアイルの母スターアイルと新種牡馬ドゥラメンテとの間に生まれたテネラメンテが、日曜の函館5R・芝1200mでデビューします。
スターアイルの現役時代は2勝。繁殖牝馬になってからはミッキーアイルの他にシンザン記念2着のタイセイスターリーを輩出したほか、全ての子供がPOG期間中に1勝以上をあげています。スターアイルの妹・アステリックスの子供にはNHKマイルカップを制したアエロリットがいる、勢いのある血統です。
父であるドゥラメンテは、現役時代の活躍を見れば、日本ダービーや皐月賞を制している中長距離馬です。ただ、スターアイルの子供を見ると、芝1600m以下の距離で勝ち星をあげている馬が殆どですので、短距離向きの馬ではないでしょうか。兄ミッキーアイルのように、芝1600mのG1戦線で注目したい1頭です。
レガトゥス(牡2 父モーリス 母アドマイヤセプター 美浦・木村厩舎)
木村厩舎における牝馬の期待馬がテネラメンテであるならば、牡馬の注目馬はレガトゥスが挙げられます。一口馬主のサンデーレーシングが総額7000万円(一口175万円)で募集した馬です。日曜の東京5R・芝1800mでデビューします。
父は今年、はじめての子供を送り出したモーリス。母のアドマイヤセプターは京阪杯で2着など、競走馬時代は5勝をあげました。 子供には、今年の京成杯で2着に入ったスカイグルーヴがいます。 また、母方の祖母アドマイヤグルーヴは自身がエリザベス女王杯を制し、子供には日本ダービーを勝ったドゥラメンテがいます。さらに曾祖母のエアグルーヴは天皇賞・秋を制していますし、その子供には種牡馬として活躍しているルーラーシップもいる、超良血馬です。
エアグルーヴの血を持つ馬は気性的に気難しい面を持っています。アドマイヤセプターもデビュー戦は強い内容で素質は確かでしたが、気性面の難しさが仇となって桜花賞には進めませんでした。徐々に気性が落ち着いていく血統でもありますので、長い目で見ていきたい馬です。
ホウオウアマゾン(牡2 父キングカメハメハ 母ヒカルアマランサス 栗東・矢作厩舎)
2018年のセレクトセール当歳馬部門で小笹芳央さんが1億5120万円で落札されたホウオウアマゾン。日曜の阪神5R・芝1600mでデビューします。
父はキングカメハメハ。 母のヒカルアマランサスは、2010年の京都牝馬ステークスを制し、同年のヴィクトリアマイルで2着に入った馬です。母方の祖母・スターミーの子供には、金鯱賞を制して天皇賞・春でも2着に食い込んだカレンミロティックがいます。
父キングカメハメハ×母の父アグネスタキオンという配合は、これまで「大物」と呼べるほどの活躍馬が出てきませんでした。しかしそれでもセレクトセールにて1億5120万円で落札されたあたり、馬体などに光るものがあるのでしょう。 父キングカメハメハ、母の父アグネスタキオンから見ると、瞬発力勝負よりも底力勝負に長けていると思います。どちらかといえばダートの方に適性があると思いますが、馬場が悪化した場合にはこの馬の適性が試されると思います。