今も駆ける スター"ウマ娘"の血を引く者たち〜今週の新馬戦(12/25,12/26)〜

巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。

実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。

そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。

今週は合計3頭の新馬を紹介します。

土曜阪神5R ラウドスピリッツ

阪神芝1800mで鮫島克駿騎手を背にデビューするラウドスピリッツ。おじに2001年の有馬記念を勝ったマンハッタンカフェがいます。

ここからは少し、アプリ「ウマ娘プリティーダービー」のネタバレ要素が含まれます。ご容赦ください。

アプリ「ウマ娘プリティーダービー」に登場するマンハッタンカフェ。彼女の育成イベントを進めていくとシニア級のクリスマス、有馬記念の直前にトレーナーと2人で食事に行くことになります。その際、マンハッタンカフェは自分と同じ名を持つ「マンハッタン」に対するあこがれを語り出し、マンハッタンに行ったら「ノンアルコール系のフィズを飲んだり、セレブを眺めたり」したいと言います。

実はこれにも元ネタがあります。それはマンハッタンカフェの妹。彼にはラウドスピリッツのお母さんにあたるマンハッタンフィズ、その2歳下のマンハッタンセレブと言う名の妹がいます。こんな血統好きの競馬ファンしか気づかないであろう小ネタを仕込んでくるウマ娘。本当に芸が細かいと思います。

ラウドスピリッツのお母さんマンハッタンフィズは、現役時代はデビュー戦を勝利したものの順調にレースを使う事が出来ず、3戦のキャリアで引退しています。しかし、母となってからその真価を発揮。2010年のクイーンC、クイーンSを制したアプリコットフィズ、2011年の京都新聞杯を制したクレスコグランド、2015年の函館記念を勝ったダービーフィズと3頭の重賞勝ち馬を輩出しています。繁殖としてはそのポテンシャルを引き継いでいると言えそうです。

ラウドスピリッツにはマンハッタンフィズ産駒4頭目の重賞勝ち馬を目指してほしいですね。

土曜中山6R ブラストワンダー

中山ダート1800mで丹内騎手を背にデビューするブラストワンダー。父は1998年、99年の有馬記念を連覇したグラスワンダーです。

グラスワンダーの有馬記念と言えば、1999年スペシャルウィークとの一騎打ちとなった有馬記念が名レースとして名高いですが、個人的には1998年の有馬記念も印象に残っています。

この年のグラスワンダーは前年の朝日杯3歳Sの勝ち方から「どこまで勝ち続けるのだろう?」と期待されていましたが、骨折により春は全休。復帰後は毎日王冠、アルゼンチン共和国杯と連敗し、骨折による能力の衰え、あるいは早熟説が囁かれていました。

そんな中行われた有馬記念。1番人気のセイウンスカイが逃げる展開。菊花賞で鮮やかな逃げ切りを決めたセイウンスカイに、警戒する陣営が多かったのかみな早め早めに動き始めました。3コーナーから4コーナー、これが引退レースとなるエアグルーヴは武豊騎手が促してやっと動くような手応え。その横を抜群の手応えで上がっていたのがグラスワンダーでした。

この手応えを見た瞬間、筆者はグラスワンダーの勝利を確信しました。それくらい他の馬とは前を追う推進力が違っていました。

このレースから「グラスワンダー伝説 第2章」が始まると言っても差し支えないレース。ウマ娘から競馬に入った人にも是非見てもらいたいレースです。

日曜中山6R ヴェスパーローズ

中山ダート1200mで和田竜二騎手を背にデビューするヴェスパーローズ。母の父はメジロドーベルの育成イベントに登場し、新たにウマ娘の一因に加わったメジロブライトです。

メジロブライトがデビューしたのは1996年8月の函館競馬場。出走馬6頭中6番人気と言う低評価をあざ笑うかのような差し切り勝ちで勝利をおさめています。タイムは2.01.6。この勝ちタイムを見ると「2000mのレースか。」と思われる方も多いと思いますが、実はこのレース芝1800mで行われたレースでした。

この芝1800m勝ちタイム2.01.6と言うのは1980年以降の芝1800mの勝ちタイムで最も遅い勝ちタイム、2分を超えるレースもこのレースしかありません。

「タイムが遅い」と言うのはともすれば「能力が低いのではないか」と思われる要素かもしれませんが、このメジロブライトに関して言えば「この遅いペースでもしっかりと折り合いがつく」「スローペースでも差し切れる末脚」を評価しても良いものだったのではないかと思います。

事実、その後のメジロブライトは1998年の天皇賞春を勝つなどG1戦線で活躍。この頃の競馬を代表する名馬となりました。

ヴェスパーローズの新馬戦はダート1200mなのでスローペースになる可能性は限りなく低いのですが、それでもその才能の片りんを見せつけてほしいところです。

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