巷で話題になっているゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」。
実際の競走馬をモデルにしたこのゲーム。登場するウマ娘たちの中に現役で走っている馬をモチーフとしたキャラクターはいませんが、子供、孫あるいは親戚にあたる馬が現役で駆けている例はたくさんあります。
そういった競走馬を「ウマ娘 プリティーダービー」から競馬を持った方々にも応援してもらいたい。そんな思いからこの「今も駆ける スターの血を引く者」では、ウマ娘にも登場するキャラクターのモデルとなった競走馬と血縁関係に当たる馬を、その週のレースからピックアップして紹介していきたいと思います。
今週は合計2頭の新馬を元に紹介します。
土曜東京2R エレディターレ
東京ダート1400mでデビューするエレディターレ。父の父は1991年、92年の天皇賞春を連覇したメジロマックイーンです。
ウマ娘にも登場するゴールドシップや、2011年に三冠を達成したオルフェーヴルなど、母の父としては種牡馬ステイゴールドとの組み合わせで多くの名馬を送り出してきたメジロマックイーン。しかし、自身の直系子孫からは活躍馬をあまり出せておらず、JRAの重賞を勝利した牡馬の産駒は2008年の目黒記念を制したホクトスルタンのみでした。
そのため「メジロマックイーンの直系の後継種牡馬」は数えるほどしかおらず、現役で種牡馬として供用されているのはエルディターレの父ギンザグリングラスただ一頭です。
ギンザグリングラスは競走馬としてはJRAで11戦1勝、地方公営競馬では大井、浦和、船橋、川崎の4場で98戦を走りぬき2勝を挙げました。引退後はメジロマックイーンの父系を残そうとする有志者が引き取る形で種牡馬入りを果たしています。メジロマックイーンの直系子孫が残るか否かはこのギンザグリングラスにかかっています。
産駒数は決して多くありませんが、メジロマックイーンの祖父にあたるメジロアサマも生涯19頭の産駒しか残せなかったもののそこからメジロティターン～メジロマックイーンと血を繋いだ「奇跡の種牡馬」。その遺伝力は再び奇跡を起こすかもしれません。
エレディターレはギンザグリングラスの4番目の子供にあたる馬で、母ラナチュールは先述したメジロマックイーン産駒の牡馬唯一のJRA重賞勝ち馬ホクトスルタンの妹にあたります。血統的な相性は良いと言えるのではないでしょうか。
また、ギンザグリングラスをモデルとした馳星周氏の小説「ロスト・イン・ザ・ターフ」が「オール読物3・4月合併号」から連載を開始する予定になっており、ウマ娘のブームも相まってエレディターレに対する注目度はさらに高まることが予想されます。
イタリア語で「継承する」と言う意味のエレディターレには、名は体を表すような活躍を期待したいところです。
土曜東京2R クォーツ
エレディターレと同じレースでデビューするクォーツは母方の血が豪華。曽祖父にフジキセキ、高祖父にナリタブライアンがいます。ナリタブライアンは1994年に今週日曜日に東京競馬場で開催される重賞共同通信杯を制しています。
1994年の共同通信杯は雪の影響で日曜から月曜に開催が順延。3歳(旧年齢表記では4歳)の若駒だけにその影響が心配されました。しかし、ナリタブライアンにとってそんな心配は杞憂。好位から直線抜け出す4馬身差の圧勝でクラシックに向けての年明け初戦を最高の形で飾りました。
前日に行われた京都記念では兄ビワハヤヒデがこちらも7馬身差の圧勝で制しており、多くの人が「今年はこの兄弟の年だ」と思ってのではないでしょうか。
奇しくも今年の共同通信杯は、「当日に雪(が予想されている)」「当初の開催予定日が2月13日」「同日に行われる京都記念の開催競馬場が阪神競馬場」とナリタブライアンが勝った共同通信杯と共通点が多いです。
また、降雪の影響でダート1600mに条件変更がされた1998年の共同通信杯ではエルコンドルパサーが勝利しており、「共同通信杯」と「雪」が重なるのは「スーパーホース登場」の前兆と言っても過言ではないかもしれません。
事実、今年の共同通信杯は朝日杯で3着、5着と掲示板に入る好走を見せたダノンスコーピオンとジオグリフ、東京スポーツ杯2着のアサヒ、新馬戦で豪快な差しきりを決めたダノンベルーガと「かなりハイレベルなのではないか」と言う評判です。
日曜日を楽しみに待ちたいところです。
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