1958年創設、今年で63回を迎える伝統の一戦。
創設時は1800mだったが1965年に2300mに延長され、2016年に2100mへと短縮された。
距離の変遷はあるが第1回から一貫して6月に開催されている。
6月は加賀藩藩祖、前田利家が金沢城に初めて入城した月であり、金沢市では毎年この月に市祭「百万石まつり」が行われている(今年は新型コロナ感染拡大防止の為中止)ため、それに合わせた重賞と言える。ちなみに百万石賞は金沢市営開催で行われる。
毎年この時期の競馬場は提灯に彩られ、百万石まつりで使用された甲冑を来た武者が誘導馬に跨って盛り上げている。
百万石賞は春の大一番とあって勝馬にはトラベラー、トゥインチアズ、ホシオ―、テンリットル、ビッグドン、そしてジャングルスマイルにナムラダイキチと金沢の名馬が並んでいる。
昨年の百万石賞
昨年の覇者はティモシーブルー。
この年の3月JRAの500万下から金沢に移籍し特別を4走して5着3着1着1着。勢いをつけて挑んだ初めての重賞の舞台。その勢いを買われて2番人気に支持された。
2周目の向こう正面で1番人気ナガラオリオンが早め先頭に立ち、中団後ろからレースを進めたティモシーブルーが追走し、最終コーナーで2番手に立つとマッチレース。
そのまま押し切りを狙うナガラオリオンをゴール寸前で捉え、半馬身差で優勝。初重賞を飾った。
今年の百万石賞
今年からトライアルの重賞、利家盃が創設された。その利家盃の1着〜6着と8着、10着の合計8頭が参戦。トライアルの再戦で、特に「2強対決」と言えるムードだ。
その「2強」の中でも利家盃を勝ったJRAの元オープン馬・サノサマーが中心になりそうだ。JRAでは2000m以上のレースでの活躍が多く、2100mの百万石賞は願ったり叶ったりの舞台。
ここは元JRAオープン馬の意地もあって負けられない。
もう一方、利家盃2着で前年優勝馬のティモシーブルー。サノサマーには2馬身つけられたが使われていくうちに調子が上がっていくような存在。金沢2100mは昨年のこのレース、同距離の白山大賞典でJRA勢相手に5着と相性抜群。連覇に照準を合わせて重賞3勝目を狙う。
他にも金沢移籍後安定的な成績を続け、ついに重賞の馬券圏内にまで入ってきた利家盃3着のトウショウデュエル、南関の2000m以上のレースで安定した走りを見せ、人気よりも上位に入ってくる利家盃4着サウスアメリカン、昨年のダービーグランプリ2着馬でハマると怖い利家盃8着タンクティーエーと利家盃からの巻き返しを狙う勢も多士済々。
金沢の上半期の大一番から目が離せない。