[日経新春杯]ヴェルトライゼンやヴェローナシチーら実力派が集結も、波乱の予感がするハンデ重賞! - 重賞プレビュー

今年は波乱も!? 新春のハンデG2に注目!

本日は、今年初のG2競走である日経新春杯が行われます。

過去10年で1番人気が7連対とハンデ重賞ながらやや堅い決着が多いレースですが、21年は7番人気のショウリュウイクゾが勝ち、2着に13番人気のミスマンマミーアが入って波乱の決着になりました。昨年も3着に9番人気のヤシャマルが入ったように、どうやら中京で行われる日経新春杯は波乱の可能性を秘めていると言えそうです。

そもそも、前年の古馬中距離重賞を戦ってきた馬たちは、春の大レースのためにこの時期は休養中のことが多いです。1月に行われる日経新春杯は、まだ実績の少ない明け4歳馬の実力馬や、前年に条件戦を勝った勢いそのままに重賞に挑戦した馬が斤量に恵まれて能力を証明するという馬が多く、過去10年の勝ち馬は全て日経新春杯が初めての重賞勝利でした。この点から、これまで重賞を勝てなかった馬、前走で条件戦を勝ってきた馬に注目すべきレースと言えるでしょう。

ただ、それらを踏まえても今年はその条件に該当する馬が少ないです。さらに馬場にダメージが蓄積され、今年から全体的に斤量増になってハンデ重賞もその影響が出ていることを考えれば、21年のように波乱の決着になる可能性が十分あると言えるでしょう。

日経新春杯 有力馬紹介

注目を集めるのは、前走ジャパンカップ3着のヴェルトライゼンデでしょう。

3走前の鳴尾記念では15か月ぶりの復帰戦で勝利し、オールカマーを経てジャパンカップで3着と、改めて力を証明しました。ただ、激戦のジャパンカップからあまり間隔が開いていないこともありますし、明け6歳で59キロの斤量は厳しい印象を受けます。D・イーガン騎手への乗り替わりを含め、不安要素が多いと言えるでしょう。

明け4歳馬、初重賞制覇を目指すという点で、ヴェローナシチーにも注目です。

春の京都新聞杯では2着、秋の神戸新聞杯では不利がありながらも5着と、今回と同じ中京芝2200Mで行われた重賞で健闘しています。このように重賞クラスの実力がありつつも、前走のグレイトフルS(3勝クラス)では2着に敗北。こちらは、ちょっと距離が長かったことも影響したのではないでしょうか。

今回は京都新聞杯、神戸新聞杯と同じ中京芝2200M、斤量も54キロと恵まれ、川田騎手騎乗と、好条件が揃いました。このレースで初重賞制覇という傾向に合致している馬と言えるのではないでしょうか。

明け4歳馬という点では、プラダリアも注目です。

昨年の春には青葉賞を勝利。ダービーでも5着と好走し秋の飛躍が期待されましたが、神戸新聞杯は8着、菊花賞は7着とちょっと物足りない結果に終わっています。特に神戸新聞杯は後の菊花賞のことを考えて控えめな調整になっていたのが裏目に出てしまった印象です。そこで調子を崩してしまった感もあったので、今回は改めて、立て直しての一戦となります。

すでに重賞を勝っていて、ダービー5着だった馬が56キロはやや恵まれた印象もあります。
調子さえ戻っていれば十分勝ち負けが期待できるでしょう。

キャリアの少ない実力馬という点では、ヤマニンゼストにも注目です。

未勝利戦を勝ち上がったのは5戦目と遅かったものの、2勝クラスのタイミングで挑戦した神戸新聞杯で2着と健闘。同レースの3着だったボルドグフーシュが後の菊花賞、有馬記念で2着だったことを考えると、今回と同コースの神戸新聞杯で先着していたのは十分な実績です。神戸新聞杯では決め打ちで内々にこだわったレースをしましたが、今回も他馬が外を回すのに対し、内々を捌ける可能性も十分ありそうです。武豊騎手の手腕に期待がかかります。

初重賞制覇を目指すという点ではロバートソンキーと伊藤工騎手も注目です。

コントレイルが勝った20年の神戸新聞杯ではヴェルトライゼンデとハナ差の3着と大健闘。その後はレース間隔を広げて大事に使われつつキャリアを積んできました。

3勝クラス時代に、昨年の天皇賞春に挑戦して7着と健闘。そして秋のオールカマーでは2着と、徐々に地力をつけてきた1頭です。同レースで勝ったジェラルディーナのその後を考えるならロバートソンキーも重賞を勝てる力があると言えます。

中京芝2200Mは3戦して2勝3着1回。しかも不良馬場での勝利もあるので、馬場適性もあると高いでしょう。
56キロの斤量も能力を発揮するのに十分。騎乗する伊藤工騎手ともども初重賞制覇の期待がかかります。コントレイル世代の6歳馬とこれまで重賞勝ちの無い伊藤工騎手のコンビで、感動の重賞初制覇……という感動的なシーンがあるかもしれません。

重馬場のハンデ戦という事で注目されそうなのがハヤヤッコです。

昨年末の中日新聞杯では57.5キロのトップハンデながらも5着と健闘。
ややハンデが厳しいと思われたのか12番人気でしたが、ハンデキャッパーの眼力通りトップハンデ馬としての力を見せたと言えます。今回は中日新聞杯の時よりも距離が延びて、馬場も水分を含んだタフな馬場になって、よりハヤヤッコに向くはずです。

今回の斤量は58.5キロですが、他馬も重くなっていると考えれば影響は他馬よりも少ないと言えます。週末の雨の影響が残るほど好走する可能性があると言えるのではないでしょうか。

ここまで、今年の日経新春杯について紹介してきました。

今年からの斤量増に加えて、馬場状態や馬の調子などを考慮してもすんなりいきそうにない今年の日経新春杯。先が楽しみな馬がいる一方で、不安もあって波乱の可能性も十分と言えそうです。ここでは6頭を取り挙げましたが、取り挙げなかった馬が激走する可能性も十分です。判断する部分が多いレースで非常に悩ましいですが、この記事が皆様の参考になれば幸いです。

写真:かぼす

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