[京成杯]少頭数ながらも粒揃い!第二のエイシンフラッシュ・キングカメハメハを目指す3歳馬たちが集結。 - 重賞プレビュー

15日の中山メインでは、3歳牡馬の中距離重賞・京成杯が開催されます。
今年の出走予定は9頭と、ちょっと寂しい頭数になりました。

昨年末に同コースのホープフルSが行われたこともありますし、春の大舞台を考えるなら少し使いにくい時期のレースと言えるのかもしれません。

ただ、過去の勝ち馬には日本ダービーを勝ったエイシンフラッシュがいますし、NHKマイル・日本ダービーをレコードで勝利し種牡馬としても活躍したキングカメハメハが唯一3着だったレースでもあります。

さすがにその2頭は特別過ぎる例かもしれませんが、21年の2着馬のタイムトゥヘヴンは後にダービー卿CTを勝っています。今年の皐月賞・ダービーに直結するレースかは別として、今年も後々の重賞戦線で活躍しそうな素質馬が揃った、注目のレースと言えそうです。

今年の京成杯は例年よりも注目度が高い?

今年の京成杯は例年よりも注目していただきたい一戦です。その理由は、大きく2点になります。

  1. 今年の3歳牡馬クラシック戦線が混戦であること
  2. 京成杯の出走馬が例年よりもレベルが高いこと

それでは、それぞれについて解説していきましょう。

1.今年の3歳牡馬クラシック戦線が混戦であること

その大きな要因として、例年クラシックで有力馬を輩出する昨年の東スポ杯組が、例年よりもやや苦戦しているという点が挙げられます。

過去の東スポ杯の勝ち馬と言えば、17年のワグネリアン、19年のコントレイル、20年のダノンザキッド、21年のイクイノックスと錚々たるメンバーですが、22年の勝ち馬であるガストリックは次戦のホープフルSで16着、東スポ杯3着のハーツコンチェルトも7着と大きく敗れてしまいました。

展開が向かなかったのは確かですが、少なくともワグネリアン、コントレイル、イクイノックスのように、明らかに世代トップクラスの力があるとは言えないのは確かです。それだけに、京成杯で強い勝ちっぷりを見せる馬がいれば、キングカメハメハやエイシンフラッシュのような活躍につながる可能性もあるのではないでしょうか。

2.京成杯の出走馬が例年よりもレベルが高いこと

こちらについては単純に、今年の京成杯に出走する馬たちの経歴を見ていけば明白かもしれません。

例年、時期的なこともあってか京成杯の出走馬は新馬・未勝利を勝ったばかりの1勝馬がほとんどです。

22年、21年は出走馬全てが1勝馬でしたが、今年の出走馬は9頭立てながらも2勝馬が3頭、重賞に出走した経験のある馬が5頭というメンバー構成。1勝馬が中心の例年とは違うので、先につながる可能性が高いと言えるでしょう。

実力馬同士のハイレベルなレースが期待できそうです。

京成杯 有力馬紹介

まずご紹介するのは、3戦2勝のセブンマジシャンです。

新馬戦では2番手から抜け出す勝利、2戦目の黄菊賞では大外一気の差し切る勝利と、センスの良さとスケールの大きさを見せました。

前走のホープフルS(6着)では展開負けもありましたが、多頭数で他馬が上がってきた時にかかってしまっていたことも敗因のひとつのようです。

その点、今回は前走より出走頭数が少なくなります。
マイペースで進めれば力を発揮できそうですし、ルメール騎手とのコンビで人気になるのは間違いないでしょう。G1のホープフルSでも3番人気だった同馬が前走から短いレース間隔で出走してきたことから、ここは勝負気配の高さを感じます。少なくとも、賞金を加算できる2着までには入りたいところではないでしょうか。
また、ホープフルSで6着だった同馬が今回どのくらい走るのか、ということでホープフルSのレベルを改めて検証する物差しにもなりそうです。

重賞実績という点ではシルヴァーデュークも注目です。
サウジアラビアロイヤルカップでは3着、デイリー杯2歳Sでは4着と、強敵相手に健闘しています。

今回は距離延長の一戦。未勝利戦では1800Mで0秒4差をつける完勝でしたので、距離延長が向く可能性も感じられます。さらに、スローからの決め手比べになるよりも、前半からある程度ペースが流れる中山の方が向きそうです。

まだ底を見せていないのが、2戦2勝のシャンパンカラー。

新馬戦では出遅れながらも上り3ハロン最速の33秒4の切れを見せて快勝。2戦目のベゴニア賞は逃げてそのまま押し切るというセンスの良さを見せました。今回は中山替わり&距離延長が課題と言えますが、この2戦で素質の高さを感じさせていますし、恐らく上積みもあるでしょう。ただ、前走クビ差で2着だったヒップホップソウルは先週のフェアリーSで1番人気ながらも11着と大敗してしまっている点は気がかりです。

同じく2勝馬のシーウィザードにも注目です。

2勝目の芙蓉Sは今回と同じ中山芝2000Mでの勝利。いわゆるスローからのヨーイドンでラスト600Mの切れ比べというレースで外から上がり最速で差し切る勝ちっぷりは、着差以上に強さを感じさせます。

前走のホープフルSは3,4番手を追走していましたが、直線で前の2頭についていけず9着と敗れてしまいました。残念な結果ではありましたが、今回は頭数が少なくなってマイペースで運べそうです。今回で3戦続けて中山芝2000Mを使うことになるのでコース経験は随一と言っていいでしょう。他馬よりも巧い立ち回りを見せてくれるかもしれません。

まだ底を見せていないという点では1戦1勝のソールオリエンスも注目です。

新馬戦はいわゆるスローからのヨーイドンで上り3ハロンからの切れ比べ。
2着馬と一騎打ちになり、3着馬を5馬身引き離しての勝利でした。

上り3ハロンは33秒3の素晴らしい切れも見せましたし、並んで伸びてきた2着馬を競り落とす勝負根性も見事でした。今回は中山替わり&距離延長、さらに前半からペースが流れる展開になれば対応できるか…という面がありますが、兄に20年の富士S勝ち、21年のドバイターフで2着だったヴァンドギャルドがいるという良血馬。このメンバーでも好勝負は可能ではないでしょうか。

最後に、展開を考える上での注目馬としてグラニットを紹介します。

サウジアラビアロイヤルカップでは大逃げを打ってそのまま粘っての2着と、大いにファンを沸かせました。同レースの勝ち馬ドルチェモアは次戦で朝日杯を勝利し、同レースで3着で今回出走するシルヴァーデュークに先着しています。乗り替わりとなった朝日杯FSでは10着と敗れていますが、今回はサウジアラビアロイヤルカップで騎乗していた嶋田騎手に戻ります。距離延長は向かないタイプかもしれませんが、思い切った逃げに出る可能性は高いと言えます。展開上では見過ごせない馬と言えそうです。

ここまで、今年の京成杯について紹介してきました。

例年、京成杯の勝ち馬は『皐月賞では同コースの京成杯で勝った〇〇に注目!』という事で穴人気するものの、期待を裏切られることが多かった印象があります。ですが、今年の京成杯は3歳牡馬路線が大混戦であること、京成杯の出走メンバーのレベルが高いことから例年とは違ったレース、その後の成績になりそうです。

加えてグラニットが飛ばして逃げる可能性もある以上、前半から持続的なペースが流れてレースの勝ちタイムも速くなりそうですし、各馬が力を出し切れるガチンコ勝負になりそうです。このレースから先につながりそうな素質馬が出てくる可能性があると言えますし、強い勝ちっぷりをする馬が出れば、一気に世代のトップクラスに割って入れる馬が出てくるかもしれません。

例年よりもハイレベルな今年の京成杯、『この馬はクラシックで好勝負できる!』という大物が出てくるのを期待したいですね。

写真:かぼす

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