[ダイヤモンドS]大波乱か、平穏決着か。長距離ハンデ戦にシルブロン、ウインキートスらが集結。 - 重賞プレビュー

過去には大波乱も。難解な長距離ハンデ重賞。

18日(土)の東京競馬場ではダイヤモンドSが行われます。長距離のハンデ重賞として長年行われてきたレースですが、インパクトが大きかったのが大波乱だった20年のダイヤモンドSでしょう。勝ったのは、単勝325.5倍の16番人気のミライヘノツバサ。3連単の払い戻しは355万5600円という超高配当となりました。

一昨年は7番人気のグロンディオーズが勝ち、昨年も2着に11番人気のランフォザローゼスが入ったように、近年は伏兵が馬券圏内に入る傾向を見せています。経験することが少ない長距離、大幅な距離延長に加えて、ハンデによる斤量差が各馬の能力比較を非常に難しくしています。加えて今年は全体的な斤量増もあり、より難解さがUPしたレースと言えるでしょう。

ダイヤモンドS 注目馬紹介

シルブロン - ルメール騎手で連勝中!3連勝で重賞制覇なるか!?

今の東京コースで注目すべきポイントのひとつは『ルメール騎手がどの馬に乗るのか?』という点でしょう。2月12日現在で、今の東京開催でのリーディングは18勝のルメール騎手。2位の戸崎騎手が7勝ですから、いかにルメール騎手が東京コースで勝っているかが分かります。加えて、18勝の内、芝のレースで13勝。東京・芝のレースでは断然の成績ですので、中心視するのは当然と言えます。

ダイヤモンドSで騎乗するシルブロンは、兄に豪州のコーフィールドカップ(G1 芝2400M)を勝ったメールドグラースがいる血統ですので、長めの距離は合うはず。東京コースで3勝を挙げているようにコース実績もあるので、ルメール騎手の腕が加われば中心視すべき存在でしょう。

55キロと重すぎないちょうどいい斤量で力を出せそうです。

スタッドリー - モレイラ騎手とのコンビで新境地を。

今週注目の騎手と言えば4年2か月ぶりに来日するJ・モレイラ騎手でしょう。23年に引退することを表明した同騎手。今回の来日はフェブラリーSに参戦する海外馬シャルーズスパイトに騎乗するのが主目的ですが、そこは世界の名手だけに、前日のダイヤモンドSでも騎乗依頼がありました。

スタッドリーは前走のAJCCで重賞初挑戦でしたが6着。今回は大幅な距離延長となりましたが、この距離に対応できる可能性は十分です。もしかしたらこれがモレイラ騎手にとって日本での『ラスト・マジック』になるかもしれません。名手の手綱捌きに注目したいですし、ルメール騎手との駆け引きも注目です。

ミクソロジー - 前走は3000Mでレコード勝ち!勢いそのまま4連勝で重賞制覇なるか?

勢いが止まらないのが3連勝中のミクソロジーです。2走前の2勝クラス勝ちの次は格上挑戦でOPの万葉Sを選択。格上挑戦にもかかわらず1番人気に推されました。道中はやや離れた中団の内目を進むと、3~4コーナーで一気に前との差を詰めて先行馬を射程圏に入れ、直線で交わすと最後は2着に2馬身差をつけての完勝でした。

53キロの斤量ながらもその勝ちっぷりはOPレベル以上の実力を感じさせるもの。重賞でも互角以上に戦える可能性は十分ですし、3000Mを越える距離でも不安がないのが強みです。ここでも、十分に力を発揮できるのではないでしょうか。

ウインキートス - 東京コースの長めの距離は適条件。引退延長の一戦は勝算あってこそか。

東京コースの長めの距離という事であれば、ウインキートスにも注目です。

21年には目黒記念での勝利がある同馬。このレース自体は前半がスローで2番手を追走するという展開に恵まれた勝利でしたが、翌年の目黒記念でも3着と好走。長めの距離で結果を出しています。

長距離のレースが少ないので、適鞍探しに苦労しているのは確か。2000Mや2200Mではやや距離不足だったと言えます。

現在の東京芝コースは速い時計が出る馬場ですし、道中はスローで流れての切れ比べになる可能性が高いので先行できる同馬が展開に恵まれる可能性も高いです。

重賞実績に乏しいメンバーが多いなかで、G2勝ちがあり、昨年もG2で3着が2回ある同馬は実績上位。うまく距離に対応できれば地力で押し切れる可能性もあるでしょう。

アスクワイルドモア - 長めの距離で一変を狙う4歳馬。

長距離レースが難解な点は、前走までずっと中距離を使っていたにもかかわらず、いきなり大幅な距離延長になってもしっかり対応して結果を出すという馬がたまに出現することにもあります。

このレースでそれを期待したいのが、アスクワイルドモアです。

昨年春の京都新聞杯を制してダービーに出走しましたが、その後は敗戦続き。前走の中日新聞杯では18着と大敗してしまいました。

一旦休ませて次に選んだのが3400Mのこのレース。3000Mの菊花賞では9着と結果が出ていませんが、出遅れながらも徐々に脚を使っていました。長めの距離適性があるのかもしれません。

今回騎乗するのは昨年11番人気のランフォザローゼスを2着に浮上させた田中勝春騎手。昨年は182回と少ない騎乗機械の中、3着内率がなんと約2割と好成績の大ベテランです。

乗り替わり、距離延長で一変する可能性もあるのではないでしょうか。


長距離のハンデ戦という難解な重賞ではありますが、今年のダイヤモンドSは、連勝馬同士の対決や名手の競い合いも注目のレースになったと言えるでしょう。

もちろん、大波乱のあるレースとして思わぬ伏兵が激走する可能性もあります。何が飛び出すか分からないレースなので、見て楽しめると思います。この記事が皆さんの参考になって、より楽しめるようになれば幸いです。

写真:かぼす

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