函館2歳ステークスってどんなレース?

1969年に函館3歳ステークスの名称で創設された3歳馬(現在の2歳馬)による重賞競走です。1997年に函館競馬場と札幌競馬場の開催順が入れ替わったことにより、中央競馬では最初に行われる2歳馬の重賞競走となりました。

地方競馬所属馬はホッカイドウ競馬の栄冠賞・ウィナーズチャレンジで1着となった馬に、本競走への優先出走権が与えられます。

函館2歳ステークスを制した馬

1982年の勝ち馬シャダイソフィア、1984年の勝ち馬エルプスは、翌年の桜花賞を制しました。また、1985年の勝ち馬ダイナアクトレスはG1レースこそ未勝利に終わりましたが、繁殖牝馬としては日経賞など重賞2勝をあげたステージチャンプなどを輩出。さらに孫には種牡馬として活躍しているスクリーンヒーローがいます。

さらに1997年の勝ち馬アグネスワールドはフランスのG1レース・ アベイ・ド・ロンシャン賞、イギリスのG1レース・ジュライカップを制しました。

今年の主な出走馬

モンファボリ(牝2 栗東・須貝厩舎 54Kg 武豊騎手騎乗)

函館芝1200m戦で2歳レコードの1分8秒7をマークしたモンファボリ。その勢いに乗って、重賞制覇を狙います。

父はG1レース10勝を含む14戦14勝を挙げた怪物フランケル。母のフォーエヴァーダーリンはアメリカのG2レース・サンタイネツステークス(ダート約1300m)を制しました。
また、母方の曾祖母のローミンレイチェルはジャパンカップなどG1レースを3勝したゼンノロブロイの母として知られています。

新馬戦を振り返ると、好スタートを切った後、自然と先頭に立つ競馬を披露。前半600mが33.6秒と速いタイムで逃げました。
直線に入っても、武豊騎手はムチも使わず、最後は無理に追わずに流すような感じでゴール。走破タイムの1分8秒7は同日に行われた3歳以上2勝クラスのSTV杯と0.2秒差と、高いパフォーマンスを披露しました。
新馬戦で2着に負かしたホーキーポーキ―は続く未勝利戦で勝ち上がるなど、レースのレベルも高かったと言えるでしょう。

ポイントとなるのは410Kg台と小柄な馬体のこの馬にとって、パワーが要る最終週の馬場がどう作用するかという点。
事実、例年の函館2歳ステークスでは前走時の馬体重が450Kg以上の馬の好走が目立ちます。
ただ、輸送がない分、馬体重に大きな変動がなさそうという点はこの馬にプラスでしょうら、
母がスピードとパワーが必要なアメリカの競馬で結果を残しているので、荒れた馬場もこなしてくれる可能性は高いです。

ルーチェドーロ(牡2 美浦・高橋裕厩舎 54Kg 横山武騎手騎乗)

函館ダート1000m戦で2歳レコードの58秒5をマークしたルーチェドーロ。こちらも重賞制覇を狙います。

父のマクフィはイギリスのG1レース・2000ギニー(芝約1600m)などG1レースを2勝をあげました。引退後はヨーロッパ並びにニュージーランドで種牡馬生活を送り、フランス2000ギニー(芝1600m)などを制したメイクビリーヴなどを送り出しました。
今年の2歳馬が輸入後、初年度産駒のデビューとなります。母のアラフネは2歳オープンのすずらん賞など、3勝をあげました。

新馬戦を振り返ると、好スタートを決めたのち先頭に立つ競馬。4コーナーで騎乗した横山武史騎手が促すとスピードアップと、こちらも最後はゴール前では無理には追わずに流すような感じでゴールしました。
走破タイムの58秒5は、同日の3歳未勝利戦と0.5秒差。最後は本気で追っていれば、恐らく58秒台前半のタイムでゴールしたはずです。

ポイントとなるのは芝への適性。
函館2歳ステークスで過去10年のデータを調べると、前走ダートで走った馬が3着以内になる確率は0%というデータがあります。
ただこの馬の場合、母のアラフネが洋芝の新馬戦とすずらん賞を勝っているので、同じ洋芝の函館の適性は高いと思います。
父のマクフィもパワーが要るヨーロッパのマイル路線で活躍した事を踏まえると、この馬も洋芝の短距離であれば結果を残せると思います。

レディステディゴー(牡2 栗東・浅見厩舎 54Kg 岩田康騎手騎乗)

阪神ダート1200m戦で勝ったレディステディゴー。こちらは函館へ北上して、重賞制覇を狙います。

父はダイワメジャー。母のレディトゥプリーズはアメリカのG2レースファンタジーステークス(ダート約1700m)を制しました。全姉にはキーンランドカップ(G3)を制したナックビーナスがいます。

新馬戦を振り返ると、好スタートを切ったものの、前に行く馬を見ながら4番手に待機するレース運び。前半600mのタイムが35.4秒と流れる中、4コーナーでは2番手に上昇しています。
鮫島克駿騎手がステッキを入れると加速し、前で粘るキュールエライジンを振り切ってゴール。
走破タイムの1分13秒4は標準的なタイムですが、レースセンスの高さを伺えるレースぶりでした。

ルーチェドーロと同様、ポイントになるのは芝の適性です。
ただ、全姉のナックビーナスが芝の短距離戦で活躍した事、父のダイワメジャーが芝で活躍馬を送り出している点から見ると、芝コースでの適性は高そうです。

カイザーノヴァ(牡2 栗東・矢作厩舎 54Kg 坂井騎手騎乗)

先週の土曜日の函館芝1200m戦で勝ったカイザーノヴァ。
強気の連闘で、重賞制覇を狙います。

父は安田記念などを勝ち、今年の新種牡馬モーリス。
母のステラリードは2009年のこのレースを勝った馬です。

先週のレースを振り返ると、スタートの出は良かったものの、後方9番手からレースを進める展開に。
4コーナーで狭い所を強引に割ってからの伸びは素晴らしいものでした。直線の短い函館の新馬戦で、直線一気で差し切る競馬はなかなか無いもので、ポテンシャルの高さが伺えます。
走破タイムの1分10秒2は馬場状態を考えても高いものだと思います。

ポイントは、若い2歳馬なので「連闘策がどう影響するか」でしょう。
ただ、管理する矢作調教師は2018年の安田記念を制したモズアスコットが連闘策で挑みG1タイトルを獲得した経験があります。
また、速い追い切り2本で臨んだデビュー戦は馬体に余裕があったことからも、1度使った上積みは大きいと思います。ジャパンダートダービーでダノンファラオに騎乗し、G1級レースを初勝利した坂井瑠星騎手とのコンビで一気に重賞制覇を狙います。

その他では、函館芝1000mのデビュー戦を57.6秒の好タイムで勝ったリンゴアメ(牝2 美浦・菊川厩舎 54Kg 丹内騎手騎乗)。函館芝1200m戦で1分9秒6の好タイムを出したフォドラ(牝2 栗東・牧浦厩舎 54Kg 亀田騎手騎乗)。東京の芝1400m戦で勝ち上がったグレイトミッション(牝2 美浦・菊川厩舎 54Kg 野中騎手騎乗)が出走します。また、ホッカイドウ競馬からはウィナーズチャレンジで1着となったラジアントエンティ(牝2 北海道・角川厩舎 54Kg 阿部龍騎手騎乗)が出走します。

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