ルヴァンスレーヴ、ワイドファラオ、ノンコノユメにゴールドドリーム。
ダートのG1を制しダート界の頂点に君臨するこれらの名馬たちには、ある共通点がある。
それは『ユニコーンステークスを制覇している』という点である。
3歳限定戦で一生に一度しか出走できない舞台であるユニコーンステークスを制するというのは非常に狭き門。ほとんどの馬がその後にダート界の主役へと成長したことからも、まさにダート王への登竜門と言えるだろう。
2020年のユニコーンステークスは、例年以上にレベルの高いメンバーが揃った。
主役を張ったのは、キャリア2戦の2頭。
カフェファラオとレッチェバロックだった。
カフェファラオは新馬戦で終始ペースを握り、2着馬に着差1.6秒を付けた圧勝劇を見せた。そして2戦目のヒヤシンスステークスでは出遅れがありながらも中団追走で勝利。
この2戦で全く違う競馬をしながらも完勝してきたという能力の高さは、レース前から世代屈指との呼び声が高かった。
一方レッチェバロックもレースを重ねるにしたがって評価を高めてきた馬だ。この馬はキャリア2戦どちらも逃げ勝っているが、そのどちらも着差は1.4秒以上の圧勝劇。さらに2戦目では前半3ハロン34.2というハイペースを逃げ勝つという圧巻のスピードを披露した。そのレッチェバロックが持つ、絶対的なスピード能力の高さにも期待が集まっていた。
レース概況
ユニコーンステークス当日は週中から降り続いた雨が残ったものの、馬場は稍重まで回復していた。
単勝人気はカフェファラオとレッチェバロックにデュードヴァンを加えた三つ巴の様相であった。この3頭がどのようなポジションで競馬をするのか、無観客競馬ながらも注目度が高まった一戦だった。
東京競馬場の芝コース地点から、レーススタート。芝コーススタートということもあって各馬スピードに乗ってポジションの探り合いを行ったが、飛び出したのはレッチェバロックだった。
持ち前のスピードを活かしてハナを切ったが、その番手につけたのは何とカフェファラオ。
そしてこの2頭が先頭・2番手のまま4コーナーを迎え直線へと入っていった。
3番手を追走したフルフラットが追いつき、瞬間、3頭が並ぶ。
3頭のたたき合いとなったが、そこから伸びてきたのは真ん中カフェファラオであった。
2馬身、3馬身と2番手以降を突き放す。
外から追い込んだデュードヴァンも寄せ付けず、ゴールイン。5馬身差の圧勝劇であった。まさに他の馬を寄せ付けないまでの圧勝劇。ユニコーンステークス史上最高メンバーとも呼ばれた戦いは、歴史に残る完勝で幕を閉じた。
各馬短評
1着 カフェファラオ
戦前の評価通りの能力を見せつけた。道中は2番手でレッチェバロックをマーク。そして直線に入ると収支楽な手応えで先頭に抜け出して完勝。
タイム・着差・内容と、全てにおいて3歳馬とは思えない規格外の強さであった。今後はどのような道を歩むのか。古馬との対戦も非常に楽しみになる一戦となった。
2着 デュードヴァン
単勝では3番人気に推されたデュードヴァン。レースでは後ろから3番手と後方追走の作戦に出た。最後の直線ではメンバー最速の上がり3F35.5の差し脚で2着に入線。
勝ち馬には離されたものの、上がり最速で追い込んだ脚はメンバー屈指のもの。古馬との対決にこの馬も注目していきたい。
3着 ケンシンコウ
2番手以降は差し合戦となったこの一戦だったが、最後3着に入ったのは単勝11番人気の伏兵ケンシンコウだった。
道中は中団を進み、迎えた直線では馬場の真ん中に進路を持ち出し終始伸び続けた。上がりタイムはカフェファラオと同タイムであり、伏兵ながらもハイレベルメンバーの戦いに食らいついた。
