[重賞回顧]若きタッグの連勝街道〜2021年・キーンランドカップ〜

8月最後の週末。札幌競馬場ではサマースプリントシリーズのキーンランドカップが行われた。

夏競馬も佳境を迎え、各シリーズのポイント争いも気になるところながら、秋のG1へ向けての大事な前哨戦とも言えた。このキーンランドカップも約1か月後に迫ったスプリンターズステークスに向けて大事な一戦。

夏の終わりが見える北の大地で、短距離戦線に凱歌を上げるのは誰か。

レース概況

このレースで注目に推されたのが、3歳馬メイケイエールであった。
チューリップ賞を制するなど能力面では世代屈指のこの馬。一方で気性面に課題があり、今回はそんなレース面での課題が払しょくできているかどうかに注目が集まった。そして重賞戦線でも堅実な走りを見せるミッキーブリランテ、葵ステークスからの連勝を狙う3歳馬レイハリアと人気の面では続いた。
ハンデ戦の戦いは果たしてどうなるか。

向こう正面でゲートオープン。
好ダッシュを決めたのはレイハリア。そのまま1馬身とリードを取りに行く。
続くのがカイザーメランジェにロードアクア。スプリント戦らしく前団はごった返した。

そしてメイケイエールもこの流れに乗って進出。少し掛かりながら先頭まで浮上した。

3コーナーにかかると後方にいたミッキーブリランテやエイティーンガールなどもまくり上げてきた。

迎えた4コーナー。メイケイエールが先頭で折り返し、直線に向いた。
直線に向くとすぐにカイザーメランジェがメイケイエールを交わして先頭に立つ
。外目からレイハリアとマイネルアルケミーがカイザーメランジェを追う。そして残り100m付近でカイザーメランジェの脚が鈍ると一気にレイハリアが前をとらえる。
追い込んでくるエイティーンガールやセイウンコウセイを振り切ってゴールイン。見事な重賞連勝となった。

各馬短評

1着 レイハリア (亀田温音騎手 3人気)

葵ステークス同様先行しての重賞制覇となった。ゲート好発を決めて先行態勢に入ったレイハリア。メイケイエールに先頭を奪われたが直線でしっかりと伸び脚を見せて差しきった。

鞍上と共に重賞2勝目を挙げ、短距離戦線に名乗りを上げた。

2着 エイティーンガール (横山和生騎手 7人気)

昨年のキーンランドカップを制したエイティーンガール。

道中は中団やや後ろを追走し、3コーナーから進出を開始。直線でも鋭い伸び脚を見せ、レイハリアに迫る2着となった。近走は中々上位に食い込めなかったが、得意の札幌で復活ののろしを上げた。

3着 セイウンコウセイ (勝浦正樹騎手 9人気)

G1馬セイウンコウセイが3着に食い込んだ。道中は先団を追走。後続が追い込んでくる中しぶとい脚で粘り、3着に粘り込んだ。約2年ぶりに馬券圏内に入着したセイウンコウセイ。G1馬の実力は8歳でも衰えない。

総評

キーンランドカップはレイハリアの勝利で幕を閉じた。
若武者亀田騎手と共に若き3歳牝馬の勢いは止まらない。

特に古馬との対決で勝利を挙げたことはレイハリアにとっては大きな財産だろう。
今後はG1でも活躍に期待したい。

写真:尚

あなたにおすすめの記事