3歳限定戦では、唯一のハンデ重賞であるラジオNIKKEI賞。
一昨年は菊戦線を盛り上げたフィエールマン・メイショウテッコンを輩出するなど、秋につながる一戦として夏の福島競馬の名物レースとなっている。
またハンデ戦らしく大混戦のレースが繰り広げられ、大波乱を呼び込むレースとしても知られている。
今年のラジオNIKKEI杯はトップハンデを予定していたキメラヴェリテが回避したため、トップハンデが54キロという超軽量戦でレースが行われた。その混戦の中、1番人気に支持されたのは52キロのパラスアテナ。
名手・武豊が惚れ込む牝馬が、牡馬相手にどのようなレースを見せるのかに注目が集まった。
レース概況
レース当日の福島競馬場は何とか雨は持ったものの馬場は稍重。
梅雨時期らしいレースコンディションとなった。
このレースでは、前のレースの落馬で騎手2名が交代。
結果的にはこの騎手の交代がレースを左右することとなった。
スタンド前でのゲートインを終え、レーススタート。
各馬好スタートを切る中、枠順の利を活かしたバビットがハナを切る。続いて外からはパンサラッサ、中からはアルサトワが続き先団はごった返す展開となった。
2コーナー辺りからグレイトオーサーが続き、ペースはよどみなく流れた。
そして小回りの3コーナー。各馬がアクションを起こし始める。
パンサラッサとルリアンが押し上げていくも、依然として楽な手応えのバビットが先頭のまま、直線に向いた。
内田博幸騎手の左鞭がうなる。バビットが先頭。
パンサラッサが追い詰めるも残り200mで突き放し、終始先頭を譲らなかったバビットが1着で優勝。
逃げて上がり最速を出す、まさに独壇場のレースを見せた。
このバビットは、前レースにて負傷した団野大成騎手に替わって内田騎手が騎乗していた。
まさに代打ホームランと言える、会心の逃走劇を披露した。
各馬短評
1着 バビット
レース前は伏兵という評価であったが、終わってみれば逃げて上がり最速を出す圧巻の逃走劇だった。
スタート好発から先手を奪い、そのまま突き放す競馬はまさに他の馬を寄せ付けない競馬。
鞍上の内田騎手も急遽の騎乗となったが、しっかりと結果を残した。
2着 パンサラッサ
逃げ先行で結果を残していたこの馬が、2着に入った。
レースではバビットの後ろにつけ、3,4コーナーから徐々に進出を開始。
一度は直線でバビットに迫るも、結局は突き放されての2着となった。
しかしあの強い勝ち方をした勝ち馬を終始追い回した競馬は、地力の証明と言えるだろう。
3着 ディープキング
単勝一桁台の馬たちで最先着は、この馬となった。
レースでは中団で待機し、直線で差し脚を伸ばして3着に。
この時の上がりは2位と、しっかりと差し脚を披露した。
この馬は以前、1勝クラスでもパンサラッサの2着と中々勝ちきれないが、それでも今後に期待できる内容であった。