秋競馬開幕週の中山競馬場。日曜日の重賞は秋競馬開幕戦としてはお馴染みの京成杯オータムハンデ。
サマーシリーズの最終戦にして秋への飛躍を誓うハンデキャップレースである。今年はフルゲート16頭が揃ったが、各馬思い思いの夢を抱いて挑んできた。果たして秋につながる勝利をつかんだのはどの馬か。
レース概況
このレースで1番の注目馬はグレナディアガーズ。
昨年の朝日杯フューチュリティステークスの勝ち馬で、この秋の大目標はアメリカ・ブリーダーズカップマイルと海外のビッグレースに定めた。
異国、アメリカへいい流れで挑むためにもこのレースで大敗は許されない。
そしてもう1頭の3歳馬バスラットレオンにも注目が集まった。
京成杯と同じコースで行われたニュージーランドトロフィーを制しているバスラットレオン。ここ2走は不本意なレースが続いているだけに、適距離に戻ったマイル戦でどのように戦うか注目が集まった。さらに重賞で安定感あるカラテも本命視された。
2コーナー奥からレーススタート。
スタートで流れに乗った各馬の先行争いに移る。
まずは真ん中からコントラチェックがハナに立つ。
連れてスマイルカナにマイスタイルと先行力を武器にする各馬が先団を形成する。その後ろにはもう1頭のG1馬ステルヴィオとグランデマーレが並び、差が無くスマートリアンが追走した。
人気のグレナディアガーズは中団、そしてバスラットレオンはなんと後方からレースを進めていた。
隊列は依然として縦長のまま4コーナーを迎え、最後の直線勝負になった。逃げるコントラチェックは楽な手応えでリードを広げにかかる。
2番手の一線からはスマートリアンにステルヴィオが追走し、グレナディアガーズは大外に持ち出した。
残り100mまでリードを保ったコントラチェック。このまま逃げ切りかと思った瞬間に馬場の真ん中から猛追する馬が現れた。
白い帽子のカテドラルがあっという間にコントラチェックに追いつき、そして差しきった。
馬群の中に居ながら勝機を狙っていたカテドラルが豪快に差し切って勝利を手にした。
各馬短評
1着 カテドラル （戸崎圭太騎手 7人気）
直線での豪快な差し切りで重賞制覇となった。中団やや後方でレースを進め、直線の勝負に出た。残り200mまで中々進路が取れなかったが、前方が開くと豪脚一閃。流石の走りでコントラチェックを差しきった。中山の坂でこの脚は仁川での本番でも脅威になるだろう。
2着 コントラチェック （大野拓弥騎手 12人気）
逃げたコントラチェックにとっては悔しい2着となった。好スタートから主導権を奪うと収支ペースを譲らず、直線でも後続をいったん突き放す力強さもあった。最終的には差されたが貫禄の逃げであった。得意の中山コースで穴を開ける走りを見せた。
3着 グレナディアガーズ （川田将雅騎手 1人気）
1番人気のグレナディアガーズは3着に入線した。直線で大外勝負にかけ、コントラチェックに迫った馬群と共に切れ味発揮。豪快な差し脚で意地の3着をもぎ取った。勝利こそならなかったがアメリカにつながる走りは披露できただろう。アメリカでの走りに期待したい。
総評
京成杯オータムハンデはカテドラルの勝利で幕を閉じた。
ハンデ戦らしく高配当決着となったが、思い思いのトライアルを戦えたと言えるだろう。普段とは異なった戦法をした各馬も今後への収穫を得られていれば今後も楽しみだ。
夢は仁川へ米国へ。秋競馬への期待が膨らむ一戦だった。
写真：かぼす
