[重賞回顧]初タイトルへ全速力〜2021年・ファンタジーステークス〜

いよいよ2歳戦線が本格化する11月。
初週のレースは2歳牝馬の1戦ファンタジーステークスだった。

いよいよ来月に迫る阪神ジュベナイルフィリーズに向けて、勝ち星をつかむのは果たしてどの馬か。

仁川の1400mを、若き牝馬が駆け抜ける。

レース概況

10頭立てとなった今年のファンタジーステークス。

しかしながらレベルの高いメンバーが揃った。何といっても小倉2歳ステークスの上位3頭が出走したことが挙げられる。勝利を挙げたナムラクレア、2着のスリーパーダと3着のアネゴハダと、いずれも牡馬をも競り落とした実力馬。さらに連勝を狙うウォーターナビレラやブチコの仔であるママコチャなどが初重賞制覇に向けて挑んだ。

向こう正面でのスタートはややばらつきのあるものとなったが、好スタートを決めた3番のナムラデイリリーが先頭に立った。追走には連勝狙うウォーターナビレラ、内からはナムラクレアにスマートプレジールと前段はひと固まり。ママコチャやアネゴハダも外目からジワリと進出してコーナーを迎える。

ナムラデイリリーが単騎逃げの展開で4馬身ほどのリード。
2番手以降は依然ごった返した中で直線に向いた。

直線に向くとウォーターナビレラとナムラクレアが、併せ馬でナムラデイリリーを追いかける。

伸びが良かったのはナムラクレアだが、2頭がナムラデイリリーを交わし去るとウォーターナビレラが盛り返してナムラクレアを差し返す。内外離れた2頭の追い比べは内から差し返したウォーターナビレラに軍配が上がってゴールイン。

名手・武豊騎手を背に初重賞制覇を成し遂げた。

各馬短評

1着 ウォーターナビレラ (武豊騎手 2人気)

直線激しい追い比べを制したウォーターナビレラが凱歌を上げた。

道中は2番手で逃げたナムラデイリリーから離れた位置に。直線では一瞬ナムラクレアに交わされたものの差し返しての勝利。

武豊騎手のムチに応えて、初めての重賞制覇となった。

2着 ナムラクレア (浜中俊騎手 1人気)

重賞連勝を狙ったナムラクレアは、3着となった。

道中は中団やや前でキープ。直線入り口では早めに抜け出し、一度は先頭に立つシーンもあった。
最後は差されての2着であったが、それでも力と貫禄は示せたレースとなった。

同じ舞台の大舞台でも、活躍が期待できそうだ。

3着 ママコチャ (藤岡佑介騎手 3人気)

白毛一族の遺伝子を汲むママコチャが3着となった。

大外枠とあって外々を回る展開となったが、直線では大外から伸び脚を伸ばして3着に食い込んでいる。

未勝利を勝ちあがっての初重賞挑戦ではあったがインパクトのあるレースは出来たことだろう。
次走も注目の的だ。

総評

ファンタジーステークスはウォーターナビレラが勝利を挙げた。

ナムラクレアとの見ごたえあるレースを見せ、見事な走りを見せている。仁川の急坂を乗り越えて連勝を重ねたことは次走への試金石になるだろう。ここから名牝への道を歩む馬はどの馬だろうか。

写真:RINOT

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