クラシック1冠目皐月賞と同じ中山芝2000mで行われる3歳重賞「京成杯」。

今やすっかり定着したクラシックの王道コースで行われるダービーロードへのチケット争奪戦。今年は12頭が出走した。過去にはダービー馬エイシンフラッシュなどを輩出した京成杯だが、今年ここからクラシックに名乗りを上げるのは果たしてどの馬か。

今年の京成杯の特徴は何といっても「連勝で重賞V」を狙った馬が多数という点だ。
出走馬12頭の内、前走勝って京成杯に臨む馬が何と9頭。さらに出走馬全頭が1勝馬という大混戦メンバーとなった。単勝万馬券の馬が不在という面でもその混戦模様がうかがえる。「すべての馬にチャンスあり」と思わせる──そんな京成杯となった。

レース概況

15時40分ゲートオープン。
12頭が揃ったスタートを切った。

先行力が持ち味のタイムトゥヘヴンが内からスッと出て、ポジションを伺う。
盛り返して前にとりつくのは新馬戦からの連勝を狙うタイソウとヴァイスメテオール。
その後ろテンバガーやグラティアスまであまり差が無く向こう正面へと入った。

結局先手を奪ったのはタイムトゥヘヴン。2番手にタイソウ、3番手にグラティアスと人気各馬が先団を固め、偶然にも馬番通りの位置取りとなった。

3コーナーで手ごたえが怪しくなったタイソウを、ヴァイスメテオールとグラティアスが追いかける。連れて後続各馬も前に迫って団子状態のまま直線に向いた。

逃げるタイムトゥヘヴン。
しかしそのタイムトゥヘヴンが外に膨れた隙を、ルメール騎手は見逃さなかった。

番手のグラティアスが進路をラチ沿いに向けて抜け出しを図る。必死にタイムトゥヘヴンが抵抗するがグラティアスが突き抜ける。内外離れた追い比べとなった直線は鮮やかにグラティアスが先頭でゴール板を駆け抜けた。

各馬短評

1着 グラティアス (C.ルメール騎手 1人気)

1番人気に支持されたグラティアスが新馬戦からの連勝で、初重賞制覇を成し遂げた。
道中のポジションは先行勢の前。しっかりとタイムトゥヘヴンをマークする位置となった。直線に向くとがら空きの最内をスルスルと上昇し、最終的には2馬身半の差をつけて完勝。
能力の高さに合わせてルメール騎手の手綱さばきも輝いたレースであった。

2着 タイムトゥヘヴン (M.デムーロ騎手 2人気)

持ち前の先行力を発揮したタイムトゥヘヴン。
道中は逃げの手を打ち、グラティアスに直線交わされたものの後続は完封。

この馬も未勝利戦からの連勝を狙った形だが大きな重賞2着となった。
ロードカナロアにキストゥヘヴンという超良血馬の戦いは、まだ始まったばかりだ。

3着 テンバガー (戸崎圭太騎手 6人気)

3番手争いをものにしたのは、5枠2頭の競り合いを制したテンバガーであった。
道中は5番手を追走。ごった返した後続各馬の中で外から上がり3位の脚で猛追した。1,2着馬とはやや差があったが、それでも長期休養明けの始動戦としては上々の結果だろう。

輸送面をクリアした点も大きい。新馬戦ではダノンザキッドに完敗したテンバガーが、リベンジを果たすためにもこの3着を踏み台に次のステップへと進む。

総評

連勝で重賞制覇を達成したのはグラティアスだった。
ルメール騎手は2週連続の重賞制覇となる。

グラティアスの姉は、一昨年の2歳女王であるレシステンシア。脚質は違えどポテンシャルは抜群のこの馬が東の主役候補としてクラシックへと挑んでいくだろう。混戦を極める2018年世代の戦いは、まだまだ続いていく。

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