競馬界で別れの季節となった2月最終週。
数々のホースマンの想いが交錯した1週間だったが、3歳戦では長距離リステッド競走すみれステークスが行われた。パワーと脚力を要する阪神2200mでどのようなレースが繰り広げられるのか。
レース概況
今年のすみれステークスは8頭立て。
その中で注目は大外のディープモンスターに集まり、単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推された。兄に毎日杯3着のダノンアレーがいる血統で、梅花賞からの連勝を狙う。
そしてオープンでも活躍を見せるグロリアムンディも人気に推された1戦だった。
レースは15時スタートだったが、発走前にアクシデントが発生。
ディープモンスターの右脚蹄鉄が外れ、打ち換えを行ったのだ。
その影響で発走が10分遅れたが、全馬問題なくゲートに収まった。
少頭数8頭のレースがスタート。
大外のディープモンスターがスタート直後に外へ大きく寄れたが、後方にとりついた。
先行勢は内枠の各馬が占め、テイエムタツマキとセファーラジエルとなる。サマーカナロアが3番手、人気の2頭は後方からのレースとなった。
3コーナーではばらけた馬群もひと固まりとなった。
徐々にディープモンスターがポジションを押し上げるも、先行勢がピッチを上げて応戦。
そのまま、広がって直線に向いた。
内枠の先行勢が粘るところに内からはエスコバルが迫る。しかし外からディープモンスターが差し脚を伸ばし、残り200mで一気に前を捉えきる。
後続からグロリアムンディとモンテディオが迫るも関係なし。
最後は武豊騎手が手綱を緩めてゴールイン。
上がり最速を記録しての勝利。まさに完勝といえる内容だった。
各馬短評
1着 ディープモンスター (武豊騎手 1人気)
見事連勝でOPクラスを制した。
発走前とゲートでアクシデントは合ったものの、難なくレースにとりついて豪脚を披露。坂を越えて他の馬を突き放す完勝だった。
鞍上の武豊騎手や友道康夫調教師が自信をもってクラシックに送り込む1頭。
間違いなくこの世代の中心を担う活躍を見せるだろう。
2着 グロリアムンディ (福永祐一騎手 2人気)
2番人気に推されたグロリアムンディが最後方から追い込んでの2着となった。
道中は追いあげながらも最後方を追走。4コーナーでも最後方と直線勝負に賭けたレースとなった。
結果は上がり2位の脚を見せて2着入線。
3歳離れした追い込みは力の証明と言えるだろう。直線の長いコースでの戦いが楽しみだ。
3着 モンテディオ (池添謙一騎手 6人気)
こちらも差し脚を伸ばしたモンテディオが3着となった。
道中は中団やや後方の5番手辺りを追走。4コーナーでディープモンスターに前へと出られたが後方のグロリアムンディと共に追い込んで3着へと飛び込んだ。
今週で勇退する松田国英調教師が最後に出走したモンテディオ。
見事下馬評を覆して上位に入り、松田調教師の花道を飾った。
総評
阪神競馬場のタフなコースで行われた3歳オープン戦は見事追い込みでディープモンスターが勝利を収めた。
デビュー時から評価の高かった馬だったが、OP勝ちでクラシック出走がいよいよ見えてきた。
このレースをステップに、飛躍の道へと進むだろう。