「road to the future」未来へ続く道。
このコーナーでは、週末のレースを勝ち上がった一口馬主クラブの2歳馬たちを取り上げていきます。
ここから、クラシック戦線や世代の各路線、古馬になって活躍する名馬がきっと現れるはずです。
今週はどのような期待馬が勝利を収めたのでしょうか?
12月7日(土)
■中山1R 2歳未勝利(牝馬限定)・ダート1,200m・1:12.0
ヴィンブルレー - キャロットクラブ
牝馬(1番人気)
父:ナダル
母:グリューヴァイン(母父:ゴールドアリュール)
厩舎:矢野 英一(美浦)
騎手:戸崎 圭太
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:60,000円(400口)
スタートは五分に出て、先行集団をマークするような位置でレースを進め直線に向きます。
4コーナーで前2頭が後続を大きく離す展開となり勝負あったかと思いましたが1頭鋭い末脚を披露し、ダート初挑戦で見事に初勝利をあげました。
母グリューヴァインもヴィンブルレーと同じキャロットクラブの出身馬。現役時代はダートの1,200m戦を3勝しています。
父ナダル×母父ゴールドアリュールの組み合わせはこれでJRAでデビューした5頭中4頭が勝ち上がりを果たしました。今年、新種牡馬としてデビューしたばかりのナダルですから、この成績は驚きです。
デビュー2戦は芝のレースで人気になりながら勝ち切れずにいましたが、血統的にもダートで変わり身を見せてくれました。母の距離適性を考えると1,400m位までかとは思いますが、この血の組み合わせですと、もう少し長い所まで期待をしたい気持ちもあります。
■中山2R 2歳未勝利・ダート1,800m・1:55.1
ルグランヴァン - G1サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:ルヴァンスレーヴ
母:カラフルデイズ(母父:フジキセキ)
厩舎:高木 登(美浦)
騎手:菅原 明良
生産者:社台コーポレーション白老ファーム(白老町)
一口価格:800,000円(40口)
道中は中団の前目につけ、3コーナーあたりから徐々に前に進出を開始。直線では一歩ずつ先に抜け出したオストラヴァを追い詰め、ハナ差抜け出したところがゴールでした。
デビュー戦でも後ろから良い脚を使えていただけに、こういった競馬が合っているのだと思います。
母カラフルデイズは2011年の関東オークスを制覇し、その後もダート1,800mの重賞で善戦を続けました。
今日の走りからは距離はこれ位からもう少し短くても良さそうです。まずは2勝目を目指し、その後は母の様にダートの重賞戦線での走りを期待したい1頭です。
■京都2R 2歳未勝利・ダート1,800m・1:53.9
カナルビーグル - キャロットクラブ
牡馬(2番人気)
父:リアルスティール
母:ソブラドラインク(母父:Include)
厩舎:音無 秀孝(栗東)
騎手:C.デムーロ
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:90,000円(400口)
少頭数の競馬になったこともあり、最初の1,000mが1分4秒1と超スローペースに。
結果として3コーナー以降で急激にペースが上がり、そこからは自力で突き放す一方。2、3着に8馬身。そこから後方はさらに大差がついていますので、今日は純粋に力が違いました。
母ソブラドラインクは亜国の3歳牝馬チャンピオンにも輝いた名馬。半兄ドゥレイクパセージ(父:ドゥラメンテ)は芝の中距離で2勝をあげています。
デビュー2戦ともに遅い流れの競馬が続きましたので、次走以降で速い流れになった際にも対応できるようだと、一気に未来が開けてくるのではないでしょうか。
■京都6R メイクデビュー京都・ダート1,800m・1:53.6
グランドプラージュ - G1サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:シニスターミニスター
母:ベルプラージュ(母父:キングカメハメハ)
厩舎:杉山 晴紀(栗東)
騎手:川田 将雅
生産者:追分ファーム(安平町)
一口価格:900,000円(40口)
スタートを決めると楽な手応えで先頭にたちますが、常に並走をされる形となります。
4コーナーで一気に突き放すと、追いすがるロッシニアーナに1馬身3/4の差をつけ新馬勝ちを果たしました。驚いたのは3着には2秒3もの大差をつけたこと。今日は前2頭が抜けていたということでしょうか。
母ベルプラージュは現役時代ダートの1,700m~1,800mで3勝をあげています。繁殖となってからは、初仔のロスコフがダートの1,800m~1,900mで3勝をあげ障害に転向後は8月に小倉サマージャンプを制しています。また半兄オペラプラージュもダート1,800mで2勝をあげています。
今日の走りや、母と半兄の成績を見ても現状はダート1,800m戦が一番合っていそうに映ります。決して楽な競馬ではなかったと思いますので、次走のパフォーマンスにも大いに期待がもてる勝利でした。
■京都9R エリカ賞・芝2,000m・2:00.6
ナグルファル - 社台サラブレッドクラブ
牡馬(1番人気)
父:エピファネイア
母:ランドオーバーシー(母父:Bellamy Road)
厩舎:杉山 晴紀(栗東)
騎手:坂井 瑠星
生産者:社台ファーム(千歳市)
一口価格:1,750,000円(40口)
少頭数の競馬になりましたが前半の1,000mを逃げ馬が1分1秒4のペースで引っ張り、2番手をキープします。4コーナーで前に並びかけるとあとは自分のペースで走るだけ。強い先行馬にこの競馬をされては後続は為す術がありませんでした。快勝という言葉以外見つからないレースです。
デビュー勝ちの際には、
「次走以降で早めに賞金を加算し、余裕をもって来春のクラシックを意識したい存在なのではないでしょうか」
と評した本馬。
これで次はオープンクラス。いよいよクラシック挑戦が見えてきました。
■中京9R つわぶき賞・芝1,400m・1:21.9
ルージュラナキラ - 東京サラブレッドクラブ
牝馬(7番人気)
父:アドマイヤマーズ
母:レッドアネラ(母父:カジノドライヴ)
厩舎:加藤 征弘(美浦)
騎手:岩田 康誠
生産者:坂東牧場(平取町)
一口価格:60,000円(400口)
スタートで遅れ、道中は最後方で4コーナーあたりからスピードに乗り一気に上昇開始。直線では他馬と競り合う形になりますが全く怯むことなく、見事な追い込み勝ちをおさめました。
デビュー戦の際には1,400m~1,600mくらいまでが良さそうと評価をしましたが、今日の走りを見ると1,400m戦により適性を感じました。もちろんペース次第ではマイル戦でも十分に戦えると思います。
デビュー戦は逃げ切り、今回は最後方で脚を溜めての差し切り、と両極端な競馬を披露。
これで2連勝となり次走ではオープンクラスでどの様な競馬を見せてくれるか楽しみです。
12月8日(日)
■中山2R 2歳未勝利・芝1,200m・1:08.6
マイネルステラート - ラフィアンターフマンクラブ
牡馬(1番人気)
父:ミッキーアイル
母:ルシェルドール(母父:オルフェーヴル)
厩舎:高木 登(美浦)
騎手:横山 武史
生産者:ビッグレッドファーム(新冠町)
一口価格:220,000円(100口)
ポンと好スタートを切るとハナにはこだわらずに2番手をキープ。道中は若さを見せる面もありましたが、スピード感良く最後は抜け出し4戦目での嬉しい初勝利となりました。
母ルシェルドールは現役時代は勝ち星をあげられませんでしたが、母になると初仔からいきなり3連勝で京王杯2歳Sを制し阪神ジュベナイルF3着のコラソンビート(父:スワーヴリチャード)を輩出。マイネルステラートは第2仔にあたります。
父がミッキーアイルにかわったことで距離は短めの方が良さそう。ですが、近3走でマイルを使われ馬券にも絡めているように、抑えがきくようになれば距離の幅は広がってくるかと思います。
■中山5R メイクデビュー中山・芝1,800m・1:49.4
バースライト - キャロットクラブ
牡馬(1番人気)
父:モーリス
母:エリティエール(母父:ディープインパクト)
厩舎:武 幸四郎(栗東)
騎手:浜中 俊
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:115,000円(400口)
スタートはゆっくりでレース序盤は後方に待機していたのですが、3コーナー手前で一気に加速し4番手争いまでポジションを押し上げます。そして4コーナーで浜中俊騎手が一気に追い出し、ラスト200mで先頭に並ぶと再度加速。1番人気の馬にこのレースをされたら他馬はお手上げです。
祖母は名馬にして名繁殖牝馬として名を馳せるジンジャーパンチ。母エリティエールもバースライト同様キャロットクラブで募集され芝1,800m~2,000mで3勝をあげています。
今日は若さが滲み出ていながら、これだけのパフォーマンスをしましたので伸びしろは十二分にあるでしょう。距離は牝系や同じ父×母父のジェラルディーナを考えても、まだ伸ばしても大丈夫だと思います。
■中山7R 2歳1勝クラス・ダート1,800m・1:54.1
ジャナドリア - サンデーサラブレッドクラブ
牡馬(2番人気)
父:ゴールドドリーム
母:ターシャズスター(母父:Spanish Steps)
厩舎:武井 亮(美浦)
騎手:横山 武史
生産者:ノーザンファーム(安平町)
一口価格:800,000円(40口)
スタートでは後手を踏み最後方からレースを進めます。向こう正面から進出を開始し、最後の直線では素晴らしい末脚を見せてくれました。休み明けでプラス16キロの馬体でしたが、一切心配無用で成長すら感じられました。
ターシャズスターの繁殖牝馬としての成績は素晴らしく、コンシリエーレ(父:ドレフォン)はカトレアS、オアシスSなどオープン・Lクラスで2勝し、サウジダービーでも3着でした。またエスメラルディーナ(父:Harlan’s Holiday)は2014年関東オークス、2015年には韓国のトゥクソムSを制覇しています。
デビュー戦の走り以上に今回はパフォーマンスをあげ、2,000m戦でも十分に勝負になるのではと思わせてくれました。もう1勝をあげ、次のステージで是非見てみたい逸材です。
※本記事内のクラブ名は愛馬会法人名を使用しています
写真:Aska、すずメ