こんにちは。徳澤泰明です。
今回は、高円寺にあるお店「東京酒馬場 なで厩」を紹介します。
いつも多くの馬好きが集まり、筆者も月に3〜4回はお世話になっている大好きなお店。
どのような思いで開かれているのか、オーナーの"なでさん"に聞いてみました。
それでは、いってみましょう!
数々の宝物、声で賑わう店内
筆者「本日は宜しくお願いします。今回、改めて色々なお話を聞くのを楽しみにしていました」
なでさん「宜しくお願いします。何でも聞いちゃって下さい!」
筆者「なで厩といえば、まず、店内に飾られた馬券やグッズの圧倒的な多さが特徴的ですよね。私もウマフリで珍しい競馬グッズを紹介する不定期連載をしており、色々な物を見にする機会があるからこそ、店内で少し酔いが覚める度、いつも目の前にある物の凄さに驚かされています。”おお!これは、よく見るとあれじゃないか!”と(笑) これらは、どのように集まっているのですか?」
なでさん「お店を始める前の話ですが、知り合いの板前さんと定期的にウインズに通っていた時期がありました。いつも決まったウインズの決まったテーブル集合で。そこには毎回お会いする見知らぬおじさん達がいらっしゃいました。名前も仕事も知らない人達ばかりですが、知らないうちに仲良くなりましてね。その中に競馬も好きだけどそれ以上にお話が大好きなおじさんがいまして。こっちは馬券買っているのにマシンガントークだったり(笑) ……とはいえ僕もお話が好きなので、馬券を買わずにお話を楽しんでいました」
なでさん「ある時、お互い馬券のコレクターということが判明しました。おじさんは自分以外の馬券コレクターに出会ったことがなかったようで、より一層話が弾みました。そしてそのおじさんは終活をしていて、誰かに自分の馬券コレクションを引き継いでほしいと考えていたようで"明日、同じ時間、この場所に来れるかい?"と。連絡先ももちろん知らず、口約束だけで疑心暗鬼のまま言われた通りに翌日行くと、両手にパンパンの紙袋をぶら下げて待っていてくれました。あまりに量が多かったのでその日は馬券投票しないでそのまま帰りましたよ(笑)」
なでさん「僕が集めていた馬券は感熱紙に代わってからの馬券でしたので、切符と同じ磁気の馬券、そして太い文字、有名な馬たちの名前、家に帰ってからずっと眺めていました。中身はもちろん、その出来事自体にも、何だかインパクトがありましたね。ありがたいことに、お店を始めてからはお客様がそれらの馬券を見て、色んな珍しい馬券やグッズを持ってきてくださる事も増え、どんどん店内が賑やかになってきました」
筆者「馬券だけじゃなく、カウンターを走り続けている馬のジオラマだったり、なでさん夫婦の一口出資馬の命名記念品だったり、なでさん手作りの変な馬の頭だったり(笑) 愛のこもった宝物が沢山ありますよね」
なでさん「メンコをいただいた時、どう飾るのが正解なのかわからず、発砲スチロールを削りだして馬の頭部を作り、メンコかぶせてトイレに飾りました。こちらはなで厩の2周年を記念して、お客さんが3Dプリンターで作ってくれました。他にも、周年を祝して有志のお客さんが高知で協賛レースを開催してくださったり、モノや思い出話がどんどん増えています」
筆者「お客さんがお店に置いていった物をキッカケに、また別の色んな人との会話が広がっていったり、誰かの思いつきが自然とイベントとして形になっていったりしますね。でも常連さんばかりというわけでもなく、新規のお客さんでもウェルカムな雰囲気が全面的に漂っているからこそ、色んな人にとって居心地の良い場所になり続けていくんだろうなと思っています」
なでさん「人に支えられて続けられているお店だと実感しております」
「楽しい」はもちろん、「美味しい」も大切にしたい
筆者「なでさんって映像関係のお仕事もされているんですよね。大晦日に行われた格闘技や、コンサートの映像だったり……」
なでさん「はい。そちらの仕事の関係もあり、今はお店が不定休という事もあります。ただ、”片手間でお店をやっている”と言われたり思われたりするのは悔しいですし、他のお店の人に失礼なので、こっちもこっちで、全力、本気でやっていますよ」
筆者「そうですよね。それは、お酒や料理のメニューを見ても、ヒシヒシ伝わってきます。何より、一口食べればすぐに分かりました。お店側の、こだわりやスタンスなども改めて教えてほしいです!」
なでさん「“競馬居酒屋”として、美味しく、そして楽しんでもらえたらと思っています。もちろんお酒が苦手な方も大歓迎ですよ。”晩御飯を食べに寄る”ような感覚で来てくださるのも嬉しいです。どんな方でも、まずは”場”を楽しんでいただければ何よりです」
筆者「今、いただいている”マグロあご塩焼き”も、適度な塩っ気がお酒によく合って美味しいです。私の下手な写真で恐縮ですが、脂トロトロで、かつ肉肉しい感じが伝われば幸いです。禁酒期間中に何度か来た時も、オススメのノンアルコールビールや青森の農家さん直送の美味しいリンゴジュースを出していただいたりして、”お酒を呑まなくてもこんなに美味しく楽しめるのか”と改めて勉強させていただきました」
磁場のように楽しい人が集まって「縁」が繋がっていくお店
筆者「何だか磁場のように、人との繋がりや縁を引き寄せて、磁力を高め続けているお店ですよね。私も、なでさんとたまたま歳が同じだったり、ウマフリで連載している『馬が合う猫』という不定期連載でお世話になっている牧場さん(HorseSpace紡)で、なでさんが昔お手伝いをしていたのを後から知ったり、ずっと会いたかった方と店内でバッタリお会いできたり。色々なご縁を感じています。ウマフリ編集長の緒方さんも、お店が始まる直前、看板を作っていた頃に偶然通りかかってお話されていたとか」
なでさん「そうなんですよね。あの時はオープン前日なのに全然準備が間に合ってなくて。確か看板取り付けている時? だった気がします。あれから2年ちょっと、まさかこうしてウマフリさんで紹介してもらえる日が来るとは思ってもいませんでした」
筆者「今回ご紹介する事で、お店に興味を持つ方が増えて、僭越ながらもっとこの輪が広がる一助となれれば私も嬉しいです」
姉妹店「Rinqride(リンクライド)」をオープン!
なでさん「最近、姉妹店のRinqride(リンクライド)をオープンいたしました。基本貸し切り専用のお店で、ここ(本店)のすぐ近くです」
筆者「本当、すぐ近くですよね。徒歩1分くらい(笑) 誰にも邪魔されない隠れ家みたいな感じというか、旅館でいう”離れ”みたいな印象もあります」
なでさん「姉妹店の方は観戦に特化した作りで、なで厩より大きなモニターやLEDが吊ってあります。座りだと15人程入れます。料理は、なで厩から岡持ちでデリバリーしています。なで厩イーツです笑」
筆者「なで厩は"なで肩のなでさんの厩"の略ですが、姉妹店のRinqrideはどのような由来なんですか?」
なでさん「“なで厩”と同じ語呂・語感にしたくて[Q]か[9]を入れることを最初に決めていました。[Rinqride]は造語で“会場が一つに繋がる満場一致の神騎乗”という意味を持たせています。なで厩と同じ語呂で“リンQ(りんきゅう)”で浸透すると嬉しいですね」
筆者「他に、これからやりたい事などありますか」
なでさん「コロナ禍でまだ難しい部分はありますが、お店を飛び出して“出張なで厩”とかできたら楽しそうですよね。あとはみんなで牧場見学とか乗馬とか」
筆者「もう、ワクワクとお酒が止まりません(笑)。是非、一緒に参加させていただきたいです。
また今後とも、馬や格闘技、音楽や猫など、色々な話を沢山させていただければと思います。今日も楽しいお話、そして美味しいお料理とお酒、有り難うございました」
なでさん「有り難うございました」
いかがだったでしょうか?
GIレースの距離に応じて価格・豪華さが変わるお弁当メニュー(2021年度実施)、GIの週限定のオリジナルコースターが付いたセットメニュー(2022年度実施中)、酔っ払ったお客さんの名言?(迷言?)集(筆者の「猫愛馬愛」も)、出資馬が勝った時にいただける「金の卵」など、お店の工夫や楽しさ、雰囲気が伝わりそうな写真を以て、今回の記事を締めさせていただきます。
気になった方は、HP等をご確認の上、是非お店へ足を運んでみて下さい。
それでは、また!
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東京酒馬場 高円寺 なで厩
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