[今週の競馬]いよいよ春のG1シーズン開幕! 尾張の舞台で電撃の6ハロン戦、高松宮記念が開催

今週で3月の競馬は終了となるが、それと同時にここから4週連続でG1競走も開催。春の短距離王を決める戦い、高松宮記念を皮切りとし、大阪杯、桜花賞、皐月賞と大レースが続いていくことになる。果たして、芝のスプリント路線の王者に立つ馬は誰になるか。

また、中山ではダートグレード競走のマーチステークス、阪神ではクラシックレースへの東上便となる毎日杯が行われる予定。いよいよ春競馬への機運も高まりつつある時期となってきた。

○高松宮記念 春を告げる尾張名古屋の電撃決戦

高松宮記念(G1)
日曜中京11R 15:45発走
芝1200m(左)サラ系4歳以上限定 オープン 別定
本賞金 1着17000 2着6800 3着4300 4着2600 5着170(万円)

■レースの歴史、位置付け

1967年から砂の2000m戦で行われていた中京大賞典が、1971年に高松宮殿下から優勝杯を賜ったのを機に高松宮杯と改称。距離も芝2000mに変更され、そこからしばらくは夏の中距離路線のキーレースとして開催されていた。この時代の優勝馬にはオグリキャップやナイスネイチャ、マチカネタンホイザなど、中長距離路線で活躍を遂げた馬たちが立ち並ぶ。

G1格となったのは1996年。短距離路線の整備により距離を1200mに短縮して施行され、中央4場以外で初のG1競走が開催される運びとなった。初年度から三冠馬ナリタブライアンの参戦などもあって話題は集中。

1998年から現名称となり、2000年から現行の3月開催に。以降は春のG1シーズンの始まりを告げる1戦として定着している。

■前年のレース模様

悲願のG1初制覇を目指すナムラクレアが1番人気に推されたが、差のない2番人気に前年の香港スプリントで3着と好走したサトノレーヴが続き、オッズは2強体制となっていた。

ゲートが開くとビッグシーザーが逃げを打ち、そのすぐ後ろに秋春スプリントG1連覇を目指すルガルが追走。600mの通過タイムは33秒8とかなりのハイペースで進んでいき、直線は後方に控えた馬たちの末脚比べに。最後は外に持ち出されたサトノレーヴが前を行く馬たちを撫で切り、同じく後方から追い上げたナムラクレアを3/4馬身差抑え切って優勝。初のG1タイトルを獲得した。

■今年の出走馬

昨年の覇者であるサトノレーヴはもちろんのこと、スプリンターズステークスを制したウインカーネリアンにリベンジを狙うママコチャ、NHKマイルカップ馬のパンジャタワーと4頭のG1馬が参戦。

さらに彼らのみならず、昨年はブリーダーズカップにも遠征したインビンシブルパパや、快速ピューロマジックなどの実力馬も多数エントリー。例年以上の混戦模様となりそうで、どの馬にもチャンスがありそうな雰囲気だ。

そのなかでも一番の注目馬はやはりナムラクレアだろう。これが11度目のG1レース出走にして、正真正銘のラストラン。今回は小倉2歳ステークスから5歳のキーンランドカップまでコンビを組み続けた浜中俊騎手に手綱が戻る。これまでG1格では2着3回、3着4回と幾度も涙を飲んできた彼女が、果たして最後の最後に大団円を飾ることはできるか。

○日経賞 天皇賞(春)へ続く東の伝統重賞

日経賞(G2)
土曜中山11R 15:45発走
芝2500m(右)サラ系4歳以上限定 オープン 別定
本賞金 1着6700 2着2700 3着1700 4着1000 5着670(万円)

■レースの歴史、位置付け

1953年に芝3200mの競走として創設された日本経済賞が本競走の前身で、現在の名称となったのは1979年。夏の時期に開催されていた前身時代は有馬記念と相性が良いレースで、ハクチカラやオンワードゼアといった馬たちが始動戦としてこの競走を勝利した後、同年の暮れにグランプリを制している。

1984年に春開催に施行時期を移して以降は天皇賞(春)に向けた重要な前哨戦となっており、2014年からは1着馬に同競走の優先出走権が付与されるようになった。

2022年の勝ち馬タイトルホルダーはここをステップに本番も勝利。余勢を駆って臨んだ宝塚記念も制したことで、4歳春シーズンを全勝で終えた。翌23年も出走して勝利。連覇を達成している。

■前年のレース模様

1番人気に推されたのは前年の菊花賞馬アーバンシック。2,3番人気のマイネルエンペラー、マテンロウレオは7倍台だった一方で、1倍台の抜けた支持を集めていた。

午前中から降っていた雨は止んだものの、曇天の下でスタートが切られた1戦はバビットがハナを切り、1000m通過が63秒というゆったりしたペースを作る。それをリビアングラスとマイネルエンペラー、マテンロウレオが追走し、やや出負けしたアーバンシックは後方から進めて行く。

最後は勝負所で外に持ち出したマイネルエンペラーが坂の手前で先頭に立つと、追撃してきたチャックネイトやアーバンシックを抑え切って勝利。オープン昇級2戦目で重賞初制覇を飾った。

■今年の出走馬

昨年の有馬記念で2着に好走したコスモキュランダが復帰戦を迎える。過去10年、同レースを連対した馬は翌年の日経賞で【1-1-0-0】と好成績。コスモキュランダ自身、中山コースも【1-5-1-2】と相性は良く、春シーズンへの弾みをしっかり付けたいところだ。

また、同じ有馬記念組ではミステリーウェイにも注目。2走前のアルゼンチン共和国杯では巧みな逃げで後続を封じ込めた。若手の注目株である松本大輝騎手がどのようにレースを組み立てて行くかという所にも期待したい。

○毎日杯 皐月賞、そしてその先に繋がる夢舞台へ

毎日杯(G3)
土曜阪神11R 15:45発走
芝1800m(右・内)サラ系3歳 オープン 定量
本賞金 1着4100 2着1600 3着1000 4着620 5着410(万円)

■レースの歴史、位置付け

創設は1954年。当初はハンデキャップ競走として開催されていた。翌年に別定競走となり、1970年までは6月の芝2000m戦で施行。この年の勝ち馬ダテテンリュウが秋には菊花賞を制し、毎日杯出身の重賞勝ち馬として初のクラシックホースに輝いた。翌71年に施行時期を3月に移し、以降は春のクラシック競走に向けた重要な1戦となっている。

プレップレースとなっている以上優勝馬は牡馬クラシックでの活躍も多いが、設立から50年近くダービー馬だけは誕生していなかった。だが、2004年にキングカメハメハがこのレースからNHKマイルカップと日本ダービーを連勝。これにより、毎日杯の出身馬が3歳牡馬の出走可能な世代限定のG1レースを完全制覇という記録を作った。

ちなみに、3月に開催される3歳牡馬クラシックの路線に組み込まれている重賞競走では、2026年3月時点で弥生賞の勝ち馬のみまだNHKマイルカップの制覇がない。

■前年のレース模様

シンザン記念を制したリラエンブレムがやや抜けた1番人気に支持されており、それにジュニアカップを勝利したファンダム、京成杯で入着を果たしたキングノジョーが続いていた。

スタートからガルダイアが先手を取り、道中で息を入れたことでゆったりしたペースで進んで行く。直線でもその逃げ脚は鈍らずに追いすがる2番手集団を突き放して勝ち切るかと思えたが、大外から異次元の末脚で飛んできたファンダムが一瞬のうちに交わし去って先頭へ。メンバー中唯一の上り3ハロン32秒台を繰り出して、新緑の府中へ夢をつないだ。

■今年の出走馬

登録時点では10頭と小頭数だが、そのうち9頭が1勝馬。クラシックに向けて賞金を積みたい実力馬たちが顔を揃えた。シンザン記念で3着と敗れたアルトラムスがその筆頭か。前走はややスタートで出負けした分最後は届かなかったものの、その切れ味は折り紙付き。ここでしっかりと好走し、クラシックに向けての視界を晴らしておきたいところだろう。

また、登録馬では唯一の牝馬であるアンジュドジョワは、もしここを制すれば1963年のパスポート以来66年ぶりに牝馬が同レースを勝利することとなる。リーディングでも上位につけている福永祐一厩舎の所属だけに、一気にスターダム候補へ駆け上がる可能性も十分にあるのではないだろうか。

○マーチステークス 船橋法典から大井まで続く砂塵のロード

マーチステークス(G3)
日曜中山11R 15:25発走
ダ1800m(右)サラ系4歳以上 オープン ハンデ
本賞金 1着3800 2着1500 3着950 4着570 5着380(万円)

■レースの歴史、位置付け

創設は1994年と、レースの歴史は比較的若い。東日本大震災の影響により4月の阪神に代替となった2011年以外は全て現行の条件で開催されており、同時期に地方で行われる黒船賞や川崎記念と同様、かしわ記念や帝王賞に向けて重要な役割を果たすレースである。だが意外にもマーチステークスからG1級競走を制したのは2009年のエスポワールシチーが最初で、それ以外は2着が最高という成績だった。

以降は2011年にこのレースを勝利したテスタマッタが翌年のフェブラリーステークスを制したものの、しばらくはG1級競走の勝ち馬が現れない状況が続いていた。だが2022年にメイショウハリオが同年の帝王賞を勝利し、約10年ぶりにタイトルホースが誕生。以降も同馬はダートグレード競走で息の長い活躍を見せた。

■前年のレース模様

未勝利から4連勝でオープンまで駆け上がってきたロードクロンヌが1番人気に推され、やや離れてブライアンセンス、ペイシャエスが続く形。

ゲートが開くとピュアキアンが逃げを打ったが、3.4コーナー中間でこれが初ダートのマテンロウスカイが仕掛けて先頭へ。直線で迫るロードクロンヌとの叩き合いになったが、二枚腰で再度突き放そうとしたところにブライアンセンスが急襲。最後はクビ差ブライアンセンスが抜け出して、重賞初制覇を遂げた。

■今年の出走馬

月曜時点で24頭が特別登録。重賞勝ち馬も多く、好メンバーがエントリーしている。

その中ではオメガギネスが最上位か。一昨年のフェブラリーステークスでは1番人気にも支持された実力馬で、今年の同競走でも不利とされる1枠から5着に好走。ここまでの実績からハンデは重くなるかもしれないが、昨秋のグリーンチャンネルカップでは60キロを背負いながら後続に4馬身差をつけたように、斤量を苦にするタイプでもない。今後の出走を見据える上でも、そろそろ重賞のタイトルが欲しいところだろう。

明け4歳世代からは牝馬のプロミストジーンが参戦。昨年のヒヤシンスステークスではのちに武蔵野ステークスを制するルクソールカフェの2着となり、重賞ウイナーとなったドンインザムードやアドマイヤデイトナを下している。今回は牡馬相手の1戦となるが、レース創設以来初となる牝馬の勝利がなるかにも注目したい。


今週は高松宮記念を皮切りに中央競馬は春のG1シーズンへ差し掛かっていくが、海外ではドバイミーティングが行われる。緊迫した中東情勢のなかでの開催となるが、現時点ではレースは予定通り行われるとのことで、フォーエバーヤングを筆頭とする日本馬たちは、まずは無事に、そして良い結果を残してほしいところだ。

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