![[今週の競馬]今週は3歳女王決定戦!土曜日は京都で大井に繋がる1戦](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/04/202604131.jpeg)
先週のヴィクトリアマイルを終え、ここから2週間、東京競馬場のGⅠはいよいよ3歳馬たちの頂上決戦へ向かう。まずは牝馬クラシック二冠目となるオークス。桜花賞から一気に800m距離が延びる東京芝2400mで、世代の女王を決める戦いが行われる。
一方、土曜日の京都では平安ステークスが開催。毎年、ここでの好走馬が上半期の大一番である帝王賞に駒を進めていることもあり、ダート馬にとっては重要な前哨戦となる。
○オークス 新緑の樫 3歳女王決定戦
オークス(GⅠ)
日曜東京11R 15:40発走
芝2400m(左)サラ系3歳 オープン 牝馬 定量
本賞金 1着15000 2着6000 3着3800 4着2300 5着1500(万円)
■レースの歴史、位置付け
1938年に創設された、3歳牝馬によるクラシック競走。正式名称は優駿牝馬で、桜花賞、秋華賞とともに牝馬三冠を構成する1戦である。
桜花賞が阪神芝1600mでスピードと瞬発力を問われるのに対し、オークスは東京芝2400m。多くの馬にとって未知となる距離だけに、たとえ桜花賞を制していても苦戦を強いられることは多い。では別路線組が有利かと言われると、過去10年で桜花賞組が7勝しているように必ずしもそうとは言えないのがこのレースの難しさだ。
ちなみに、グレード制導入以降で阪神ジュベナイルフィリーズ(旧3歳牝馬S)、桜花賞、オークスを全て制した馬はブエナビスタ、アパパネ、リバティアイランドとわずか3頭のみ。かつてはテイエムオーシャンやソダシがここで敗れている。今年のスターアニスは彼女らが成し得なかった記録への挑戦ということにもなりそうだ。
■前年のレース模様
桜の女王エンブロイダリーが1番人気に支持されていたが、そのすぐ後ろの2番人気に2歳女王かつ、桜花賞2着からの逆襲を狙うアルマヴェローチェがつける。オッズ差はたった0.1の差であるが、3番人気の桜花賞3着のリンクスティップも3.7倍と2頭とは大きな差のない支持。4番人気のカムニャックが14.3倍という単勝オッズだったことからも、桜花賞上位3頭の地力が抜けているという評価だった。
レースはエリカエクスプレスが引っ張り、1000m60秒というよどみない流れ。直線に向いたところでアルマヴェローチェが早めに抜け出し、後続との差を広げていく中、外からただ1頭鋭く伸びたカムニャックが差し切り、GⅠ初制覇を達成。曾祖母ダンスパートナーがオークスを制してからちょうど30年の節目に、曾孫が晴れの舞台で輝いた。

■今年の出走馬
桜花賞馬スターアニスが中心の存在となるのは揺るぎない。だが、彼女の母は現役時代、短距離重賞を中心に活躍したエピセアローム。血統構成だけを考えるなら2400mという距離には疑いもある。果たしてその不安を払しょくする走りで二冠を達成することはできるか。

別路線からは、デビューから常に上り最速を繰り出し続け、フローラSで重賞初制覇を果たしたラフターラインズが主役候補に名乗りを挙げる。彼女の曾祖母は、25年前のオークスで惜しくも2着に敗れたローズバド。脈々と受け継がれてきたその切れ味を発揮し、薔薇一族では初のクラシック制覇(秋華賞はクラシック競走には数えられない)という悲願を叶えることはできるか。

また、忘れな草賞を今村聖奈騎手と共に制したジュウリョクピエロも注目度は増す。女性騎手がクラシックに騎乗するのはこれが史上初だが、忘れな草賞からの転戦ではラヴズオンリーユーやミッキークイーンなどが勝利を挙げているように、相性は悪くない。ここ2走で見せている大外一気が今回も炸裂するか。

さらに、大きく歴史を塗り替えるかもしれない可能性を持っているのがエンジョイドアスク。3月末の中京で行われた未勝利戦でデビュー勝ちしたばかりの馬である。グレード制導入後、たった1戦のキャリアでオークスを制した馬は存在しない。月曜時点で抽選対象ではあるが、もし彼女が抽選を潜り抜けて勝利するようなことがあれば、その時はあのフサイチコンコルドが樹立した、キャリア3戦目でのダービー制覇を超える、空前絶後の大記録達成の瞬間が訪れるだろう。

○平安ステークス 京の都から大井へ繋がる1戦
平安ステークス(GⅢ)
土曜京都11R 15:45発走
ダート1900m(右)サラ系4歳以上 オープン 別定
本賞金 1着3800 2着1500 3着950 4着570 5着380(万円)
■レースの歴史、位置付け
重賞に格上げされたのは1994年で、それまでは京都のダート1400mで行われる短距離OPの競走として施行されていた。
GⅢ初年度のみ阪神での開催となったが、2回目の1995年からは1月の京都ダート1800mが基本条件。以後、フェブラリーSへの前哨戦として行われていたが、2013年からは5月開催へ移行し、距離も100m延長されて1900mに。6月末の大井競馬場で行われる帝王賞を見据える馬たちにとって重要なステップとなった。
■前年のレース模様
1番人気にはマーチSから転戦してきたブライアンセンスとロードクロンヌが同率で並ぶ。やや離れた3番人気に川崎記念を勝利して転戦してきたメイショウハリオ。4,5番人気のアウトレンジとジンセイも差はなく、混戦状態でレースを迎えていた。
ゲートが開くとレヴォントゥレットがレースを引っ張り、直後をマーブルロック、アウトレンジが追走。直線に向いたところで馬群がグッと凝縮した団子状態となる中、アウトレンジが最後までしぶとく脚を伸ばし重賞2勝目。上りは最速の35.1秒を記録し、帝王賞に向けて順調な滑り出しを決めてみせた。
■今年の出走馬
1月にプロキオンSを制し、昨年のこのレースでも2着となったロードクロンヌが主役候補だ。かつては先行して甘くなることが多かった同馬が、プロキオンSでは最後まで脚色が衰えることなく勝利。成長を垣間見せた舞台で、再び頂点を狙うために弾みを付けられるか。

一方、昨年怒涛の4連勝でGⅠ級制覇まで駆け上がったナルカミの復活なるかにも期待がかかる。古馬初対決となったチャンピオンズC以降、先行して粘り切れない走りが多くなっているが、課題と言われている気性面の改善が見られれば上位に入ってきておかしくはない。昨秋、世代の頂点に立った大井の2000mに向けて、ここは結果が欲しいところだ。

なお月曜日現在、土曜の京都は雨の予報も出ている。父がルヴァンスレーヴで母の父がスペシャルウィークという、道悪得意な血統構成のメリークリスマスにとっては絶好の条件が揃うか。ここまで9戦して掲示板を1度も外していない安定感も魅力と言える。

そのほかにもアクションプランやハグといった、ダートグレードで好成績を残して転戦してくる馬も多い。帝王賞へ向けて名乗りを上げるのはどの馬か、土曜日の京都も見逃せない。
気付けば春のGⅠシーズンも折り返し。オークスが終われば、東京競馬場ではいよいよ日本ダービー、そして安田記念と大舞台が続いていく。そして、大トリである宝塚記念がスタートする頃には北海道シリーズも開幕。2歳新馬戦も始まり、来年のダービーを見据える戦いも始まる。
都内では30℃を記録するなどの猛暑となり、早すぎる夏の到来となっているが、競馬の夏もすぐそこだ。くれぐれも競馬観戦中に熱中症で倒れることなどないよう、水分補給や紫外線対策には気を付けて、優駿たちの熱き戦いを楽しみたい。
写真:INONECO、koh、ぼん(@Jordan_Jorvon)、水面
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