![[伝説のグランプリホース]変幻自在のグランプリホース - マヤノトップガン](https://uma-furi.com/wp-content/uploads/2026/06/IMAG0069-scaled.jpg)
クラシック戦線に間に合わず、デビュー後もしばらくは条件戦を歩み続けたマヤノトップガン。しかし、一歩ずつ階段を上るように力を付けた彼は、やがて菊花賞、有馬記念、宝塚記念、そして天皇賞(春)へと続く輝かしい軌跡を描いていく道中で、変幻自在のレースぶりを見に着けた。逃げ先行で粘り切り、差し、追い込みでも鋭い脚で突っ込んでくる──。競馬というスポーツにおいて、これほど多彩な勝ち方を見せた名馬は決して多くない。
今回は、そんなマヤノトップガンが挙げたグランプリ2勝の軌跡を振り返ってみたい。
■サンデー旋風吹き荒れる中、上り詰めた精選弾丸
有馬記念を「逃げ切り」、天皇賞(春)では「追い込み」、菊花賞・宝塚記念においては「先行」で勝利したマヤノトップガン。これほどまでに多様な脚質でGⅠ勝利を手中におさめた馬は、他に類を見ないだろう。デビューが3歳の1月とあってか、春のクラシックには間に合わなかったが、それどころか馬体に成長が見られなかったため、デビューから一貫してダート戦線を走り、基礎体力を身に付けた夏以降に初めて芝を走ることとなる。
条件戦とはいえ、初めての芝レースで素質の高さを見せ付けたマヤノトップガンは、続く神戸新聞杯と京都新聞杯といった2つの菊花賞トライアルで連続の2着、まさに夏の上がり馬として菊花賞でも一目置かれる存在に変貌。菊花賞では、先行好位といった脚質でクラシック最後の一冠を手にし、一気に世代頂点へと上り詰めた。世代頂点といった的を射止めた精選弾丸。次のターゲットは、古馬も含めた現役最強馬の称号である。それを得るため、暮れの有馬記念に向かう。ここには、前々年の三冠馬ナリタブライアンや当時最強牝馬と謳われたヒシアマゾン、その年の天皇賞(秋)を制したサクラチトセオーなど、錚々たる歴戦の強者が集結。いくら世代頂点に立ったマヤノトップガンでも一筋縄ではいかぬメンバー構成。それは、マヤノトップガンが6番人気にとどまっていたことも物語っているだろう。

快晴の中で行われた第40回の有馬記念―ここでマヤノトップガンと鞍上の田原成貴騎手は、これまでの先行脚質から逃げ脚質にてレースを引っ張った。変幻自在の脚質の片鱗は、この頃から徐々に姿を露わにしていたのかもしれない。中山名物「心臓破りの坂」をものともしない力強い走りは、強者たちを一切寄せ付けず、最後はタイキブリザードに2馬身差を付けての逃げ切り勝ち。ほんの数か月前まではダートの条件戦で着を拾うにすぎなかった馬が、一気に現役最強馬まで上り詰めた遅咲きのステイヤーとしてのその姿を中山の大観衆に見せ付けたのである。
■伝説の死闘を経て手にした春のグランプリ
マヤノトップガンといえば、多くの競馬ファンは、あの阪神大賞典でのナリタブライアンとの一騎打ちを思い出すことだろう。ただ阪神大賞典では、前年の三冠馬をお膳立てする形となったが、その影響もあったのか、次走の天皇賞(春)でも5着に敗れた。それでもマヤノトップガンの強さを知っているファンは、宝塚記念において、ファン投票2位に押し上げた。
七夕開催となった第37回宝塚記念は、一部有力馬の回避もあって少し寂しいメンバー構成となったが、それでもオークス馬ダンスパートナーやジャパンCを制したレガシーワールド、2歳女王ヤマニンパラダイスなどがマヤノトップガンに立ちはだかる形となる。
それでも歴戦の強者を抑えて勝利してきたマヤノトップガンに対し、世間では「勝って当たり前」のムードが漂っていた。
レースでは早め先頭集団に取り付けたマヤノトップガンが、いつでも抜け出せる態勢を保持したまま、淡々と進んでいく。最終コーナーを迎えると鞍上の田原騎手が持ったままで先頭に立ったマヤノトップガンは、後方からダンスパートナーやサンデーブランチといった実力馬が懸命に詰め寄ってくるも一切寄せ付けず、そのままゴール。まさに自分から勝ちに行って勝ち取った貫禄勝ちだった。
しかもGⅠレースで持ったまま完勝することは、並大抵の馬ができる芸当ではない。競馬に絶対はないのだ。勝って当たり前の状況から勝つことがどれだけ難しいことか、往年の競馬ファンなら、これまでその光景を数多く目にしてきたに違いない。
それを泰然自若にやり遂げたマヤノトップガン。有馬記念から続いて宝塚記念を制したのは史上3頭目、そして、グランプリ連覇は史上7頭目の快挙となったのである。

文:真実良
Photo by:I.Natsume
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■巻頭特別インタビュー 池江泰寿調教師 憧れのグランプリ

■第1章 グランプリ3勝馬
スピードシンボリ
グラスワンダー
オルフェーヴル
ゴールドシップ
クロノジェネシス

■第2章 グランプリ2勝馬
リユウフオーレル
シンザン
トウショウボーイ
シンボリルドルフ
イナリワン
オグリキャップ
メジロパーマー
マヤノトップガン
テイエムオペラオー
シンボリクリスエス
ディープインパクト
ドリームジャーニー
リスグラシュー
イクイノックス

■第3章 伝説の有馬記念
テンポイント
グリーングラス
ダイユウサク
トウカイテイオー
ナリタブライアン
サクラローレル
ゼンノロブロイ
ダイワスカーレット
ジェンティルドンナ
サトノダイヤモンド
キタサンブラック
エフフォーリア
ドウデュース

■第4章 感動の宝塚記念
ハイセイコー
タマモクロス
メジロライアン
メジロマックイーン
ビワハヤヒデ
マーベラスサンデー
サイレンススズカ
メイショウドトウ
ナカヤマフェスタ
ラブリーデイ
サトノクラウン
タイトルホルダー
メイショウタバル

■コラム&データ

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| 書籍名 | 名馬コレクション 伝説のグランプリホース |
|---|---|
| 監修 | ウマフリ |
| 発売日 | 2025年11月17日 |
| 価格 | 定価:2,980円(税込) |
| ページ数 | 96ページ |
| シリーズ | ガイドワークス |

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