[リーディング]若手ジョッキーの台頭に親子制覇…新たな時代の風をかすかに感じた9月最終週!

競馬の流れは、数字で如実に表れる。好調な陣営や種牡馬を見つけ、注目するのも楽しみのひとつと言えるだろう。先週の競馬をリーディングの順位とともに振り返る。

■厩舎リーディング 安田翔伍調教師がJRA通算200勝を達成

先週の日曜中山11R、スプリンターズSをピューロマジックで制した安田翔伍師はこれがJRA通算200勝。区切りの1勝をGⅠ制覇で成し遂げた。

免許取得から10年、厩舎開業から9年での到達は、父の安田隆行元調教師と同じ。ただ、JRA・GⅠ制覇は翔伍師のほうが早く、スプリンターズS初制覇も父を7年上回っている。一方、隆行氏は同競走の初勝利から3連覇を達成したが、翔伍師もそれに続くトップスプリンターを送り出すことができるだろうか。

先週が終了した時点で、TOP10の順位は以下の通り。

1位 杉山晴厩舎 51勝(+1勝) 先週1位
2位 矢作厩舎 36勝(+0勝)先週2位
3位 斎藤誠厩舎 36勝(+1勝) 先週3位
4位 大竹厩舎 34勝(+0勝) 先週4位
5位 池江厩舎 33勝(+1勝) 先週5位
6位 手塚久厩舎 32勝(+0勝)先週6位
7位 藤原厩舎 31勝(+0勝) 先週7位
8位タイ 寺島厩舎 30勝(+0勝) 先週8位タイ
8位タイ 鹿戸厩舎 30勝(+0勝) 先週8位タイ
8位タイ 中館厩舎 30勝(+1勝) 先週10位タイ
10位タイ 福永厩舎 29勝(+2勝) 先週10位タイ
10位タイ 宮田厩舎 29勝(+1勝) 先週12位タイ

先週で、中央競馬は9月の開催が終了した。月間で最も勝ち星を積み上げたのは杉山晴紀厩舎の6勝。このあたりはリーディングトップの数字にもしっかりと表れているが、杉山晴師に次ぐ5勝を挙げたのは杉山佳明師、安田翔師、石坂公一師、田中博康師、高橋亮師で、この5厩舎はいずれもTOP10にはランクインしていない。

このなかで最もリーディング上位は安田翔師で、現在23位タイの24勝。だが10位までは6勝差と、そこまで大きな差ではない。GⅠ制覇を決めた勢いに乗って、一気にトップ10圏内に差し込んでくるかにも注目だ。

■騎手リーディング 津村明秀騎手が土日で複勝率8割を記録 若手ジョッキーたちの台頭も目立つ1週間に

先週、土日の中山で10鞍に騎乗した津村明秀騎手だが、そのうち8鞍で馬券圏内に入線。勝利も土曜11Rの秋風S(3歳上3勝クラス 芝1600m戦 サウンドムーブ・斉藤崇史師)で挙げている。

日曜メインのスプリンターズSでもワールズエンドを2着に導いた津村騎手。今年、WIN5の対象レースでは、美浦所属の騎手としてトップとなる12勝を挙げている。このことからもかなりの好調ぶりにあることがわかるのではないだろうか。

今週の毎日王冠では、春二冠を共に戦った相棒、リアライズシリウスに騎乗予定。初の古馬、それも一線級に近い馬たちとの戦いになるが、果たしてどんな騎乗を見せてくれるか。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 C.ルメール騎手 117勝(+5勝) 先週2位
2位 岩田望騎手 116勝(+3勝) 先週1位
3位 松山騎手 105勝(+4勝) 先週3位
4位 横山武騎手 84勝(+1勝) 先週4位
5位 川田騎手 83勝(+3勝) 先週5位タイ
6位 坂井騎手 80勝(+0勝) 先週5位タイ
7位 西村騎手 79勝(+0勝) 先週7位
8位 丹内騎手 68勝(+3勝) 先週8位
9位タイ 戸崎騎手 64勝(+1勝) 先週9位
9位タイ 横山和騎手 64勝(+2勝) 先週10位

上位2人の首位争いは依然続いているが、ルメール騎手が1勝リードを取った形で9月は幕を閉じた。だが岩田望来騎手もスプリンターズSをピューロマジックで制し、その活躍ぶりはとどまるところを知らない。ここから2週間、岩田望騎手は騎乗停止となるため、この期間にルメール騎手がどれだけ勝ち星を積み重ねるかが、リーディングの行方を大きく左右しそうだ。

そして、先週は若武者たちも東西で躍動した。土日ともに阪神で騎乗し、メインのシリウスSをヴァルツァーシャルで制した斎藤新騎手は、翌日曜2Rをセーニョレガーレで勝利。JRA通算300勝に到達している。

また、勝利数こそ1つだったが、日曜中山10R茨城新聞杯の向正面で、相棒のベネスピラを最後方から一気に番手まで押し上げ、3着へ導いた小林美駒騎手に、土日の阪神で騎乗馬の半数を馬券圏内に導いた河原田菜々騎手と、若手女性ジョッキーの活躍も目立った。

リーディング上位の騎手たちだけでなく、若手騎手たちの成長も見えた9月最終週。新たな風は確実に吹き始めていると感じさせられる。

■種牡馬リーディング アジアエクスプレスが月間2位の獲得賞金額を記録

9月の獲得賞金額に目を移すと、面白いことが分かる。トップはリーディングでも首位を走るキズナだが、2、3位はサートゥルナーリア、アジアエクスプレスが続いており、リーディングで上位争いを繰り広げるロードカナロアとキタサンブラックはそれぞれ4、8位の獲得賞金額となった。

このうちアジアエクスプレス産駒が着内に入ったことで稼いだ賞金は、9月に2走したピューロマジックのみということからも、重賞での好走がいかに大きなアドバンテージとなるかがわかる。

これからのGⅠシーズン、上位勢にとっていかに大レースで好走するかが大事になってくるのは間違いないだろう。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 キズナ 117勝(+1勝) 先週1位
2位 ロードカナロア 80勝(+0勝) 先週2位
3位 キタサンブラック 77勝(+3勝) 先週3位
4位 エピファネイア 87勝(+0勝) 先週4位
5位 サートゥルナーリア 73勝(+0勝) 先週5位
6位 ドレフォン 67勝(+0勝) 先週6位
7位 レイデオロ 62勝(+1勝) 先週7位
8位 モーリス 60勝(+2勝) 先週8位
9位 ゴールドシップ 27勝(+1勝) 先週9位
10位 リアルスティール 42勝(+2勝)先週10位

上位10傑だけを眺めると、それほど順位の変動は無いように見える。ただ、11位以下では絶えず動きが起きており、たとえば1ヶ月前に10位だったドゥラメンテにかわって、シルバーステート、ブリックスアンドモルタル、ルヴァンスレーヴらが台頭。なかでも、ルヴァンスレーヴは2歳ダート戦の獲得賞金額でトップを走るほどの活躍ぶりだ。日曜の阪神でも、産駒のヤマニンガルブがダート1800m戦でデビューし、見事勝利を飾っている。

来年のダート三冠路線でも、現3歳のシルバーレシオのような主役級を送り出す可能性は十分にあるだろう。

■生産者リーディング 村田牧場は17年ぶりのJRA・GⅠ制覇

先週のスプリンターズを制したピューロマジックは村田牧場の生産馬。同場は2009年、ローレルゲレイロでスプリンターズSを制して以来、実に17年ぶりのJRA・GⅠ制覇となった。

8月5日、アイビスサマーダッシュをピューロマジックが勝利したことについて触れた当記事で「村田牧場にとっても、ローレルゲレイロ以降、あと少しのところで手が届いていないGⅠの称号。故郷に錦を飾るべく、その快速ぶりを大舞台で見せつけてほしいところだ」と記したが、まさにその通りとなる最高の結果を残した。

このあとは香港遠征を視野に入れ、それを最後に繁殖入りするプランがあるとのこと。当地の短距離界にはカーインライジングという怪物がいるが、こちらも負けず劣らずの快速馬。同郷の先輩がつかめなかった海外GⅠのタイトルを目指すとともに、数多のスプリンターが敗れてきたカーインライジングに一矢報いてほしいところだ。

先週が終了した時点で、順位は以下の通り。

1位 ノーザンファーム 492勝(+13勝) 先週1位
2位 社台ファーム 202勝(+4勝) 先週2位
3位 三嶋牧場 52勝(+0勝) 先週3位
4位 社台コーポレーション白老ファーム 65勝(+1勝) 先週4位
5位 下河辺牧場 52勝(+2勝) 先週5位
6位 ケイアイファーム 43勝(+0勝) 先週6位
7位 ダーレー・ジャパン・ファーム 58勝(+1勝) 先週8位
8位 ノースヒルズ 47勝(+0勝) 先週7位
9位 岡田スタツド 38勝(+0勝) 先週9位
10位 千代田牧場 31勝(+0勝) 先週10位

先週、生産馬のヴァルツァーシャルがシリウスSを勝利した梅田牧場は、24年のマーチSを同馬で制して以来のJRA重賞制覇となった。同馬の次走は未定であるものの、チャンピオンズCに出走すれば、同場初のJRA・GⅠ制覇がかかる一戦となる(交流GⅠはホワイトフーガがJBCレディスクラシックを連覇)。


電撃の6ハロン戦を終え、中央競馬はいよいよ秋競馬のシーズンに突入し、息つく間もなく年末の有馬記念まで駆けていくことだろう。それを考えれば、各部門のリーディング争いも、そろそろ結末を想像し始める段階かもしれない。ここからは各陣営が記録する1勝1勝に、今まで以上に注目していきたいところだ。

写真:INONECO、s1nihs、ぼん(@Jordan_Jorvon)

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