「名馬」を語る マチカネフクキタル~「待ちかねた福」を掴んだ、衝撃の末脚~ 2021年4月2日 私がまだ幼い頃、はじめて自分から競馬メディアを探して見た動画は、サイレンススズカの特集動画だった。新馬戦の勝ちっぷり、弥生賞でのゲートくぐり、プリンシパルSの勝利で駒を進めたダービーでの敗戦を経て見た、神戸新聞杯。 直線で大きく突き放し、セーフティリードを広げる彼に魅了され始めていた私は「ああ、かっこいいなあスズカ」と... 小早川 涼風
「名馬」を語る キズナ~記録より記憶に残る、絆の名馬〜 2021年3月27日 「ぼくは、帰ってきました」その一言に、涙が出たのを今でも思い出す。 衝撃が走った日 「……最大震度は7……特に東北地方の被害は甚大であり……付近の方々は津波の恐れがありますので厳重に注意して下さい……」 あの日、我々から「日常」を奪っていった最悪の日。2011年3月11日、東日本大震災。全国に多大な被害を負わせ、死者、... 小早川 涼風
「名馬」を語る ビッグアーサー~聖剣の王者~ 2021年3月27日 時は2016年──短距離の絶対王者・ロードカナロアが高松宮記念を制覇した3年後。名馬サクラバクシンオーが残した最後のトップスプリンターが、短距離界を平定する。彗星のごとく現れ、瞬く間に短距離界のトップに君臨した王者、ビッグアーサー。 その名に恥じぬ、伝説の現役時代を歩んだ馬であった。 「王」から「王」へ。国内スピード王... 小早川 涼風
「名馬」を語る ミスターメロディ〜福永騎手、キングヘイローと不思議な縁のある良血馬~ 2021年3月24日 「……ディヴァインライト抜けてくる! 大外からキングヘイロー! キングヘイローだ! キングヘイローが撫で切った! 遂に悲願のG1制覇です!」 2000年、高松宮記念。己の血統の偉大さを、いくつもの敗北を乗り越え証明した良血馬、キングヘイロー。 クビ差2着に、内から抜け出し、競り合いを制していたディヴァインライト。鞍上は... 小早川 涼風
「名馬」を語る ローズバド~薔薇一族の蕾~ 2021年3月13日 我々がゲームで馬名を考える際、基本的にまずは性別や血統から考える人が多いのではないだろうか。その中には冠名をつける人や、何らかのこだわりを持ってつける人もいるだろう。少なくとも、私はそうだ。それは現実でもそれほど変わらないものらしく、日本にも様々な“一族”と呼ばれる血統、そして馬名が存在する。 その中でも馴染み深いひと... 小早川 涼風
「名勝負」を語る 「1強」の重圧をしりぞけて~ロジユニヴァース・2009年弥生賞~ 2021年3月5日 クラシック路線が始まると、我々は無意識のうちに世代を代表する馬達を追い求めている。 テンポイト・トウショウボーイ・グリーングラスのTTG世代、ナリタタイシン・ウイニングチケット・ビワハヤヒデのNWB世代などの3強世代もあれば、ディープインパクトやコントレイルのように1頭が話題を独占するクラシックもある。 今年はどんな馬... 小早川 涼風
「名馬」を語る マイペースG2ハンター・バランスオブゲーム 2021年2月26日 G2、G3では活躍するのだが、G1となるとあと一歩足りない。そんな馬達は、今も昔も変わらずにいるものだ。 2020年、アーモンドアイがG1最多勝記録を更新したのは周知の通り。では一方でG2最多勝記録を持つ、「トライアル大将」を皆さんはご存じだろうか?その馬こそ今回の主役、バランスオブゲームだ。 誕生時からバランスが取れ... 小早川 涼風
「名勝負」を語る 老雄の進撃~アサカディフィート・ 2008年 小倉大賞典~ 2021年2月20日 競走馬にとっての幸せとは何だろう。それを我々人間が理解することは恐らく難しいものだろうが、少なくとも彼らがこの世に「走ること」を定められて産まれている以上、走り続けられることが幸せであると思いたい。そんな宿命を抱えて生きるサラブレッドの、まさにお手本と言うべきか。 11歳まで走り、10歳にして重賞制覇。生涯戦績は76戦... 小早川 涼風
「名馬」を語る シックスセンス〜最強の1勝馬が、最後に見せた激走〜 2021年2月14日 G2、京都記念。テイエムオペラオー、アドマイヤムーン。近年で言えばブエナビスタやクロノジェネシス──歴戦の名馬たちの多くが、この京都記念を足掛かりに大阪杯や天皇賞、果てはドバイや香港へ旅立ってきた。 一方、ここで悔しい思いをした昨年のリベンジを果たさんとする馬もいる。 トゥザグローリー、トレイルブレイザー。 そして、シ... 小早川 涼風
「名馬」を語る 父と伯父と息子の物語・ミッキースワロー 2021年1月29日 2011年10月30日。ある1頭の鹿毛馬が、最強女王を従え天皇賞を制した。そのレコードタイムは日本記録となった。 2012年5月27日。その弟が、兄の辿り着けなかった夢の舞台で惜しくも3着に敗れた。屈腱炎を発症した彼は偉大な英雄の後継として、息子へ夢を託してスタッドイン。 時を同じくして同年、ひとりの少年が競馬学校の門... 小早川 涼風