ニュース・ブログ ニュースコラム [ニュースコラム]国枝栄調教師の引退に寄せて。名牝たちの記憶を振り返る 2026年3月5日 競馬場のパドックには、独特の緊張感が漂う。馬体を見つめるファンの視線、関係者の足音、ざわめきの奥に潜む期待と不安。その中心で、いつも変わらぬ笑顔を浮かべていた人がいる。 国枝栄調教師──その柔らかな笑みは、名伯楽としての威厳よりも、馬と人を包み込むような温かさを感じさせた。 止まれの合図がかかったパドック。リズムを取っ... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 『世界の』パンサラッサが、風になった瞬間 - 2022年中山記念 2026年2月28日 春は、中山記念から──。 2月の府中開催が終わり、中山競馬場へ開催が移る2月の最終週。気温が低くても、2開催続く春の中山開催の最終日には、皐月賞が行われる。その途中には、向正面から4コーナーにかけて咲き誇る桜を背景に疾走するシーンも見られ、春のクラッシック戦線に向けたトライアルレースで盛り上がる。そのスタート週の日曜日... 夏目 伊知郎
ニュース・ブログ ニュースコラム [ニュースコラム]“キング姐さん”2026年・冬の足跡。今冬の短期免許来日を振り返って… 2026年2月25日 今年の冬は格段に寒いような気がする。実際、2月7日の開催は降雪で8レース以降が開催取り止め、翌日8日の開催は火曜日に延期となった。降雪による開催途中での中止は6年ぶり、積雪による完全中止で代替競馬開催は7年ぶりのこと。それだけではない。今年は豪雪地帯での大雪がニュースにもなるなど、寒波が日本列島を襲った。 今年の寒い冬... 夏目 伊知郎
競馬場を楽しむ マルガ、アロンズロッド…アイドルホース候補たちが集結した、バレンタインデーの東京競馬場を巡る 2026年2月17日 前週の雪の府中から一転、春を感じさせる晴天の中で行われたバレンタインデーの府中競馬場。 京王線の府中競馬場正門前駅を降りた時から、少々違和感があった。 「いつもより来場者の世代が若いな…」 入場ゲートを通過してスタンドへ向かう通路が、カラフルに見える。いつもの土曜日なら目の前を歩く人々の服装は、黒か灰色。真冬の府中のス... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る テイエムオペラオー - 2000年京都記念、王道の幕が上がった日 2026年2月14日 年号が1999年から2000年に替わる年頭。「2000年問題」という、今から思えば摩訶不思議なことが話題となった。「2000年問題」とは、西暦2000年になるとコンピューターシステムが日付を正しく処理できなくなるとされた問題。多くのシステムが年号を西暦の下2桁で管理していたため、2000年を「00」と認識し、1900年... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 父メジロマックイーンが残した悔しさを、娘エイダイクインが回収した日 - 1998年クイーンカップ 2026年2月13日 私はメジロマックイーンが好きだ。 2006年4月に彼が亡くなってから20年が経った今でも、「私の好きな馬第1位」の座は揺らいでいない。おそらくこの先も、永遠に変わることはないだろう。 メジロマックイーンの競走生活、とりわけ“秋”は不運続きだった。 5歳(現4歳)の春、天皇賞(春)を制して父子三代制覇を成し遂げた彼は、京... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る カラテという名の物語 - ファンたちが見届けた、誠実な走りと温かな余韻 2026年2月5日 競走馬のキャリアは、しばしば「結果」で語られがちだ。勝った、負けた、重賞を獲った、惜敗した──。しかし、時にはそんな単純な記録の積み重ねでは、語り尽くせない馬が登場することがある。その馬の歩みは、いつも「人の心」とともにあった。彼を取り巻くファンの心が、そして騎乗した騎手の、世話をしていた厩務員さんの愛情が、その馬の走... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 2001年に輝いたスプリンター・トロットスターの記憶/シルクロードステークス 2026年1月29日 ■毎週のレースは歳時記である 競馬と過ごす年月を重ねると、毎週のレースが歳時記となり生活サイクルに組み込まれはじめる。子供のころ、七夕やお月見で季節を感じたように、今は競馬新聞に記載されるレース名が、春夏秋冬の移り変わりを知らせる「便り」のようになっている。 「正月は金杯から」で始まる番組プログラムも、G1レースが組ま... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 尾花栗毛が冬の枯芝に輝いた! 「この馬は競馬を知っている」と感じさせた名馬、トウショウファルコ 2026年1月24日 まだ、スマホもSNSも無かった、平成初期の頃の話──。 一頭のグッドルッキングホースが、華麗なる逃げを披露していた。もしも、令和の時代に現役生活を送っていたら、間違いなくアイドルホースオーディションの上位に名を連ねる人気馬になっていたはずだ。 トウショウファルコという名の馬は、いわゆる名馬列伝の中で派手に語られるタイプ... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る あの日、東京の芝に咲いた奇跡の薔薇 - テンハッピーローズの蹄跡を振り返る 2026年1月17日 2025年、仕事納めの日。納会を前に、誰もが掃除をしている風景を見ながら、私は自分の机の引き出しを整理していた。インクの出なくなったボールペン、付箋の使いさし、引き出しのあちこちに散らばるターンクリップ…。次々と出てくる、何年も前から眠っていたであろう不必要な面々を仕分けしていると、引き出しの奥から1枚の馬券が顔を出し... 夏目 伊知郎